【雨飾山】紅葉と女神に会いに

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最終更新日 2023-12-05年も変わってすでに一か月が過ぎようとしている今日この頃ですが、昨年の秋に登った山「雨飾山」について紹介しておこうと思います。

ちなみに雨飾山は同じく日本百名山の中でも空木岳と並んで、以前から名前から登りたかった山。この日登ることになったのはある意味偶然でしたが、念願かなった思いでした。

雨飾山(あまかざりやま)標高1963m「日本百名山」

雨乞岳ではなく雨飾山

雨飾山という名前は何とも美しい山名だなと思います。古くから信仰の山として伝えられ、山頂で雨ごい神事を行ったことからこの名前がついたとか。古く人間の大きさとは比べるまでもない巨大でどっしりした山には神が宿ると考えられ、人の力ではどうすることも出来ない天候については神頼みをしたのでしょう。そのためか「雨」にまつわる山名、地名は全国各地にありますが、雨飾山もその一つでしょう。何ともオシャレな感じです(笑)。

雨を纏う山、雨降りの山、雨飾る山・・・昔の人の思いや願いが伝わってくるようで面白いです。そんな事もあり、以前からずっと登るチャンスを伺っていたのですが、ちょっと遠いんですね。

雨飾山へのアクセス

 

雨飾山にはいくつかの登山ルートがありますが、今回は長野県側の起点となる雨飾高原キャンプ場(標高1,171m)からスタートすることにしました。現地までの道はクネクネした細い山道をひたすら登り詰める道。ちょうど紅葉登山時期だったこともありキャンプ場のかなり手前から相当な数の車が路上駐車されていて大変な混雑状態でした。

山奥に突如現れる立派な建物が雨飾高原キャンプ場の管理棟。こじんまりとしたオートキャンプ場ですが、その一角で登山者用のテン場を設けてくれています。到着したのは日曜日の夕方ということで下山者もまばらな頃。テント代を払って早速テントを設営します。

テント場は管理棟と駐車場の間の狭い一角。山のテン場とはちょっと違ってガイロープを固定するための大き目の石などはないのでペグが必須。ちなみに山ではペグは軽量のアルミペグを2本持っていくのみです(冬期以外)。

雨飾高原キャンプ場公式HP
登山者用のサイト予約や駐車スペースの確保など期間限定ですが実施されています。詳しくはHPを参照してください。

実はこの日の昼に北アルプスの涸沢から降りてきたばかり。本来は穂高連峰の縦走を計画していたのですが、思わぬドカ雪で断念して行先を思案していたんです。

上高地からバスに乗り、沢渡から下道で到着していたのでさすがに疲れ切ってしまい、簡単に晩御飯を食べた後はすぐに眠りに落ちていきました。

ちなみにトイレはすぐ目の前にあったので前日の雪の極寒の涸沢からすると天国のようなテン場でしたよ。

雨飾山登山 紅葉の終わりにギリギリ間に合った

登山開始から彩りの世界

目が覚めたのはかなり遅めの6時前?ぐらいでしょうか?山では大遅刻ですね(笑)。

標準コースタイム(時間は例)
08:00 雨飾高原キャンプ場 – 09:50 水場 – 11:20 笹平 – 11:25  1881m地点 – 11:55 雨飾山 – 12:15 1881m地点 – 12:20 笹平 – 13:30 水場 – 15:05 雨飾高原キャンプ場
合計コースタイム7時間5分

この日のコースタイムは約7時間、標高差は平面上は800mほど。危険個所は特にないはずです。メインは終わりかけてはいるものの紅葉と山頂付近で見る事が出来る「女神」に会う事。ではスタートです。

テン場の目の前が登山口。登山届は横に立つ建物に提出が出来ます。出発前にこの山の取り組みとして携帯トイレの使用と回収が呼びかけられています。

登山口の横で携帯トイレが売っていました。私も山には持っていくようにしています。

色々なタイプが販売されています。災害時にも活用できるのでいくつか常備しててもいいと思います。ちなみに私は3種類色々試して使っています。

天気ですが、生憎の曇天。夜も雲が広がっていたので星は見る事が出来ませんでした。天気予報は夕方から崩れ気味・・・まあ急な選択なので仕方なしですね。登山スタートです。

スタート直後は平坦な木道が敷かれた登山道を進みますが、次第に黄色い世界が広がっていきます。スタート直後から周りの木々が見事に色づいています。これは光を浴びたらきっと美しいでしょうね・・・。地面は少し湿っていてこの日は滑って大変でした。

登山道はよく整備されていて所々にこのようなプレートで目印が打ってあります。整備ありがとうございます。1600m?というのは標高じゃないと思いますが何でしょう?距離?

