冬の外寝にダウンシューズが最強である説
今年の年末年始は寒波ならぬ暖波が日本列島を覆い、稀に見る温暖なお正月となるというニュースが流れています。
恒例の朝霧高原での年越しキャンプや雪山テン泊を計画していますが、痺れるような冷たい夜空に煌めく星々、朝の冷え切った空気に差し込む太陽の暖かさ・・・今年はそれらを経験出来ないかもしれない?かもしれません。年柄年中雪おろしをしないといけないような地域の人からすると少しでもその労が軽減するのならば喜ばしいことなのかもしれませんが、やはり冬の寒さを待望してしまうのです・・・ごめんなさい。
目次【お好きなところから】
冬キャンプに初めて挑戦する人の不安
なぜ気温の事を書いたかというと、先日参加しているLINEのオープンチャット「キャンプ🏕️東海地方」で冬キャンプの寝具関係の話題が上がっていました。「初めて冬キャンプをしたいと思うが、寝るのはどうしたらいいか?」という趣旨でした。
私はダウンシューズが良いと発言。経験的に言って冬の外寝を快眠にするためには最強だと思っています。これまでの記事内でもちょくちょく出てくる話題なのですが、改めてそのことだけで記事を書いたことがないので残しておこうと思います。
※スリーシーズンシュラフでも極寒の冬キャンプは快適に過ごせるということを書いているのは上の記事です。
冬キャンプが一般的なものに
少し前まで本当に少なかった冬キャンプ人口。10年ほど前の朝霧界隈のキャンプ場は冬場はガラガラ。今や「ゆるキャン△の聖地」となっている浩庵キャンプ場でさえ貸切状態でした。端的に言うと変態の世界でしたね。
過去キャンプで記録した最低気温は氷点下20度ほど、雪山ではさらに下回った事もありますが、どうやったらそんな中でも快適に過ごせるか、寝れるのかという探究心というのがムクムクと湧いてくる、実践して理解していくというのが冬キャンプの一つの醍醐味かと思います。
意外と多い「高いシュラフなのに寒い」!という声
冬キャンプ、雪山テン泊ですぐに思い浮かぶのが高スペックのシュラフとマットを準備すると言う事だと思います。
上のナンガUDD810DXは私も使っていますがとっても暖かくて気持ち良いです。しかしよく聞くのが、高いダウンシュラフを購入したのに寒くて寝れなかった!と言う声。
肩口を絞らずに冷気が入りこんでいた、体の熱がダウンに移動するのを妨げるような衣類を着てシュラフに入っていたなど、ダウンシュラフの性能を十分に発揮出来ない使い方になっていた場合もあると思います。高い道具も使い方次第で良くも悪くもなります。
しかし、最もよく聞くのが、体の末端、特に足先が冷えて仕方なかったと言う声です。逆に言うと、それが辛いから高いシュラフを買ったのに変わらなかったという悩みかもしれません。ではどうしたらいいか。
マットは必須!コットの上にも必ずマットを
ちなみにマットは地面からの冷気を遮断するためのものですが、コットを使えばマットはいらないのでは?と考えられる方がいますね。私も一度大失敗したことがありますが、コットの下は何も無い空間です。空気は常に冷やされ続けますから、コットの上にマットを敷かないと寒くて寝るどころではありません。マットは断熱性を示すR値の高いものがいいですが、R値は足し算出来るので、安いものを何枚か重ね合わせて使うのも一つの工夫です。
就寝時足先の冷え対策「色々」メリット・デメリット
では、足先の冷えをどうするか。ここからは雪山登山ではなくオートキャンプに話を限定していきたいと思いますが、実際には私は登山でもオートキャンプと冷え対策は全く同じ事をしています。
代表的な足先冷え対策としての湯たんぽ、カイロ、電気毛布類とダウンシューズのメリット・デメリットを個人的な感想前提で比べてみたいと思います。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
湯たんぽ | 熱源としての力が強い | 準備が面倒 |
カイロ | 熱源としては湯たんぽに劣るが準備が楽 | 熱源として弱い シュラフ内で行方不明に |
電気毛布など | 体全体を温めることが出来る | 電気の供給量 気温が低いと上手く動かないことも |
ダウンシューズ | 履くだけ カイロを中に入れるとピンポイントで足先に熱源 | 値段 |
【湯たんぽ】熱源の強さに安心感
人間の体の熱以上の熱源があるというのは快眠を促します。その点で湯たんぽは強い。ただし2リットルなどのお湯を沸かすというのはそれなりの労力です。1人ならまだしも家族4人などになると8リットルは大変。
【カイロ】手軽な一方、熱源としては弱い
カイロは袋から出してしばらくすれば熱源となりますから手軽です。しかし、シュラフの中、足元などの広い空間に入れると熱源としては湯たんぽには劣ります。加えてシュラフ内で迷子になると効果を発揮しないということもありえます。
【電気毛布類】体全体を温められるが連泊には不向き
電源さえあれば体全体を温めることができます。しかし、電源ありのオートキャンプは別として、電気の供給量を考えると連泊には不向き。さらに家族の人数が増えると電気供給量をまかなうのはかなり難しくなります。また、外気の温度によっては上手く機能しないこともあります。
ではダウンシューズはどうでしょうか?
【ダウンシューズ】履いて完了
ダウンシューズは履いてしまえば準備完了。それ自体は湯たんぽやカイロのような熱源とはなりませんが、足先の熱の放出はピンポイントで防いでくれます。シュラフの中で動いても脱げることもありません。(ドローコードで縛れるような一部商品に限る)。
さらに私はダウンシューズの中にカイロを入れてしまうことも。こうすると熱源が足先にピンポイントに存在するため暖かい上、カイロが迷子になることもありません。必ず厚手の靴下を履いておくことで低温やけど対策は必須ですが。
デメリットとして値段は若干します。しかし、電気毛布などのように電気容量や発熱時間などを気にしなくて済むのも利点だと思います。
イスカ(ISUKA) ダウンプラステントシューズロング
ここまでダウンシューズ、ダウンシューズと書いてきましたが、ダウンシューズとは何ぞや?というと、シューズ型、もしくはブーツ型の布地の中にダウンが封入された履き物です。
非常に軽量でコンパクトになるのが特徴です。
いくつかのダウンシューズを使ってきた経験上、山での使用率でも最も高いと感じるのがイスカ「ダウンプラステントシューズロング」であり、安心感がとても高いです。
カラーは一色、サイズはLとMですが、男性はL、女性はMのような分け方で概ねいいように感じます。収納袋が付属しています。外生地はGORE-TEX。完全防水ではありませんが、透湿性があるのでムレは感じにくい。
先日の南アルプス縦走の際にも毎日使用しました。足元の暖かさほど安眠に資するものはないと感じています。冬のキャンプで眠れないと言う方は一度試してみてください。
安価なものだとこちらもお勧めです。
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