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【燕岳・雪上テント泊】北アルプスの女王「燕岳」~一緒に登ると山の楽しみも違ってくると気づいた登山

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最終更新日 2023-12-05台風が続く9月、秋山シーズンに突入しつつある2022年ですが、季節を少し遡り6月の燕岳テント泊登山について記録しておこうと思います。

燕岳は過去に何度も登り、表銀座縦走路の基点として通過したりしている山ですが、今回は次男みぃ君、職場の後輩こっちゃんと一緒に。2人はともに初の北アルプス、そして初の山でのテント泊。北アルプスに憧れるこっちゃんと雷鳥に会ってみたいみぃ君を連れての登山はとても楽しい記憶に残る時間となりました。そして、いよいよ2022年夏山シーズンが始まったことを実感する山歩きでした。では!

燕岳6月テント泊・YouTube

一足早くYouTubeには映像をアップしてきました。目まぐるしく変わる北アルプスの景色の中にどっぷりと浸かっている、ただそれだけで山に登るのは楽しい事を改めて感じた時間でした。ご覧ください。

初北アルプスの2人にピッタリな燕岳

最近「アルプスって日本にもあるんですか??」と山に登らない職場の後輩に聞かれたのが結構衝撃的でした。ヨーロッパのアルプス山脈にちなんでつけられてからすでに140年もの時が経っていますし、山梨県には南アルプス市なども誕生していますが、山梨近辺でなかったり、登山と縁がない人にとってみるとアルプスというのは「ハイジ」の世界であって日本ではないという印象があるのかもしれませんね。ちなみに「アルプス一万尺~ こやりの上で~♪」という歌が槍ヶ岳のことだよというウンチクも「へー」もしくは「槍ヶ岳って何ですか?」と返されるのが通例です・・・(笑)。ここでは解説はいたしませんが。

アルプスの美しさを体感

今回初北アルプスの2人とために選んだのは燕岳。標高2763m。山頂付近の花崗岩の風化によって生み出された白い大地と奇岩の美しさから「北アルプスの女王」と名付けられている山です。

山頂直下に建つ山小屋「燕山荘」付近から見る槍ヶ岳など北アルプスの山々の景色は、山に登るというその行為の辛さと反比例する代えがたい美しさなど、多くの山の魅力に引き込んでいく初めの一歩としては十分過ぎる力を持っていると思います。

登山を始めてアルプスに興味を持ち始めればおのずと登りたい山の候補の1つに上がってくる山が燕岳。今回、北アルプスを初めて歩くことになる2人をどこへ連れて行くか考えた時に真っ先に上がったのが燕岳でした。圧倒的な眺望、美しい山容などアルプス感を感じるには絶好の山が燕岳ではないでしょうか。

ちなみに私の初北アルプスは小学生の時の白馬岳でしたが、真っ白ガスガスだったので寒かったことしか覚えていません(笑)

ベンチ、合戦小屋の存在など抜群の登りやすさ

登山口となる中房温泉から燕岳への登りは「アルプス三大急登」とも呼ばれていますが、登山道沿いにちょうといい間隔で設置されている休憩に持ってこいのベンチは第1から第3、富士見ベンチまで4つ。今回も2人の様子を見ながら全てのベンチで小休止しながら休養と栄養補給。登り初めから急登続きとなるルートだけにありがたい存在です。登山道を整備されている方には本当に感謝。

そして富士見ベンチの先にある山小屋「合戦小屋」にはトイレもあってありがたい。季節によってスイカやお汁粉など楽しみが待っていてくれるというのもモチベーションにつながりますよね。

夏場の名物「スイカ」は少しだけ早かったようで、今回は豚汁とおでんもいただきました!

注意点もいくつか

登山口駐車場の争奪戦

登山口となる中房温泉付近には駐車場がいくつか整備されていますが激戦です。今回は前日夕方に名古屋を出発、深夜0時少し過ぎに到着した時には第一駐車場は残りあとわずか。その後も次々と暗闇の中でヘッドライトが行き来していました。第二は第一とほぼ同じような位置ですが、第三になると若干登山口まで遠くなります。夏山シーズン真っ盛りになるとより激しい争奪戦になることが予想されますし、割り切って下からタクシーということもありなのかなと思います。

小屋泊、テント泊とも完全予約制

燕山荘はコロナ禍前から予約制だったかと思いますが、テン場も完全予約制。週末を中心に随分先まで予約が一杯入っていますが、今回も毎日何度もチェックしてたまたま空いた枠に飛び込みました。