紅葉はもう終わりかけ。最盛期は過ぎたものの黄色や赤の山の世界は冬を前にして一瞬着飾った美しさ。そうそう、紅葉の山って独特の甘い香りがするように感じるのは私だけでしょうか?そんな匂いと足元の落葉を踏む音を楽しみながら少し足早に進みました。

さすがに平日なので登山者はほとんどいません。静か。ブナ林の巨大な懐に飲み込まれたようです。

しばらくいくと右手の視界が開けました。美しい。空から見たら絨毯のようなんでしょうね。

携帯トイレブース発見。人一人入れるぐらいのスペースですね。もちろんトイレというか携帯トイレを使って用を足すようのスペースのみです。ここから先は山頂までトイレなし。ちなみに登山口付近に回収ボックスもありましたよ。

全体としてゆるやかなアップダウンが続く前半もこのあたりで終わりです。

前半のクライマックス布団菱の大岩壁

圧倒されたのはこのあたりからの色づいた山の姿。紅葉って撮るの難しい・・・。

休憩ポイントとなる荒菅沢への急な下りの前に前方に雨飾山を象徴する布団菱と呼ばれる大岩壁を一望出来る場所があります。この日は貸し切り。日本百名山を著した深田久弥はこの大岩壁を直登したとか。なかなかですね。

荒菅沢へ降りてきました。真ん中の鋭鋒が雨飾山でしょう?冷たい水に帽子を浸して火照った体を少しだけクールダウン。開けていて絶好の休憩スポットですね。

ここからが一気の登りの始まりです。ペースを落とさず滑りやすい登山道を一気に登りますが、両手を使ってよじ登るようなポイントもあってかなりの急登でしたね。

それまでのブナ林の登山道を眼下に見下ろすような感じで登っていきます。風が出てきて寒い。10月の北陸の山ですからね、防寒対策は必須です。この数日後には積雪があったようです。

登ってきた道を振り返ります。結構急。イメージと違っていました(笑)

わずかですが階段なんかもね。怖いと思うような場所はないですが、急な登山道は雪が付くと大変でしょうね。

地面がツルツル滑るので登りにくかった。

一気の急登を終えると山頂はもう間近。笹平と呼ばれる場所へ到着です。一面背の低い笹原が広がっていてそれまでとは全く違った景色に変わりました。

そろそろ紅葉に続いて見たかった景色とご対面です。

雨飾山山頂で女神がお出迎え

なんて思っていたらまずは山頂です。1,963m、雨飾山登頂です。山頂は岩が露出していてそれほど広くはありません。見渡す限りの大展望。前日登っていた北アルプスの山々も白く化粧をした姿が望めました。

糸魚川?かな。日本海がもう目の前なんですね。

太陽に照らされて輝く日本海も見たかったけれど、それはまたいつか。山頂では関東から見えた初老の登山者も。若い頃に登った雨飾山にようやく戻ってきたと喜びひとしおのようでした。山での記憶はいつまでも色あせません。私もいつかまた戻ってきた時にもこの時の事を思い出すかな。

さて、もう一つのお目当てはこちら。

先ほど歩いた笹平の登山道。山頂から見ると、まるで女性が横を向いているように見えます。雨飾山の女神。今頃は雪野原の下で眠っているでしょうね。

持っていったおにぎりやお菓子を食べて40分ほどボーっと休憩。前日の北アルプスでの雪で計画は大きく変わった登山でしたが、それでもとても楽しかったな・・・。北アルプスの真っ白な初雪と雨飾山の最盛期は過ぎたけれども見事な紅葉。二つの季節の山を堪能できた山歩きでした。

下山はノンビリ紅葉をゆっくり眺めながら。

再び布団菱

次は青空と紅葉を撮ってみたい。

ということで紅葉終わりがけの雨飾山登山でした。雨飾山は残雪期も良さそうなのでチャンスがあれば登りに行きたいのですが、なんせ遠い(笑)。GWぐらいに行けるかどうか。

 

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今回の登山装備について振り返り

初冬の北アルプスを歩くつもりだったので、登山靴はトランゴタワーでした。これが雨飾山ではよく滑った。トランゴタワーには合わない季節、登山道でしたね。

メチャクチャ安くなってます。最近はもっぱら柔らかいローカットの登山靴ばかりなのですが、季節や山域によってこういう登山靴は一つはないと困ることがありますね。

日帰り用のザックも持ってこなかったので荷物を抜いた山と道「ONE」を背負って歩きました。テント泊用なんですが元が軽いから全く負担なしです。これまだレビューしてないですね。そのうち。

テントはいつものファイントラック「カミナドーム1」

オールシーズン愛用しています。たまに新しい登山用テントが欲しくなったりしますが、結局バランスのいいカミナドームでいいかなと思いとどまらせてしまうテント。特に欠点がありません。

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