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北穂高岳に子どもと挑戦②2年越しの登頂!穂高にかかる天の川【2023年7月】

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最終更新日 2023-12-05

2023年7月、2年続けて海の日3連休は涸沢へ。北穂高岳への登頂も果たし、子ども達3人本当によく頑張りました!

北穂の頂は雲の中、行けるところまで行こう!

前回は雨の上高地から爆風の涸沢へ歩いた様子を書きました。何とか雨も上がり、翌朝の天気の望みを託しながらテントで朝を迎えるところからスタートしたいと思います。

なぜかけん玉??

2日目の朝、日が昇る前にテントの外を眺めると濃い霧に包まれてあたりは真っ白。静かにジッパーを下ろし、シュラフに潜り込みながら天気の回復を祈ります。青空とまでは言わないまでも、何とか天気がもってくれれば・・・

そんな事を考えながら時間はすでに7時。そろそろ判断しないと北穂往復といえども子ども達には辛くなります。思案していると子ども達はなぜかけん玉で遊んでいます(笑)。その姿を見ていると、楽しそうな子ども達に楽しい経験をしてもらえるよう出来るだけの事をしてみようという思いになりました。涸沢に来られているだけでも貴重な経験であることは間違いなくて、無理せず行けるところまでと決めて行ってみようかと。

8時20分 涸沢小屋出発!

みなに声をかけ、8時出発を目指して準備を進めます。途中雨が降る可能性もあるのでレインウェア上下は必須。ヘルメットもみな装着していよいよ北穂高岳へ向けて出発です。

テント場を横切り、涸沢小屋横の北穂へのアプローチに入ったのは8時20分でした。

涸沢から北穂高岳 データ 難易度は?

涸沢から北穂高岳
距離:1.8km
標高差:約800m
CT:3時間20分

ルート上には岩場、長い鎖場、ハシゴなど多数。上高地から涸沢までの道のりとは違う。全くの登山初心者の方が登るのは避けておいた方がいいと感じます。
今回登ったメンバーは子ども達も鈴鹿7マウンテンを全て歩くなどの経験を重ねてから挑みました。

登り始めは歩きやすい石畳のような道がしばらく続きます。子どもの背丈ほどの岩を乗り越えるような場所をいくつか越えていきます。岩場に慣れるためのウォーミングアップ。

岩場に挑戦する子ども達

そして、この日の初めの大きめの岩場に到着。高さ7〜8mほどの鎖のない岩場。

慎重にいけばステップは多数なものの、初めてだと怖さが生まれてしまうかも。ちなみに昨年はここで子ども達は引き返す判断をしました。

この日も濡れた岩場でコンディションは今ひとつ。それでも一人一人頑張って登って行きます。

1人で通過した時は何てことはない場所だったのですが、子どもの通過をサポートするとなるとこれまで以上に注意して足場や手の置き方を指示する必要があって、改めて新しい登山の世界を見たような気がしましたね。まだ冒頭ですけどね。

標高2200mほどの涸沢からの登り。やはり2500mを過ぎたあたりから高山病の症状らしきものに襲われるメンバーも。これまたなかなか難しい。原則は戻るだけれど、ペースを落として少しずつ進む。自分の中では標高2771mの南陵取付き点に到着し、そこでのみなの様子と時間を見て最終的な判断をしようと考えていました。

9時45分 南陵取付き点到着

天候は好転する様子もなく、それどころかガスが濃くなるばかり。体調とタイム以上に悪天にて撤退を決断しなければいけないかと思うほどでしたが、何とか9時45分に南陵取付き点に到着。ほぼコースタイム通り。ここでしばし休憩。高山病の症状が出ていた小6のゲンゲンでしたが何とか体調は戻ってきた様子。この先に昨年咲いていた黒百合を見てみたいと頑張っていました。

10時に南陵取付き点上の長い鎖場に取付きます。それにしてもガス!岩場も濡れていてちょっと滑るので気を使いました。鎖を握りながらも、しっかりと足で登ること、三点支持を確実にと何度も声をかけながら無事に全員クリア!良かった。

長い鎖場が終わると目の前にはハシゴ。この場所の右側に黒百合がよく咲いています。ここを越えてしまうと後は岩場を越えつつも大きな危険箇所はなし。と言っても浮石もあれば鎖も出てくるので気を緩めてはいけませんが、内心かなりホッとしていました。

いよいよ!北穂高岳山頂!