燕岳ではありませんが、今年は昨年以上に各地の小屋、テン場が予約制になっているようで、縦走路を決めにくかったりと山にフラッといけなくなってきてしまっていますね・・・。

6月中のテン場は雪の上

こちらは経験などで何とでもなりますが、6月中の燕岳テン場は雪の上です。

今回はガイラインを固定するための石がいくつも確保でき、スノーペグまではいらなかったかもしれませんが、私は持参しました。寝床の養生もしっかりしないと、隣のテントの方は寒くて朝まで寝ることが出来なかったと話されていました。

テント内の一番下の層にはアライテントのテントマットをアルミシート面を下にして敷き、その上に山と道のミニマリストパッド、さらにサーマレストのZライト、みぃ君にはエクスペドのダウンマットを用意しました。寝床がしっかり出来たことで、後でも書きますが3シーズン用のシュラフで暑過ぎるぐらいでした。

すごく地味ですけど、これあるとないとでは結構違ったりします。

カミナドーム1を購入し、初テント泊となったこっちゃんも温かく眠れたそうで良かったです。それにしても初テント泊が北アルプスの雪上とは羨ましい。

いざ北アルプスの女王「燕岳」へ!初めてづくしの登山

さあそれでは燕岳へ向かった二人の頑張りを記録しておきたいと思います。

向かったのは6月中旬の土日。中房温泉登山口近くの第一駐車場で4時間ほど仮眠し、出発したのは午前5時頃でした。

行ってきます!みぃ君の装備は高3になった兄が小学生の頃に着ていたおさがりです。

中房登山口からスタート!

駐車場から10分ほど坂を登ると登山口!よく見るやつですね。標高は1462ⅿ。

2人が無理なく歩けるように声をかけながらユックリペースを後ろからコントロール。風がなくジワリと汗が出てきます。普段の日帰り装備と違ってこっちゃんはかなり息が切れています。これでも途中の高速SAで荷物チェックをしてかなり減らしたんですけどね。初めてのテント泊は心配で荷物はどうしても増えがちです。

第一ベンチに到着!まずはお疲れさまでした~1人で歩くよりも2人の足取りが気になって気が気じゃありません(笑)。みぃ君はかなり辛そうだったので荷物を随分私のザックに入れ替えて軽量化を図りました。子どもとのテント泊登山を考えた時に装備はどうしたらいいのかということも今回のテスト項目です。

ギンリョウソウかな?

第二ベンチで栄養補給!おにぎりをパクパク。少しずつペースをつかみつつある2人ですが、やはり普段よりも重い荷物に手こずっている様子。

途中からイワカガミが登山道脇にこれでもか!という程咲き乱れ、まるでイワカガミロード!応援してくれていると思って頑張ります。何度も登った登山道であっても季節が違うと印象がガラッと変わったりするから山は面白い。

第三ベンチも富士見ベンチでも休憩し、ゆっくりゆっくり進みます。こんな感じの登りも出てくるのですが、徐々にみぃ君がペースをつかんで来た様子。身体がちょっとずつ登りに慣れてきているのでしょうね。初めは荷物を軽く、途中から少しずつ増やすということもあり得るのかなと思いながら後ろから2人を見守り歩いていました。

ようやく合戦小屋手前まで!こういう看板見ると嬉しいですよね。2人もちょっと元気が出ていました。

ようやく合戦小屋!大休止で元気回復

合戦小屋到着!コースタイムで2時間50分のところを3時間50分かかりましたがよく頑張りました!

表情に疲れが(笑)それでも豚汁をいただいたり行動食を食べたりと30分ほどの大休止でかなり回復した様子?

休憩中にゴンドラリフトがゴーと鳴り続けていましたが、お待ちかねスイカの箱を載せて到着した時には皆さんざわついていました!もしかしたらシーズン初スイカ食べられるかと思いますからね。しかし下山時でもまだ出されていませんでした~残念!

小屋裏からの登りではそれまでの樹林帯中心の様相から徐々に明るい尾根が近づいてきます。登り切るとようやく燕山荘までの尾根歩きのスタート地点となる合戦の頭に到着!ここからは歩く先に燕山荘が見えている!しかし、見えてからが長いのが山のあるある。

事前情報でここから先はまだ冬道に若干の雪渓が残っているとのこと。雪渓歩きに慣れていない2人にはチェーンスパイクを装着です。

みぃ君にはカンプのアイスマスターライトを新たに購入しました。

さあもう目線の先には燕山荘が見えてきました!もうちょっと!頑張れ!

