【ナンガ UDD BAG 810DX】その実力を知りたくて、雪のチラつくベランダで寝てみた
最終更新日 2023-12-05
先日のナンガ本社セールで注文していた「UDD BAG 810DX」が届いたので、早速一晩ベランダで寝て実力を試してみました。
ちょっと濡れているのは、窓からの結露が流れてきているからですからね、念のため(笑)
目次【お好きなところから】
ナンガ UDD BAG 810DX
我が家5本目のナンガは「国内の厳冬期において、ほとんどの場所で寝ることができる」というUDD BAG 810DX。
所有するナンガのダウンシュラフの中ではオーロラ600DXを上回る最高の性能です。
限界使用温度-34℃
国際規格のヨーロピアンノームで表される指標として、快適使用温度が-13℃、限界使用温度は-34℃とされています。確かにこれだけの性能が発揮されれば、国内のどこでも大概は眠ることが出来そうです。
雨・雪からの水濡れに強い超撥水ダウン
UDDとはULTRA DRY DOWN、超撥水ダウンというナンガ独自のダウン加工技術。水濡れに弱いというダウンの弱点を克服するため、羽毛そのものに撥水加工を施してあるといいます。そのことで、湿気は通すが水は吸わないシュラフに丁度いいダウンとなっています。
最後までUDDかオーロラか悩んだ
ナンガのシュラフに詳しい方なら説明はいらないと思いますが、ナンガ商品のラインナップにはいくつかのシュラフ群があります。今回は3つのシュラフでかなり悩みました。
1つは今期リニューアルされたナンガの代名詞的オーロラテックス生地を使った「オーロラ700DX」。もう一つはオーロラの軽量版である「オーロラライト750DX」。UDD810DXと合わせてとにかくカタログを見比べながら随分悩みました。
三つのシュラフのスペックを比較する
UDD810DX | オーロラ700 | オーロラライト750DX | |
ダウン量 | 810ℊ | 700ℊ | 750ℊ |
フィルパワー | 770FP | ― | 760FP |
快適使用温度 | -13℃ | -10℃ | -16℃ |
限界使用温度 | -34℃ | -30℃ | -36℃ |
内部構造 | 台形ボックスキルト | 上‐ボックスキルト
下‐シングルキルト |
台形ボックスキルト |
生地 | ナイロンシレ撥水加工 | 表‐オーロラテックス
裏‐40dnナイロンタフタ |
表‐20dnオートラテックス
裏‐20dnナイロンタフタ |
収納サイズ | 19×31 | 21×38 | 19×31 |
重量 | 1260g | 1350g | 1200g |
価格 | 59,400円 | 40,824円 | 55,080円 |
最後まで悩んだのはUDD810とオーロラライト750DXでした。
UDDはオーロラで使われている羽毛に撥水加工を施してあり、その分オーラロよりもフィルパワーは高くなっているようです。
オーロラライトとUDDの総重量差は60ℊ。ダウン量の差がちょうど60ℊということで、UDDの方がダウン量の分だけ総重量としては重くなっています。その差は100円玉約12枚分です。
透湿防水のオーロラテックス生地は冬期のテン泊で必需品となるシュラフカバーが不要なため、それだけでも軽量化が想定できます。さらに使用温度域もオーロラライトの方がUDDよりも優れています。こう見ると、かなりオーロラライトが優れているように思いますし、実際に優れたダウンシュラフだろうと思います。
それでもUDDを選んだのには訳があります
気持ちはかなりオーロラライトに傾いていたのですが、それでもUDDを選んだのには訳があります。
理由①しなやかな生地
1つには、オーロラよりもしなやかな生地でストレスがない点です。これはUDD380DXを一年以上使ってみて実感しています。とても生地がしなやかで体に優しくフィットします。それに比べるとオーロラ生地は若干ごわつきます。
理由②シュラフカバーとの併用はどちらにしても不可避
もう1つには、具体的な使用環境を考えた時にシュラフカバーとの併用はどちらにしても必要だということです。
