「むらびと祭2023」四徳温泉キャンプ場 山の恵みをいただき、集い、踊った

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最終更新日 2023-12-05

「また来たいな」来月19歳になる長男が中学生だった頃、四徳からの帰りの車の中でつぶやいた一言は心の中にずっと大切に残っています。音楽の好きな長男がゲストパフォーマーとして四徳に来ていたサブニュマの太鼓とダンスのリズムに合わせて嬉しそうに踊った翌日のこと。

名古屋からは少し距離のある南信州の山の中に「また来たいな」と思える場所があることがとても嬉しいのです。感情を揺さぶられるような時間を子どもと一緒にできる限り沢山体験した、それが生きていく上で何よりも大切だとつくづく思うのです。そして、今年の「むらびと祭」も最高の体験がいっぱい詰まっていました。

2023年10月、南信州中川村の四徳温泉キャンプ場で行われた「むらびと祭2023」の様子を紹介したいと思います。

四徳温泉キャンプ場の「むらびと」が集う年に一度の村祭

「むらびと祭」は毎年10月第3土日に開催される四徳温泉キャンプ場のお祭り。キャンプ場の会員制度を「むらびと」と呼んでおり、会員が年に一度四徳の森に集い、交流する事を目的に2019年から開催されています。

2019年 初回のむらびと祭プログラムチラシ

一度悪天予報のため中止となり、今年で4回目の開催となりました。

会員制度「むらびと」のお祭りと書きましたが、実は誰でも参加可能。しかし、毎回参加してきて思うのは、年々口コミでの人気が高まっているのか、参加者が増えているなと思います。今回も満サイトだったかなと。それでも山の中のキャンプ場なので限られた人数でゆったりと過ごせるのが魅力ですが。

確実に参加するには「むらびと」に登録し、先行予約するのが一番です。

「むらびと」に登録するには?

四徳温泉キャンプ場に一度でも来場したことがある人に限られます

費用はどのくらい?

年会費は3500円。温泉入浴チケット5回分が付いて来ます(通常大人1回800円)

登録するといいことはある?

通常は2ヶ月先までの予約が、年内いつでも先行予約が出来ます。

来場3回目以降(年間)は温泉入浴代が家族全員無料

他にも、むらびとコミュニティーイベント参加など特典も。キャンプブーム真っ只中の頃は先行予約のおかげでGWやお盆に困らなくて済みましたし、何と言っても来場3回目以降の温泉入浴料が無料になるのが大きい。そして、むらびとになることで四徳温泉が大事にしている森を守り生かすことに少しでも貢献できているかと思うと嬉しいです。

さて、では本題の「むらびと祭2023」の様子をレポートしてみたいと思います。

四徳温泉キャンプ場「むらびと祭2023」

2023年10月14日〜15日に開催された「むらびと祭」。この日は10時からキャンプ場のチェックインが可能。麓のスーパー「チャオ」の開店9時に合わせて名古屋を出発し、予定通り10時前に四徳温泉キャンプ場に到着し、今回はオートサイトへ。

キャンプ場には趣向の違うフリー、林間、オートなどいくつかの区分けがり、普段は林間にあたるフォレストサイトを好んで利用していますが、「むらびと祭」の日はほとんど会場となる広場に入り浸っているため、広場から遠いフォレストサイトではなく、会場にも近い場所を予約しました。

2023年11月初めのフォレストサイトの紅葉

ちなみにフォレストサイトが最高に気持ちがいいのは上の写真を見ていただければ一目瞭然かと。

翌日は雨予報ということでタープにヒルバーグのタープ20XP、テントは同じくヒルバーグのナロ3GTという組み合わせ。ナロにはみぃ君と妻、私とこっちゃんはタープ下で寝ることに。まあいつも通りの設営をパパッと。写真も取らずです笑、それより祭ですから今日は!