ここまで来るとテン場も良く見えます。どうやらまだまだテン場も空きがある!良かった!予約しているとは言え、いい場所を取れないとツライですからね。

冬道最後の地獄の階段!こっちゃんはもう足がない状態だけれども気力で頑張ってました~体力向上課題ですね。後から聞いたら泣きそうだったそうです、辛くて。初めてのテント泊装備を背負っての北アルプス!そりゃ辛いです。山って一人ひとりの力で登れるのがいいところ。そして登ってみると課題も目標も見えてきて新しい意欲につながるというのが楽しいところ。

燕山荘到着!思わず涙、2人ともよく頑張りました!

約6時間とゆっくりゆっくり時間をかけて燕山荘到着!到着とともに感極まって涙ぐむこっちゃん。みぃ君は下山してくる人からも「雷鳥いたよ」と聞いてきたので「雷鳥どこどこ?」とキョロキョロ!2人の北アルプスのまず1つの目標が達成出来て本当に良かった!自分が一人で歩いていた時とは違う喜びを感じて私もとても嬉しかったですね。

到着した数日前には水のポンプアップが始まりましたが、それまで水瓶となっていた小屋横の雪を見て喜ぶ2人。暑い暑い名古屋からすると考えられないですからね。こういうのも高山の楽しさですよね。

テン場最奥部のオレンジの二つのテントが私達のテント。我が家は久しぶりのエアライズ2。燕岳への稜線上には殆ど雪は残っていませんでしたが、テン場上にはたっぷりですね。到着時にはガスが湧きながらも何とか持っているという天候。雨さえ降らなければというのが願いですね。

テントが設営出来たらまずはビール!とご飯!

この表情を見れば「おいしそー!」というのは良く伝わりますよね!燕山荘のビーフシチュー美味しいです。1人だったらこのまま飲んでテントで寝てしまいそうですが、そうもいかないのでビールは一杯だけに。みぃ君はカツカレーを注文してしっかり食べていました。よく考えると彼にとっても初の標高。ユックリ登った事もあって高山病なども問題無さそう。それでも沢山水分を摂るように促して予防しました。

ちなみにこんな感じですよねメニュー。

お腹が満たされたら猛烈に眠くなってきましたが、そのまま寝るわけにはいかないのです!そうやっぱり山頂行かないとね。

燕岳山頂へ

ということで燕山荘とは目と鼻の先にある燕岳山頂へ行ってきます!

花崗岩の奇岩を通り抜けて歩きます。2人にとっては北アルプスの稜線歩きも初めて。みぃ君にとってはこの稜線歩きが最高に楽しかったとのこと。

日帰り登山と違うので山をゆっくり楽しめるのもいいよね~ということで山頂への途中でも何度も何度も休憩したりくつろいだり。時期的には早すぎるけれど、コマクサの群落地帯にはすでに緑の葉があちこちからか尾を出していました。

そしてとうとう燕岳に登頂!初北アルプスお疲れ様です、おめでとう!この嬉しそうな顔。この後ここから離れたくないと結構居座っていました(笑)。

寝っ転がっているしね。風もなくてとても穏やか暖かな時間だったので2人にとっては最高の時間でしたね。

燕山荘方面を振り返ると安曇野側にだけ雲がかかってまるで夏のよう?絶妙な場所に建っていることがよくわかりますね。

行では通り過ぎたイルカ岩を見つけて「あーイルカ!!結構大きい」と喜ぶ2人。何もかもが楽しいのがよくわかる。

といことで燕岳山頂まで往復してきました!記念の定番ショット!

お疲れ様!乾杯!そして雷鳥も登場

山頂まで往復してみぃ君はさすがに眠くなってきた様子。5時から歩いているから小3にはもう限界ですね。ということで無理せずオヤスミ。まだ雷鳥は見れていないし、美しい夕焼けも見れるかどうか微妙だけれど、必ず起こしてあげるからと言ってテントへ。テントもかなり増えて来た。

テントに入ってシュラフに潜り込ませて目を閉じたと思ったらすぐに寝息が聞こえてきました。本当によく頑張ったね!気持ち良さそうに眠る姿を見ていると幸せです。

ガスがかかって真っ白になったり切れてみたりする燕岳を見ながらこっちゃんと改めて乾杯!

一応職場の後輩なので使うなんて思いはありませんよ!みぃ君を寝かしている間にたまたま呼ばれて運んでくれているだけです!

