【五竜岳〜唐松岳】小4次男と北アルプステント泊・岩場と絶景の縦走路を歩く

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最終更新日 2023-12-05

2023年8月、後立山連峰の五竜岳から唐松岳をテント泊で歩いてきました。

五竜岳は深田久弥氏が選定した日本百名山の一座、その北に聳える唐松岳までの縦走路には牛首と言われる鎖の連続する岩場が存在しています。この夏、北穂高岳へ登り、穂高の一角に取り付いた次男みぃ君にとっても新しい経験になるだろと思い、夏休みの最後の土日に挑戦してきました。

五竜岳〜唐松岳の地図とコースタイム・登山口アクセス

これまで何度も歩いたことのある五竜岳ですが、今回のルートは8年前に長男と歩いた思い出のルート。初日は五竜岳遠見尾根から入って五竜岳山荘でテント泊、2日目の朝に五竜岳に登頂。唐松岳への縦走路を歩いて唐松岳頂上山荘でテント泊。3日目に八方尾根を下山する2泊3日の余裕のある行程としました。

五竜岳、唐松岳の地図

距離は約15km、標準コースタイムは12時間35分となります。累積標高は登り約1800m、下り1600mとなります。

【8年前、長男との記録はこちら】

登山口駐車場はエスカルプラザ駐車場(無料・トイレ有)

登山口となるのは五竜岳側のゴンドラ・リフト始発駅となる「とおみ駅」。

とおみ駅に隣接するエスカルプラザの駐車場は無料で利用できますし、エスカルプラザの館内トイレは24時間開放され利用できます。

とおみ駅のゴンドラ始発時間は季節によって異なりますから事前に下調べが大切です。おおよそ7時から8時15分の間になりますが、登山当日は8時15分でした。

【1日目】遠見尾根から五竜岳山荘へ

8月末の金曜日、天気は曇り。8時15分のゴンドラ始発便にていざ出発です。今回も職場の後輩こっちゃん同行です!みぃ君が背負っているのは長男が8年前にこのルートで背負っていた時と同じオスプレーのバックパック。久しぶりに押入れから引っ張り出してきました。

ゴンドラとリフトを乗り継いで、リフト終点から登山スタートです。標高は約1600m、無風の上にとても蒸し暑いスタートになりました。

熊よけですかね?あると鳴らしちゃいますよね。

ここからは小遠見山、中遠見山、大遠見山、西遠見山、山荘直前の白岳を経由してテント場に向かいます。小遠見山まで約400mの登りからスタートです。小遠見山から大遠見山まではなだらかな登りを行きます。

暑い暑い・・・!

前回8年前、ここは結構な雨の中での歩きだったんですよね。もう少しで大遠見山です。

大遠見「山」と言ってもとくにピークというわけではありません。ちょっとした標識があって休憩スペースとなっています。

写真は西遠見山あたりでしょうか?ここから最後の登りが始まります。頑張れ!ちょっと体調の思わしくないこっちゃんの荷物を私のザックに積め込んで約20kgほどを担ぎ上げます。

こんな感じの痩せた岩尾根も出てきます。

ガスっていますがグッと標高を上げていきます。

ガスっていた中で少し五竜岳方面が見えました。まだ少しあるなー。それでも頑張る気力が湧いてきます。

さあ、最後の登りには鎖のついた岩場が何ヶ所が続きます。基本的にはスタンスも多くて登り易いですが、安全に注意深く登りましょう。

白岳山頂!後は山荘へ下るのみです。

山荘の後ろに五竜岳が聳えてカッコいい。

五竜山荘到着!山荘の前の段々になっている場がテント場となっています。基本的にはよく整地されてフラットですね。

山荘受付でテン場の受付をしてすぐに設営です。

テントは今回もヒルバーグのニアック1.5。フライとインナーが一体設営出来るのと、1.5人用となっているものの、2人で余裕を持って使えます。特に疲れてテント場に到着した時にポールを通せばあっという間に設営完了出来るのはメリットがあります。

五竜山荘と言えば名物Tシャツ

山荘の土間?部分はごく小さなスペース。コロナ前は軽食の提供もありましたが、2023年もありませんでしたね。

そして、この名物Tシャツ「山が好き 酒が好き」。もう夏山シーズンも終盤に入っていたのであまり期待していなかったのですが、各種ほぼ欠品なく揃っておらず好きなサイズで購入することができました!