きのこ採集、鹿解体、野菜カット!みんなで晩御飯を作る

最初のイベントは「食べるものをみんなで作る!」。晩御飯を参加者みんなで手分けして作ります。

四徳の森できのこを探せ!

まず食べるための材料を四徳の森に入ってそれぞれ見つけてくるところから始まります。ターゲットはきのこ!料理人のハセヤンの指導のもと子どもも大人も森へ散っていきます。

次々集まってくる色々な種類のきのこを選定中!食用じゃないものや名前の判別の難しいものなどいっぱい!子ども達が大活躍していました。大人よりも宝探し能力高いのでしょうね〜。

Photo by みっこちゃん

こちらはハセヤンが採って来てくれた天然のマイタケ。香りが凄いのです、特に洗った後が洗い場いっぱいに匂いが広がる濃厚さ。きのこに濃厚って言葉が合うかわかりませんが、その言葉がピッタリくるような感じ。

地元農家さんの新鮮野菜がいっぱい!

Photo by みっこちゃん

同時進行で農家からいただいた野菜を大量にカットする班!

名前も知らない同士だけれど、「どうやって切る?!」「こっちお願いします!」なんて言い合いながら、大量の野菜を切っていきますが、これがまた新鮮で美味しそう!私も硬いカボチャとか頑張って切りました。

鹿肉を捌く

次に始まったのが四徳の森で獲れた鹿の解体。今回は皮を剥いだりしてくれた後ですが、肉の塊、骨の様子など、子どもも大人も思わず見入ってしまいますよね。

こちらも大量の鹿肉の塊を切り分けていきます。なかなかに大変な作業でしたよ!

当然焼き要員もいるわけですよ。このあたりは手の空いている人が次々自分たちから名乗りあげて役割を果たしていきます!自然な連携が気持ちいいです。

木を運んでキャンプファイヤーを組む

全て同時進行で進む調理の後では着々と夜のファイヤーサークル作りが進みます。森の木や竹を運び出して上手に燃えるように組み上げます。

子ども達の出番!何度も何度も森に入って運び出してくるので大変!

当然火遊びが始まります、まあ分かります。

私も焚き火管理のスタッフと乾杯!

子ども遊び場コーナー?登場

昨年に続いて子どもの遊び場コーナーも登場。輪投げやコマ回し。みぃ君は得意のコマ回しを披露しながらコマ投げチャレンジとコマの販売も。はなちゃんはどんぐりで作った景品で輪投げ遊びを企画。

輪投げ大人気でした!何だか小さかったはなちゃんが子ども達の遊び相手になるとか・・・子どもの成長は早いな〜

コマ回しは大人も熱中して参加してくれていたようで良かったね!ここでの収益を貯めて来年また出店したいようです。

恒例「ぐるぐるギアマーケット」

恒例となった「ぐるぐるギアマーケット」も同時に開店。こちらは使わなくなったキャンプ道具を使いたい人に使ってもらうというフリーマーケット。

めちゃくちゃお値打ち品ばかり
ワークマンのダウンパンツを買ってもらって喜ぶこっちゃん

今年もスノーピークのシェルコンなどを出品して全て購入していただきました!ありがとうございます!もう在庫はありません笑!こっちゃんもいくつか購入してもらえて喜んでいました。

他にも地元の農家さんの採れたて野菜、アイスや飲み物の販売などなども。大好きなとうもろこしを購入して焚き火で焼いたのがとっても美味しかったです!