最近日本酒にはまりつつある彼女は大雪渓という名前に惹かれて飲んでみたらとても美味しかった様子。下山後にも購入して家で飲んだそうな。飲みながら何を話したかとかとかは全く覚えていませんね(笑)仕事の話はしなかったと思うけれど・・・。

先日、たまたまTwitterのプレゼント企画に応募したらまさかの当選でやってきたInsta360 ONE RSで6K動画を撮ったりタイムラプス動画を撮ったり。まだまだ使い慣れているわけではありませんが、360度カメラとしても使えるこのカメラはなかなか面白い。YouTubeでも6K動画を残してありますが高精細で驚きます。

そうこうしていると高山のアイドル「雷鳥」の登場!燕岳での雷鳥遭遇率はとても高い。大急ぎでみぃ君を起こして初めての雷鳥目撃をサポートできました!ちなみに彼はこの夏に唐松岳にも登りましたが、そこでも雷鳥を目撃するという強運の持ち主?

燕岳の夕暮れ~女王微笑む

山では昼過ぎからどうしてもガスが出ます。真っ白なガスの中をお酒を飲んだり雷鳥を見たりノンビリ。風もなくとても穏やか。燕岳も濃いガスの中に包まれていましたが、その時は突然やってきました。

どんどん増えて来たテントが突然明るく照らされました。夕暮れを間近にガスが切れ始めてきました。あちこちからあがる歓声。小屋の前には小屋泊の方も含めて登山者がどっと出てきました。

真っ白なベールに隠れていた女王の姿がチラリチラリ。

美しい夕焼けとともに燕岳の全容が目の前に。

そしてずっと雲に隠れていた槍ヶ岳も姿を現してくれました!最高。

みぃ君もこっちゃんもとにかく嬉しそう。1人で登る登山は気楽でやっぱり一番好きな事は間違いないのですが、同行者がこれだけ嬉しそうにしてくれるのを見ると一緒に登った方はより一層嬉しくなるものなのですね。1人で登る時には気づくことが出来なかった感覚を感じていました。

夕暮れショーのあまりの素晴らしさに晩御飯が遅くなってしまいましたが、持ち込んだ食材で簡単にいただいて早めの就寝となりました。2人にとっては雪の上の初めての一夜。しっかり準備していったおかげで夜間に起きることもなくグッスリ眠れたようです。

余談ですが、夕暮れショーのあまりの見事さに花崗岩の岩に座って見入っていた2人。

しかしこっちゃんは履いていたダウンパンツを花崗岩のザラザラした岩肌に一瞬擦ってしまって・・・羽毛がボワンと飛び出してしまいました!(笑)応急処置のテープでお尻に白いバツ印が出来てしまってました~気を付けねばいけませんね。

金色に輝く朝焼けの時間

翌朝目を覚ましたのは午前4時頃。

登山道上にはほぼ雪もなくなってきた燕岳。それでもテン場は雪が最も深く積もる部分なので6月のこの時期でもたっぷりと雪が残っていました。そんな雪の斜面にも朝日が射し始めます。雪のテント泊初めてという人も多い燕岳。知らない人どうしでも「寒くて寝れなかった!」など一夜を共にした仲間のような感覚が出来るから不思議です。

燕山荘前にも朝日を今か今かと待ちわびる登山者が集まり始めます。この時間帯がとっても寒いんですよね!震えながら待つ朝日。

朝陽が当たったその一瞬、金色に輝くのが美しいですよね。色々な角度をため息をつきながら撮り続けていました。

朝焼けショーの後はユックリと朝ごはん。すっかり日も登ると日帰りであろう登山者も次々と登ってきます。ゆっくりとテントを撤収して燕岳ともお別れです。

2人は燕山荘で購入した燕岳Tシャツを着てポーズ!

いつの日か槍ヶ岳も目指す事が出来るかな?

本格的な夏山を前にした6月の北アルプス。雪と岩肌のコントラストがとても美しいこの時期だけの光景。

登りはキツくてヒイヒイいいながらだった山荘前の直登を一気に。少し寂しさを感じる時間。でもまた来るよと。

2人にとっては初めての北アルプス、初めての山のテント泊、それも雪上でと色々と初めてばかりの登山となりましたが、素晴らしい景色の中で貴重な時間を過ごす事が出来たようです。少しだけ逞しくなったようなそんな気もしましたね。そんな二人のデビューをサポート出来たことがとても嬉しかった6月の燕岳登山の様子でした。

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