テント泊登山の楽しみ

到着したのは午後2時過ぎ。山小屋での軽食も楽しみなのですが、カップラーメンもご馳走です!

テント泊ではバックパックの中身を全てテントの中に広げます。半身用のマットを上半身部分に広げ、下半身部分にバックパックを敷いてマット代わりにします。これまで半身用として軽量なエアマットを使っていましたが、若干重くはなるものの、寝心地を重視してニーモのゾアシリーズに変更しました。

後はテントからの景色を眺めながらノンビリタイムです。

生憎この日は雲が多くて山も燃えませんでしたが、それでも山でノンビリ過ごす夕方の時間というのは格別です。

明日はあっちまで行きますよ。19時には揃って夢の中に。明日は頑張らないと。

【2日目】絶景の五竜岳へ!一番の難所「牛首」を歩く

2日目、テントの外に顔を出すと五竜岳の姿がクッキリと。

雲海も広がって最高です!

簡単に食事をとって、さあ五竜岳へ出発です!

五竜岳へのルート、初めは斜面をトラバースしながら徐々に高度を上げていきます。山頂まではコースタイムで約1時間、ペースを乱さずしっかり進みます。

途中から少し緊張感のある岩場も出現。三点支持を守りながら正確に登ってきます。

山頂が近づいきます。北アルプスらしいゴツゴツとした激く巨大な岩の塊です。

鎖場のない十数メートルの岩場の登り。個人的には五竜岳では一番気をつけないといけない場所かと思います。

ここを通過すれば山頂はもう目の前。

山頂アタックの前の小休止ポイントです。

行動食のくるみ餅を口に入れてもう一度気持ちを入れ直します。

山頂へのルートはゴロゴロした大きな岩が連続。注意深く進みましょう。

長目の鎖を手がかりにしながら岩の間を通過していきます。高度感のあるような場所は少なく、気をつけて登れば問題はなし。

ルートの目印のペンキもいたるところにあるので見失わずに。ここまで来ると山頂はもう一息!

頑張れ!気がつけば雲海はもうずっと下に。

左手に目をやる双耳峰が印象的な鹿島槍ヶ岳が目の前に見えています。鹿島槍ヶ岳から五竜岳の間にあるのが八峰キレット。

おめでとう!3人揃って五竜岳に登頂です!後ろに見えるのは今日このあと目指す唐松岳。

鹿島槍ヶ岳

遠く見えるのは富士山かな?どこまでも続く雲海がとても美しかったです。

それでは登ってきた道を下りましょう。今日はこの先もまだ難所が続きますから。

下りも気をつけていきましょう。

山荘まで戻ってきて、テントを撤収してひと段落です!山荘でいなり寿司を売っていたので出発前の腹ごしらえでいただきました!

唐松岳への縦走ルート「牛首」を越える

五竜山荘から唐松岳頂上山荘までの縦走は2.7km、2時間30分。出発時にはちょうどガスが出てきて炎天下の中で歩かなくても良かったのは好都合でした。

ガスも風も強くてこんな日には雷鳥でも出てくるんじゃないかななんて話をしながらまずは白岳の中腹まで登り返します。

右へ行けば前日歩いてきた遠見尾根へ。今日は左の唐松岳方面へ進みます。

しばらくハイマツの一本道を下っていきます。ガスに包まれて景色は何も見えず、風も強くて少し寒いぐらい。そんな時、目の前の岩が動いた??と思ったら、待っていました雷鳥でした!

それも何と5羽、親子だったのでしょうかね?ヒョコヒョコといつもながら可愛らしい姿です。

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雷鳥には会えましたが、この真っ白さはどうも(笑)

途中にある大黒岳までの登りを一気に登りきりました。結構な急な登りですが、ハイマツの中を駆け上がる感じです。風が収まってきて暑さが酷い!