みんなで一緒に「いただきます!」

さあ晩御飯作りが始まってから約6時間!そろそろ出来上がって来たようです!焚き火サークルの周りに続々と机やチェアが持ち込まれ、大きなパーティーのように。

こちらは野菜いっぱい、きのこいっぱいの汁物。

素材のうまさが染み出して、特別な味付けはしていないと思いますがとてもいいお味に!これ第一弾で第二弾はまた違う汁物になっていましたが、どちらも美味しくて思わずおかわりしました。

続いてはきのこと胡桃の炊き込みご飯。胡桃のコリコリした食感がアクセントになっています。おこげも出来ていてこちらも列が出来ていましたね。

そしてメインの鹿肉!大量の鹿肉を調理しました!しかし、あっという間に皆んなでいただいてしまいました!少し硬めの食感はこれが野生の肉なのだろうなと感じる鹿肉。嫌な匂いなどはなくて子どももかじりついて食べていましたね。

味付けは塩だけだと思いますが、それがまた良かったです!焼き担当の腕か、いい焼き加減。

弾力が違います!まさに肉を喰らっているという感じ。

焚き火を囲んでぐるっと輪が広がって、食べ物も飲み物もあって、森の暗闇が徐々に迫ってきて村祭の雰囲気は徐々に盛り上がって来ます。わいわいとあちこち賑やかで、みなさん楽しそうにしている様子を自分も眺めていると、何だか嬉しくなってきましたね。

コロナ禍をへて、第一回「むらびと祭」の時に行ったみんなで調理がまた復活出来たことが今回の大きなことだっただろうと思います。同じ釜の飯を食うではないですが、一緒に食事を作るというのは自然な協力が広がって楽しかったし気持ち良かったです。子ども達の出番も沢山あり、ぜひ続けてほしいなと思います。

恒例「夜の運動会」思いっきり走り、笑う!

宴もたけなわですが、恒例「夜の運動会」の始まりです!むら祭には運動会がつきもの?ということで3回前から始まった企画。事前エントリーとか一切なしでその場にいた人が自由に参加します。

毎度やる気満々な子ども達。他の子ども達も「運動会」と聞いただけで、「えーもう学校で終わった〜」とか言いながら嬉しそうなわけです。何が始まるんだろうとワクワクしてきますね。

種目は色々あります。準備した「お題」にそって、数人の子ども達がどれだけ人数を集められたかを競う人数集めゲーム。例えば「お酒の好きな人」とか。私も2回勝ちチームに加わることができまして、景品のお酒1杯無料をご馳走になったり!子ども達はステッカーをもらっていましたよ。

続いてはチーム戦。4人1組のチームを全く知らない人含めて誰でもいいので作って焚き火の周りを決められたルールに沿って走って速さを競い合います。

これは後ろで腕を組み合って走っているところ!大人も子どももというか、大人が必死に頑張る姿がいいですよ。勝っても負けても思いっきり楽しめる楽しい運動です。

今年の勝者は?綱引き大会で子どもと大人の意地がぶつかる

そして、最後の競技は「綱引き」。前回から?始まった大盛り上がりの大人vs子どもの闘いです!前回は3回勝負で子どもチームが2勝して大人が負けています。今年こそは大人の意地を見せられるか!

お酒も入っているけど大丈夫か!大人チーム

お酒も入って雪辱に燃える大人チームに対し、整然と並んだ子ども達の余裕の様子。後からこの写真を見返すと、これは勝負はすでについていたか??しかし、負けられないのです。

いや、前半はね大人の力が圧倒していたんですよ!もうちょっとで勝てそうだったのですが、何故か秘密の力が働いたのか、突然綱が重くなり、一気に引っ張られて大人チームの2年連続の敗北となってしまいました!残念!勝った子ども達は歓喜の雄叫び(笑)悔しかったけれども会場一体になって綱引きは大盛り上がりでした。来年こそは勝つために、毎朝のスクワットの回数を増やしていますよ。

楽しかった!ソロキャンプやファミリー単独のキャンプでは味わえない「むらびと祭」独特の楽しみです。毎回のキャンプがこれだけ激しいと疲れるかもしれませんが、年に1回のむら祭ですからね。

サブニュマのリズムに合わせ歌い踊る

そしていよいよ最後は地元在住のアーティスト集団「サブニュマ」の登場です。もうむらびと祭ではお馴染みといったところでしょうか、子ども達にすぐに囲まれています。

Sabunyuma(サブニュマ)とは西アフリカのマリンケ語で「素敵な出会い」「皆の幸せ」という意味があるとのこと。四徳温泉で何度もパフォーマンスを見て来ましたが、躍動感が素晴らしく、見ていると自然に体が動き出し踊りの輪が広がっていきます。寒い中、出番を待っていてくれてありがとう!

