赤岳雪山日帰り登山

厳冬期「赤岳」へ雪山日帰り登山~刺さる冷気と八ヶ岳ブルーの世界

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今年最強の寒波が日本列島を覆っていた2月初めの三連休。久しぶりに八ヶ岳の主峰、赤岳を登ってきました。

厳冬期の赤岳は昨年2月以来で1年ぶり。1月の西穂高岳から1か月も間が空いてしまいましたが、キリっと突き刺さるような冷気を纏った赤岳は、最高の八ヶ岳ブルーで出迎えてくれました。

毎年恒例、厳冬期1年に1度は赤岳へ

赤岳、標高2899mと八ヶ岳の最高峰として名高いこの山は、特に雪のシーズンには全国から雪山登山を楽しむ人々が集まって来る人気の山です。

一口に雪山と言っても、赤岳を中心とした八ヶ岳の山域は多くの登山者が入り、登山ルート上の雪が踏み固められ、非常に登りやすくなっています。新雪直後にたまにラッセルに苦しめられるようなこともありますが、天候を良く見て判断すれば、雪山初心者からのステップには絶好の山だろうと思います。

赤岳(あかだけ)は、長野県南佐久郡南牧村、諏訪郡原村、茅野市、山梨県北杜市にまたがる標高2,899 mの山。八ヶ岳中信高原国定公園南部に位置し、八ヶ岳連峰の最高峰である。山名は山肌が赤褐色であることに由来し、山頂は南峰と北峰に分かれており、南峰に一等三角点[1]と神社がある。北峰には赤岳頂上山荘がある。南峰とその南の権現岳との間はキレット(鞍部)となっている。麓は冬はスキー客で、夏は避暑地として賑わう。

Wikipediaより

毎年11月頃からソワソワし始め、新雪の便りとともに雪の感触を確かめにシーズンに数度は通っている赤岳を中心とした八ヶ岳界隈。今年は積雪量が少なく、なかなか足を向けるチャンスがありませんでしたが、非常に強い寒波が入ってきた3連休、「これはチャンス!」と思い、中日となる2月10日に一路登山口となる美濃戸へと車を走らせました。

美濃戸口から赤岳山荘付近の林道凍結状況と駐車場混雑具合

赤岳へのルートはいくつもありますが、今回も中央道諏訪南インターを下りてから、メインとなる美濃戸方面へ車を走らせました。時間は午前5時頃。下道は真っ白に凍結し、風に吹かれて雪煙が舞っています。気温はグングン下がり、氷点下10度を大きく下回っています。

登山口となる美濃戸口には大きな駐車場がいくつか整備されています(1日500円)。普段ならばさらに林道を進んで美濃戸まで車で行ってしまうのですが、この日は道の凍結具合が不明だったため、この先車を進めずに美濃戸口にて駐車、登山開始としました。

八ヶ岳山荘

駐車場代は登山口横にある「八ヶ岳山荘」へ支払います。料金と引き換えにコーヒー一杯無料券をいただけますよ。

時間は午前6時前、この時点で駐車場は8割がた埋まっていたように思います。ちなみに手前の林道沿いに止めると「駐車禁止」の紙が貼られます。近隣(別荘地等)の迷惑にもなるので注意が必要ですね。

結論から言うと、この日の林道の状況だと4WDであればチェーン無しでも赤岳山荘まで進めたように思います。ただし、日に日に状況は変わるため、断言はできません。

美濃戸口~赤岳山荘~行者小屋

普段であれば車で進んでパス出来る美濃戸口~赤岳山荘までの林道歩き。コースタイムにして約1時間のダラダラした登りですが、午前6時4分に駐車場を出発し登山開始です。

林道はこの時間ツルツル。帰りはチェーンアイゼンを使用しましたが、行きは使わずに歩きましたが、何度か滑りそうになってヒヤッとしました。不安であればチェーンアイゼンを持って行った方がいいでしょう。12本爪アイゼンなどはまだ大袈裟ですし、刃先を丸めることになってしまいます。