2人ともお疲れ様でした!セブンイレブンの黒糖わらび餅を持ってきていたのでツルッといただきました。10分ほど大休止してこの先のこの日一番の難所「牛首」に備えました。

これから先「牛首」になります!さあ気を引き締めていきますよ。

垂直に登るような壁ですね

絶壁の岩場沿いに鎖

続く鎖

結構登ってきます。

そしてまた鎖。牛首は五竜側からの方が鎖場がほぼほぼ登りになるので難易度が低まりそうですね。

もう唐松岳頂上山荘も目の前ですが、写真にもあるようにトリッキーな鎖ですね。まっすぐ水平に歩きそうですが、上に行きます。

岩場に張り付くように鎖が伸び続ける最後の部分。気を引き締めて歩きます。

最後の鎖場を越えたらもう山荘へ目の前です!2人とも頑張りました!牛首の鎖場は二度目でしたが、子どもがいたということもありますが、大キレット並に緊張しましたね。途中落石もありましたからヘルメットは必須ですね。

到着と同時にガスが晴れてきました。山荘で受付をしたのちテント設営場所を急いで探します。というのも、唐松岳のテント場は山荘から急な斜面を下りながらかなり下の方まで広がっています。広がっていますというのは聞こえがいいですが、下まで行ってしまうとトイレも何もその都度大変なことに。

急いで下がっていきましたが、若干斜面になっているものの、それほど下まで行かない場所でテントを張ることが出来ました。それにしても設営しながら汗がダラダラ流れてきます。暑い!

外にいては真っ黒焦げになりそうだったので、500円払って休憩室を使わせてもらうことにしました。火は使えませんが、2階の喫茶室ではコーヒーの提供はありました。

五竜岳の登り、牛首の通過で疲れましたね。ウトウト眠たくなる山荘の昼過ぎです。

16時近くなり、ようやく陽も傾いてきたのでテン場でノンビリ。2人ともお揃いの五竜Tシャツを着て上機嫌です。

そうこうしているとあっという間にあたりはガスに包まれて、この後に猛烈な雷雨に襲われることになりました。山での雷や雨はこれまでにもありましたが、今回の雷はそれはそれは猛烈でした。スマホの電波で雷雲を確認しつつ、ピカッと光ったかと思うと距離を測るために数を数えて・・・この繰り返しを20時頃まで繰り返していましたが、隣でみぃ君は何も知らずにスヤスヤと眠っています。まあ怖がられずに良かったですが。そしていつしか私もグッスリと夢の中に落ちていきました。

【3日目】唐松岳登頂、八方尾根を下山

翌朝、激しい雨は上がり薄っすらかかる雲間から目の前に剱岳が浮かび上がってきました。

昨日登った五竜岳も。

朝ごはんを簡単に食べ、テントを撤収、小屋にデポして唐松岳登頂へ出発です。唐松岳まではおよそ20分ほど!すぐですよ。

これが小屋とテント場の位置関係!黄色いテントの下の下の下にもまだまだテン場が伸びています。

五竜岳への登りと比べるとかなり気持ちも楽な登りですね。途中、終わりがけながら高山植物の女王と言われるコマクサの群落地も。見えるでしょうか??

さあもうちょっと!

お疲れ様です!唐松岳頂上到着です、おめでとう!

唐松岳頂上からの不帰ノ嶮。いつか2人もこの道を歩けるようになるかもしれないけれど、その時は今回以上に緊張しそうです。

山荘に戻り、荷物を回収してさあ下山です。

唐松岳からの下山、何度も歩いて来たこのルートですが、今回の縦走路を歩いてきた2人の背中を見ながらの下山はちょっと誇らしい。2人ともよく頑張ったなと思います。

沢山の花も咲いていた今回のルートですが、2人を安全にリードすることに集中していたからか、あまり目を向けることが出来ませんでした。下山の時には少し目も向くように。とはいえ気を緩めてはいけませんね。

途中の八方池。生憎雲が多く池に映る白馬三山は見れませんでしたが、それでも下界とは違う美しい風景に八方から上がってきた多くの観光客も息を飲んでいました。

さあ最後の木道歩き。美しい景色が最後まで続きます。

そして、無事に八方山荘へ到着!3日間2人ともよく頑張りました!2人の表情が達成感と安堵感を表していましたね!