広場に響く太鼓のリズムに合わせてみんなで手拍子が始まります。

ウォーミングアップで火の回りを踊りながらぐるぐると、徐々に体が温まってきて準備万端!

たいこのリズムに合わせて女性達の全身を使ったダンスがスタート!

パワフルでありながらとても繊細

言葉はわからないけれど、作物の恵みに感謝したり、喜びを表現するようなダンスなのかなと感じます。子ども達は体を動かして我慢できなくて参加していったりします、

太鼓のリズムが激しく、軽やかに四徳の森に響いていきます

最後はみんなで一緒にダンス!寒さなんて忘れて汗かくほど踊りましたよ。

会場を巻き込んだ30分あまりのパフォーマンスにみんなで歓喜!大きな拍手でありがとうの気持ちを伝えました。もっともっと一緒に踊っていたかったですね!

2年前のむらびと祭でも登場してくれたサブニュマ。まだまだコロナ禍真っ只中で、歌やダンスはもちろん、人との距離を取り、マスクは必須の状況の中、久しぶりに踊ったり歌ったり、人と接することが出来た時、思わず涙が溢れてしまいました。つながる事が出来なかったコロナ禍は本当に苦しかった。もちろんまだコロナは続いているのだけれど、人間が生きていく上で他の人の存在の大きさというのでしょうか、人との繋がりがとっても大切なんだということを改めて感じさせてくれるサブニュマのパフォーマンスでした。ありがとう!

サブニュマのパフォーマンスが終わったと同時に四徳温泉キャンプ場は雨に。まるで無事に終わるのを待っていてくれたようなタイミングでした。いつもなら終わった後にもファイヤーサークルを囲んで2次会、3次会と続きますが、今回は撤収。テントに戻ってシュラフに潜り込んだらすぐに眠ってしまったと思います。

朝ごはんもいただきます!

夜通し降り続いた雨は朝になってもやむことはなく、結構な強さで降り続いていました。ちょっと寒さが増していたのですが、朝からハセヤンの美味しい朝ごはんをいただきました。胡桃が入ったパエリア?と昨日の残りのスープでホカホカです。

そばで張っていた直火サイトにお邪魔して焚き火にあたらせてもらいます。徐々に雨が弱くなっていたこともあり、乾燥を目指してゆっくりのんびり。

12月には「木と人の縁日」開催予定

四徳温泉キャンプ場の年に一度の大イベント「むらびと祭」、2023年も無事に終えることができました。正直早く来年にならないかなと思うほど、このむらびと祭は一年間でも最も楽しみにしているキャンプイベントです。言葉ではうまく伝わらないと思いますが、是非多くの方に一度体験してみてもらいたいと思います。

四徳温泉キャンプ場から約5km離れた桑原キャンプ場からの送迎も今回行ったのかな?そんな参加の仕方もあるのかなと。

さて、最後になりますが、2023年の四徳温泉キャンプ場もあと1カ月を切り、小屋閉めとして「木と人の縁日」が開催されます。日時は12月2に〜3日。毎年行われる小屋閉めですが、今年は2年ぶりに場内にあるカラマツの木を斧を使って皆で切り倒す予定です。

前回は2本のカラマツを切り倒し、翌春にテーブルを作りました。今回はもう少し小物を参加者で作ることなど考えられているようです。いま予約状況を見てみるとまだまだ空きがある様子。斧で木を伐ってみるという経験なかなか出来ないかもしれません。是非関心がある方はご参加いかがでしょうか!

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