この時期6時を過ぎると休息に空が白み始めます。持参したヘッドライトは使うことはありませんでした。ただし、ヘッドライトはどんな日帰り登山でも必需品!必ず持参しましょうね。

私は充電式のブラックダイヤモンドリボルトを2代続けて愛用。それまでは替えの電池を持って行っていましたが、スマホ充電のモバイルバッテリーで充電できるため、予備電池は持たなくなりました。

約40分でまずは車で入ることの出来る最終地点、「赤岳山荘」へ到着です。

トイレの横には人口の氷瀑が作られています。この日は風は弱いものの、恐らく放射冷却で非常に気温が冷えていました。動いていないとすぐに指先の感覚が無くなってきて辛かったです。ここでしっかりトイレ休憩。この先はコースタイムで2時間半ほど先の行者小屋までトイレはありません。

この日の装備は~雪山日帰りでは出番が多い「ミューオンパック・エクスペディション」

この日の装備はワンダーラストイクイップメントの「ミューオンパック・エクスペディション」。わずか200g超のUL系バックパックです。

モニター使用させていただいているFIZANの軽量トレッキングポールもとても快調。軽いことは正義です。

雪は確かに少ないけれど、前日寒波の影響で木の枝も真っ白にお化粧を

赤岳山荘をさらに進み、橋を渡り数分で美濃戸山荘へ到着。ここでルートは北沢と南沢へ分かれます。

北沢は赤岳鉱泉へつながり、南沢は行者小屋へ。それにしても岩が露出していて雪の少なさを実感します。

1時間ほど歩き続けると正面が少し開け、横岳のカッコいい姿が見えてきます。

樹林帯から一旦沢に出て、しばらく進むともう樹林帯の中へ。樹林帯に戻らず、目の前に横岳の雄姿を見ながら引き続き沢沿いの開けたルートを歩いてもいいのですが、登山者が殆ど歩いていないので、雪がグッと増えることになります。そして疲れます。ルート選択の際には注意が必要です。

行者小屋までもう少しのところまで来ると樹林帯にも日が差し始めました。

このほぼ樹林帯の地味なルートはなかなか長いのですが、ここで無理なペースで体力を極力使わないようにしたいですね。今日のメインはあくまで赤岳の主稜線上の登りですから。

写真のように赤岳から横岳への稜線の全容が見えてくると、行者小屋も近くなってきます。

行者小屋~文三郎尾根~赤岳山頂

美濃戸口から約2時間30分で行者小屋へ到着しました。

冬期も週末営業をしている行者小屋。この日もテントや日帰り登山者で大変賑わっていました。冬期の営業小屋が複数あるというのも八ヶ岳の人気の1つですね。テントは50張りぐらいあったでしょうか。

写真で見るとそれほどに見えませんが、この時間帯の冷え込みはとても厳しかったです。思わず行者小屋へ飛び込んでカップラーメンを注文して温まりました。食べないと体力が持ちません。

稜線上の行動に備えて

ここで40分近くの大休止。その間に左手の小指付近が寒さで麻痺してしまい、トイレに行くのも難しい程でした(笑)いやー寒かった。休憩しながら、稜線上の行動に備えて装備を整えます。

上半身はフロウラップフーディー(ソフトシェル)の上にエバーブレスアクロ(ハードシェル)、バラクラバを被り、ゴーグルにヘルメット。グローブはブラックダイヤモンドのソロイスト。ストックをしまってピッケルへ、12本爪アイゼンも装着です。