階段手前で撮ってから1時間半近く一枚も写真を撮らずに登っていたようです。次の一枚は上のこちら。はなちゃんとみぃ君が座っているのは山頂直下のはず。11時47分。随分長いこと撮らなかったようですが、この2人がずっと付いてくるので、登り方を教えてあげながら歩いていたからかもしれませんね。

改めてですが、子どもと一緒に登山をしている大先輩方には頭が下がります。自分1人で登るのとは全く違う恐ろしい緊張感があります。もう吐きそうなくらい。それが写真を撮る余裕がない状態にさせたのだろうと思います。

11時48分 2年越しの北穂高岳登頂!

皆を待って同時に登頂をと思っていましたが、一足先に山頂で待ち構えようと思ったら後ろから2人がついてきて11時48分北穂高岳登頂となりました!おめでとう!

一番乗りをしたはなちゃんの喜びが爆発しているところ!最年少、小学3年生よく頑張りました!実は家で絵を描いたりしているのが好きということですが、いやはや身体の軽さはあるものの、登りも下りも今回本当に弱音を吐かずに楽しそうにしていましたね!凄いと思います。

みんな頑張りました!嬉しそう!北穂高岳誰1人欠ける事なくみんなで登頂です。

それにしても白さよ!!大キレット越しの槍ヶ岳や360度の展望を見せてあげたかったけれどまた次の機会ですね。

山頂直下の北穂高小屋へ。小屋のテラスは風を遮ってくれて少し暖かいぐらい。しかし、汗っかきのこっちゃんは全身濡れて寒そう。それぞれ軽食のラーメンやカレーを注文したり、小屋オリジナルのTシャツを購入したり。Tシャツ着替えれば良かったかもね!それにしても白いな・・・。

下山!怖かったらお尻をつける、飛び降りない、浮石注意!

1時間ほどのんびりした後、下山開始です。子ども達はご飯もしっかり食べて疲れも少し抜けた様子。気を抜かずに下山こそ注意して行こうと声をかけて出発です。

こんな感じのところを下りてきますよ。

前穂が見えそうで見えなさそうで。少し天候が回復気味?涸沢ヒュッテの赤い屋根がまだまだ小さく遠くに見えますね。

子ども達には無理をせずにお尻をつけて下りること、決して飛び降りない事、浮石を見分けることなど何度も声をかけました。みんな真剣な表情で一生懸命。

ガスに煙っていた階段の手前まで下りてきました。ここを下りれば長い鎖、そして南陵取付き点です。ちょっと一安心できるところ。

みぃ君頑張って下りてますね。登りよりも岩が渇き始めていて下りやすかったかもしれません。全員が下りるまで後ろの方を随分待たせてしまいました。申し訳ない。

取付き点の下まで下りてくればかなり先が見えてきます。気を抜かずにと声をかけながら進みます。気を抜かずに歩くというのは当たり前なのですが、子ども達の集中力や体力を考えると恐ろしかったですね。

そして、16時10分、登り初めから休憩込みで約8時間かけて涸沢小屋横に到着です!頑張りましたね!疲れ切った子ども達は涸沢小屋のデッキへ移動していきましたが、周りからも「よく頑張ったね!」と声をかけていただき、ちょっと嬉しそうでした。山では子どもはとにかく声をかけてもらえるので自己肯定感が爆上がりすること間違いありませんね。

子ども達から遅れること数分後に大人も全員無事に下山。そしてもちろん乾杯です!お疲れ様でした!いい表情。下山後にこうして山の中でのんびり出来るというのは日帰り登山と違う山の一つの楽しみ方ですし、山で泊まるって最高ですよね。

最後の夜に素晴らしい景色を見せてくれた

涸沢はカールの底なので夏でも夕方早い時間から日が落ちてしまいます。それでも青空が広がり始めた空と全貌を現し始めた穂高の山々は皆を感嘆させるには十分過ぎて。刻々と変わる雲と山の表情を見ていると全く飽きません。

「怖かったけど楽しかった」と北穂高岳から下りてきてから感想を言っていたみぃ君。2年連続登頂を果たしたこっちゃん。2人とも緊張が溶けてのんびり、そして景色を見ながらいい表情です。見せられてよかった!