リフトとゴンドラを乗り継いで、白馬八方まで下りきり、その後はタクシーで登山口駐車場となったエスカルプラザへ移動しました。料金は約2000円程度でした。

【下山後】温泉と絶品とんかつ!

天然水素温泉おびなたの湯

車を回収した後に再度白馬方面へ車を走らせ向かったのは「天然水素温泉おびなたの湯」。

この温泉は露天のみの開放的な温泉。無色透明でちょっと熱めのお湯が疲れをとってくれます。大人700円、子ども400円。営業期間が7月中旬から10月中旬までと短いのが特徴です。

誰もいなかったので撮影させてもらいました。

とんかつ専門店つむぎ

温泉後に向かったのは「とんかつ専門店つむぎ」。ここは以前から狙っていたお店ですが、なかなか営業時間などが合わずに利用できずにいたのですが、この日はようやく訪問することが出来ました。

写真を撮らなかったことを後悔しているのですが、注文したロースのトンカツがまあ本当に絶品でした!サクッとした歯応えで口の中に入ったと思ったら、あっという間に溶けてなくなるような食感は驚きでした!ちょっと高いですがリピート決定です!

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今回の登山装備等一覧

毎回のことですが、今回の装備一覧を作っておきました。

登山装備編

・帽子 (山と道 ストレッチメッシュキャップ)
・ヘッドライト (ペツル アクティックコア
・ベースレイヤー(ミレー モルフォジップロングスリーブ
・アウター(ファイントラック フロウラップフーディー紹介記事
・パンツ(ノースフェイス バーブライトパンツ
・ダウン上(ナンガ)
・ダウンシューズ(イスカ ダウンプラステントシューズ
・登山用下着(モンベル ジオライン L.W. トランクス)
・サポートタイツ(CW-X ジェネレーターモデル
・靴下インナー(インジンジ ライナークルー紹介記事
・靴下(ダーンタフ ブーツソックフルクッション紹介記事 丈夫!7年間使えています
・皮膚保護クリーム(ProtectJ1紹介記事
・レインウェア上(ノースフェイス クライムベリーライトジャケット紹介記事
・レインウェア下(ミレー 防水透湿トレッキングパンツ TYPHON 50000 WARM ST TREK PANT紹介記事
・登山靴 (スポルティバ ウルトララプターⅡGTX)←ここ数年こればかり!
・インソール(YAMAP別注山を歩くインソールカーボン)紹介記事
・トレッキングポール(フィザン コンパクト紹介記事
・ザック(山と道 ONEカスタム)MINI紹介記事
・サコッシュ(asobitogear ASOBI-Pocket)紹介記事  サコッシュの中身紹介
・ハイドレーション(プラティパス ビッグジップEVO
・行動食各種 くるみ餅
・モバイルバッテリー(アンカー PowerCore III 5000)各種ケーブル
・コッヘル(エバニューTi U.L. Solo set 750 ECA540
・バーナー(SOTOアミカス

装備編で少し変更があったものとしては、サポートタイツをクールタイプにしたことでしょうか。サポートタイツはやはり暑さを感じまるが、クールタイプにしたことは思った以上の効果があったように思います。

テント装備

・テント(ヒルバーグニアック
・テントフットプリント(デュポン™タイベック®シルバー
・マット(ニーモ ゾアミニマムマミー
・マット(山と道ミニマリストパッド)←マットの予備装備
・シュラフ(ナンガ UDD180DX
・ランタン(キャリーザサンスモール)

カメラ関連編

・ミラーレス一眼(OM-SYSTEM OM1
・レンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO BLK)
・ジンバルモバイルカメラ(DJI Pocket2
・360度カメラ(insta360ONE X2
・スマホ(iPhone12pro

今回カメラ関係でいえば、こちらの広角から標準域までカバーするズームレンズを初めて山に持っていきました。

 

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