樹林帯の急登を抜けると大展望

行者小屋を文三郎尾根方面へ進みます。まずはテン場を抜けて樹林帯をしばらく進みます。すぐに阿弥陀岳への分岐点へ到着。

左手の文三郎尾根方面へ進みます。この辺りになると雪がフワフワです。強い寒気による降雪があったのかもしれません。

分岐を過ぎ、樹林帯のジグザグの登りが始まります。それなりに急登ですが、ハイマツに覆われていることもあって滑落の不安等は覚えにくい安全な個所です。

ハイマツの急登が切れると、真っすぐに伸びた登り、かなりの急登が現れます。たまに雪玉が勢いよく落ちてきます。写真のように上から下りて来る人が雪玉の発生原因。人が落ちて来るよりはマシだと思います。そのぐらい長い真っすぐな急な坂が続きます。

右手には阿弥陀岳。遠目から見ると思っていたよりも白い。寒気の影響で凍っているようです。少し低い部分には樹氷が真っ白に咲いていてとても綺麗な景色です。

文三郎尾根の鎖はほぼ露出していました。ただし、下手に鎖を掴むと前かがみになって余計に危ない。一歩一歩雪にアイゼンを突き刺しながら急登を登ります。ここまでほぼ無風。こんな八ヶ岳も珍しい。

徐々に標高を上げてくると、右手には中岳と奥に阿弥陀岳。

正面には赤岳が迫ってきます。

先ほどの先行者の方をパス。モデルになっていただきました。左手には横岳・硫黄岳。遠く蓼科も見えました。

文三郎尾根の登りから見る阿弥陀岳のカッコいいこと。ほれぼれします。そして、こんな感じの登りが1時間以上続きます。うっかり油断して滑落すると止まらないでしょうね。

行者小屋も随分遠くになりました。左手には3連休中に3人の死亡事故が起きた中央アルプスもクッキリ見えていました。

文三郎尾根のルート上はそれなりに雪が付き、地面が露出している部分はほとんどありませんでした。ただし、鎖に足を滑らせないように十分な注意が必要です。

久しぶりの登山だったからでしょうね。文三郎の分岐点までが妙に疲れました。横岳のギザギザの山容が大迫力でした。

残すは目の前の赤岳への登り。ここからは雪と岩のミックス。例年に比べると岩の露出が多いルート状況になっていました。

岩と雪のミックス帯を登り切って山頂へ

振り返って阿弥陀岳。よっぼど雪がしっかり付いていた方が歩きやすいです。

山頂まで残りわずかの岩と鎖の連続帯。鎖が全露出していました。

絶好のコンディションということで、登りと下りであちこち渋滞していました。

振り返ってこの辺りが少しだけ嫌らしかったですね。岩に沿って斜面をトラバース。左側は滑ると危険。新雪がフワフワしていて注意しながら進みました。

岩と鎖を潜り抜けながら15分ほど進むと、ピョコンと展望台へ到着です。

遠く富士山もクッキリ。

振り返って阿弥陀岳、中央アルプス方面。

奥に南アルプス。

山頂直下の巨大な岩。いつもなら雪に覆われて最後に気を付けてピッケルを刺しながら越す場所ですが、この日は夏道に若干雪が付いている程度。スイスイと登ることが出来ました。

美濃戸口から5時間30分。2899ⅿ赤岳山頂到着です。お疲れさまでした。

行者小屋出発時には刺すような冷たさでしたが、日が差すようになるとまるで春山のような陽気に。

居合わせた方に撮っていただきました。ありがとうございます。まるで残雪期の様相ですね(笑)

記念撮影の列が出来ていました。八ヶ岳ブルーに包まれた山頂には沢山の方が次々と到着していました。混んできたので5分ほどで下山開始です。

地蔵尾根経由~行者小屋~美濃戸口下山

下山は登りとは違って地蔵尾根を使っております。個人的には地蔵尾根の方が急で、登りは辛いものの、下りで文三郎を使った方がずっと楽な気がします。それでも毎回文三郎で登るのは、私自身の体力状況のモノサシにしているから。ひたすら体力と技術で登り続ける文三郎が好きです。