ニアックに4人入っています。これで重さ1.4kgというのは驚異的だと思います。

夕方にかけて一度は広がった青空も日が落ちる頃には雲に覆われてしまいました。前日に続いて星は見えないか・・・。そんな事を思いながら、登頂の疲れもあっていつの間にか寝入ってしまいました。

頭上いっぱいに広がる満天の星々

日が変わったぐらいでしょうか?念のためにかけておいたスマホのタイマーの音に起こされて、テントの外を覗くと目を疑うような満天の星空が広がっていました。

肉眼でハッキリと見ることの出来る天の川。そのまま見ていたかったのですが、翌日は下山。急いでカメラを三脚に立て、レンズヒーターを巻き付けて自動撮影をセットしました。

山での三脚はAOKAの重量449gのカーボンファイバー軽量コンパクト三脚を使っています。テント泊装備の中に忍ばせればほとんど重さを感じないほどの軽量さで気に入っています。

昨年、笠ヶ岳でテント泊をした際に夜中にタイムラプス撮影をセットして寝たら、レンズが結露濡れてしまって全く成果が無かった事の教訓から、レンズヒーターを購入しました。確かにあると結露は防げます。

モルゲンロートに染まる穂高

外の様子に目を覚ましたのは4時過ぎでした。夜空に広がった星々は青い空の向こうに吸い込まれ、雲一つない夜明け前の青空が目の前に広がっていました。一瞬「モルゲン見逃したか!」と思いました。

すると、起き出してきたみぃ君が「あっ!」と声を出しました。ふと後ろを振り返ると見事にオレンジ色に染まった穂高の山々。久々の涸沢からのモルゲンロートです。

すぐに色は黄色っぽい色に変わっていき、その時間数分ほど。

午前6時前には眩しい太陽の光がテン場にも迫ってきました。昨日の真っ白な穂高とは打って変わり、その姿を惜しげもなく見せてくれています。こんな日に北穂の頂からアルプスの山々を見せてあげたかったと思うもののこれも山。これだけの景色を見せてくれた事に感謝です。

撤収の時〜上高地への長い行程

ザイテングラートと穂高岳山荘。2年ほど行けていない奥穂高岳。来年は久しぶりに行こうかしらなんて思いながら撤収を進めました。

テントや荷物を片付け、ほぼ撤収を終えてこっちゃんの謎のポーズ。達成感?

みぃ君は来年の夏はどの山に行けるか。安全にしっかり登れるといい。長男みーが事故で果たせなかった奥穂高岳に登ろうか。

午前8時前、荷物を持って涸沢ともお別れです。全部やりあげて今回の登山は悔いなし!というところでしょうか。

登りでは苦戦した短い雪渓も下りはスイスイです。折角だから腐った雪の雪渓の歩き方を教えてあげたりしながらワーキャーいいながら楽しく下山。

灼熱で汗が滴り落ちる中、本谷橋に到着!もちろん

雪解け水を頭からかぶってクールダウン!これが気持ちいいわけです。まさに夏山です。みぃ君は北穂山荘で購入した北穂Tシャツを気に入って早速着ていますね。今も学校にしょっちゅう着て行っています。

みんなやり遂げたという笑顔が素敵です!頑張りましたからね実際。そして、ここまでくれば後はもうほぼ並行移動。と言ってもこの並行移動がとてつもなくしんどいわけですが、横尾、徳沢、明神と順番に休憩や食事をとりながら、それでも相当早いペースで昼頃に終着、上高地へ到着しました。

青い空に白い雲、透き通ったエメラルドグリーの梓川。贔屓目に言って最高です!3連休最終日、河童橋付近は大混雑。コロナ禍を経て久しぶりに見た人でごった返す上高地を見た感じです。もちろんそれは帰りの大渋滞も引き起こすわけで・・・。

写真は河童橋付近から上高地バスターミナルまで続く長い長いバス待ち行列の最後尾。いったい何時間待ちになるのか・・・。聞くところによると前日は釜トンネル閉門ギリギリまで人が並んでいたとか。

私たちは事前に予約していたタクシーへすんなり乗って無事に上高地を脱出!これが2023年7月三連休の北穂高岳登頂チャレンジの記録です。私は正直言うと本当に気疲れしました笑。とくに子どもがいるというのが怖くて怖くて。事故怪我は何としても防がないといけないという使命感というか、登山というよりもその事が頭の大半を占めた3日間でした。しかしそれもまた1人とは違う山歩きの魅力となるのかもしれません。いい経験をした時間でした。

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