冬のテン泊の天敵は結露です。テント内はどんなに防ごうとも結露で濡れ、時には凍ります。山のテントは内部が狭いので、どうしても足や側面がテントに触れることが避けられません。
その点では表面生地を防水処理してあるオーラロシリーズは安心感があります。
UDDがいくら撥水ダウンとはいえ、表面生地は防水ではなく撥水です。実際の使用環境ではシュラフカバーの併用が必要となるでしょうからその分重量増です。ただし、マイナスかと言えばそうとは言い切れません。シュラフカバーで二層にした分、保温力も高まるため、冬のテン泊の安心度合はより増します。どんなに防水・撥水とうたっていても、やはりシュラフカバーは欠かせないという思いが強かったからです。
理由③コンプレッションサイズ
最後の理由には、収納サイズには表れないコンプレッションサイズとその労力です。
ナンガ本社の社員の方もこう言っていました「オーロラ生地はどうしても圧縮しにくい。空気が抜けにくい」と。
そうなんです、防水加工してあるオーロラシリーズのシュラフは非常に圧縮しにくいのです。実際にザックに入れる際はどうしてもコンプレッションバッグなどを使って「収納サイズ」以下の大きさに圧縮します。UDDは比較的容易に空気が抜けるのですが、オーロラは大変な労力がいることがあります。UDD810とオーロラライト750はカタログ上の収納サイズは一緒になっているものの、最終的にはUDDの方が圧縮して小さく出来るのではないかとふんでいます。←あくまで予想ですよ。
そんなこんなで揺れてはいたものの、UDDに気持ちはかなり傾いていました。そして、実際に本社セールへ出向いた際、思いもよらぬ割引価格を提示され、「即決」しました。
ナンガダウンシュラフUDD810DXを紹介
ディテール
ジッパーは特殊器具が使われていて、噛み込みをしにくくなっています。白い部分は蓄光素材となっていて、夜間に光ります。夜間にジッパー位置を特定しやすく、これが地味に便利なのです。
嵩がしっかりあります。フカフカです。
黄色を選んだんですが、色って大事ですね。青よりも暖かくなりそうです(笑)。
実際にUDD810DXで一晩ベランダにて寝てみた
午前0時過ぎ、この日は風が強く、ベランダも風が通り抜けます。気温は2℃ほどですが、テント内と違って常にシュラフの外の空気が冷やされているので、テストにはいい環境です。
衣類は上下のスウェットのみ。コンクリートのベランダにサーマレストリッジレストを広げ、その上にUDD810DXを広げます。風が冷たい。すぐにシュラフの中に潜り込み、頭までスッポリと被りました。
レギュラーサイズのシュラフに対し、身長175㎝の私ですが、足元も頭も少し余裕があるぐらいです。肩口のドローコードを引いて顔の一部だけが出るような状況に。
雪が降ってきた
しばらくは車の音や風の音が気になりましたが、いつの間にか寝てしまいました。
何度か夜中に目が覚めました。明け方には顔に水滴がついたように感じ、よく見るとハラハラと雪が待っていました。結局7時過ぎまでグッスリ。一度も冷えを感じることはありませんでした。
抜け出したところ。ダウンが体温でパンパンに膨らんでいます。
冷えを最も感じやすい足元は裸足にも関わらずポカポカ。足元のこんなに暖かいダウンシュラフはオーロラ600DXを含めて初めてです。設定温度域からすればこの結果は当然ではあるのですが、これまでもシュラフが到着するとベランダで寝ていた過去の経験から考えても、流石に810ℊのダウン量だなという安定感のある暖かさでした。
ベランダでの一泊で初使用となったUDD BAG 810DXですが、早く山で使ってみてその真の実力を試してみたいと思います。
なお、コンプレッションについては家にあるいくつかのコンプレッションバッグで行ってみましたが、納得いく状況には至っていません。今後ちょうどいいものを探してみようと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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