山頂からまずは山頂山荘方面へ。突風が吹かないように気を付けながら水平移動。

振り返って山頂です。記念撮影渋滞にハマると時間がかかるところでした。

こちらも下山時の斜面のトラバース。気を付けて進まないといけませんね。右に落ちたら。。。

急な下り、その先に展望荘が良く見えています。展望荘に到着したところで建物の背後でおにぎりを二つ。紅茶と一緒に流し込みエネルギー補給。雪山での飲料は紅茶にしているのですが、トイレに行きたくなる頻度が減るのは気のせいでしょうか。

夕方の時間までの帰宅という制約がなければ、絶好の天候のもとで硫黄まで縦走したかったですが・・・。

ただ、地蔵尾根の分岐付近まで下ってきたところで、赤岳山頂付近には急速にガスが湧き始め、横岳方面も強風が吹き始めていました。山の様子はあっという間に変わるので気を付けないといけません。

展望荘と赤岳。さっきまで青かった空が。

地蔵尾根下りは慎重に

地蔵尾根の下りは今回の登山中でも最も気を使わないといけない箇所。やっぱり登りよりも下りで事故は起きやすいです。下りが核心。

鎖や階段が続く地蔵尾根。ナイフリッジは成長していませんでしたが、それでも気を引き締めて下りますよ。

こんなところで尻もちでもついたら滑り台のように落ちていきそうですね。

振り返ります。こちらも岩が露出していますね。

鎖、階段、手すり・・・引っかけないよう、転倒しないように慎重に。30分ほどかけて核心部を通り抜け、樹林帯を抜ければ行者小屋へ到着です。

無事に行者小屋裏手へ戻ってきました。ここまで来れば一安心、お疲れさまでした。

朝よりもテントは減っていましたが、新しいテントもチラホラ。連泊組もいるようで羨ましい。残雪期までには一度テン泊して八ヶ岳縦走したいですね。

最後のオニギリを食べ、行動食と紅茶をお腹に入れて12本爪アイゼンを外しました。これまでは下山口まで12本爪を付けたまま下りていましたが、今年は雪が少なく、使うと爪が欠けて勿体ない。ということで、チェーンスパイクで美濃戸まで下りることにしました。

チェーンスパイクは前爪がないので走るようにして下ることが出来ました。その効果か下山はコースタイムの約55%で下りきることが出来ました。

カンプアイスマスター。好日山荘で格安で購入したものですが、あまりこれまで使ってこなかったことを後悔です。

厳冬期「赤岳」日帰り雪山登山まとめ

毎年登り納めや厳冬期時期に何度か登る雪の赤岳。1年ぶりに登って来ることが出来ました。それも素晴らしい八ヶ岳ブルーに恵まれて、とてもいい雪山登山となりました。

今年は雪が確かに少なく、これからの気候次第では残雪期もどうなってしまうかと心配ですが、残りわずかなシーズンをまだもう少し楽しませてもらいたいと願わずにはいられません。

厳冬期赤岳日帰り登山データ編

移動距離18.3km
消費カロリー4934㎉
高低差1407m
累積標高登り
下り
1623m
1629m
赤岳厳冬期登山記録美濃戸口~行者小屋 151分/210分(71.9%)
行者小屋~(文三郎尾根経由)赤岳山頂 110分/110分(100%)
赤岳山頂~(地蔵尾根経由)行者小屋 65分/90分(72.2%)
行者小屋~美濃戸口 82分/150分(54.6%)
行動時間 8時間42分(内休憩1時間54分)(コースタイム比72.8%)

 

今回の装備一式

こちらの記事にまとめました。

カメラとレンズ

今回はマイクロフォーサーズ、ZUIKO12-100PROレンズを使用しました。非常に気持ちのいい解像感。よく写ります(笑)

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実は昨年2月に赤岳に登った時のレポートを書いていません。今回写真を探したのですが、見つからず・・・残念です。

 

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