前穂高岳‐奥穂高岳テント泊縦走②前穂高岳から奥穂高岳へ絶景の吊尾根を歩く
最終更新日 2021-12-19
10月19日の穂高岳山荘からのツイートは気温が-4℃、小屋前は5センチの降雪とある。
北アルプスはすでに冬に入っている。
それなのに、ようやく8月末の前穂高~奥穂高登山の記録を書いている。
季節外れではあるけれど、それはそれということで書き残しておこうと思う。
前穂高岳‐奥穂高岳テント泊縦走その2
吊尾根から奥穂高岳、下山まで
前穂高岳から吊尾根を経由して奥穂高岳へ。
そしてこの日の幕営地となる穂高岳山荘テン場を眼下に。
ボリュームのあるコースを歩いた後だけに
心地よい疲れで体も心もいっぱいになる
目次【お好きなところから】
奥穂高岳へ吊尾根を歩く
紀美子平から前穂高岳の山頂をピストンして降りてくるとすでに時計は午後1時近くとなっていた。
少しノンビリしすぎてしまった。この日の行程はまだ約3時間ある。
そしてここからは吊尾根を歩くことになる。引き締めないといけない。
吊尾根を歩く先行者が数名見えた。前穂高岳から奥穂高岳の間に連なる岩の稜線を真っすぐに歩くこのルート。
美しい道を期待して進む。
午後12時55分、紀美子平出発。
吊尾根の入り口はごく平坦な登山道。最初に言うが、吊尾根のほとんどはこのような注意すれば危険性の少ない一般的な登山道となっている。ただし、特に上高地側からだと急登の重太郎新道を通り、前穂を経由して来ることで疲れも蓄積し、その中での水平移動となり思わぬところで足が取られるのだろう。注意注意。
足を引っかけたり滑らせたりしたら滑落が待っている。
歩き始めて5分後、こんな場所に出た。
??普通に歩いてしまうと写真左下方面へ。ただそこには「×」印がある。→は壁の上を向き、〇も→の先に確かにある。
小さく細い足場を上へ上へと体を引き上げながら登っていく。
案外今回の吊尾根では出だしのこの部分が一番厄介だったかもしれない。
気持のいい青空が広がってきた。
最低コルを抜けて南陵の頭を目指してとにかくひたすら登る。
吊尾根は前穂高方面から歩くと、「水平移動」というよりもダラダラと緩やかに登り続けるという感じの歩きが続く。
時間とともに徐々に疲れがたまってくる。
涸沢側へ目をやると、涸沢小屋と涸沢ヒュッテ、色とりどりのテントがハッキリ見える。
振り返ると歩いてきた稜線が美しく見える。
ここまで来ると、朝の激しい雨が嘘だったかのように思えてくる。秋風と青空が心地よかった。
ここまで吊尾根には危険個所は特にない。登山道の幅は人がすれ違うには十分という場所が大半で、所々狭い部分もあるものの普通に注意して歩けば問題はない。緊張感を強いられるというよりも、気持のいい稜線歩きが楽しめる。万人も認める通りの絶景コースだと思う。
南陵ノ頭まで最後の登りを登り切れば、奥穂高岳の山頂はもう目の前だ。
最後の最後でひと踏ん張りする。すでに歩行時間は7時間以上を超えているのでさすがに疲れる。
とにかく一歩一歩、落石に注意しながら体を押し上げる。
真っ青な空だけが後押ししてくれる。
「結構しんどいですね」などと会話しながら頑張って登る。もう一息だ。
本日2座目、日本第三位の高峰「奥穂高岳」3190m登頂
午後2時35分、奥穂高岳登頂~実に2年ぶりの登頂。前穂高岳に続いて3000m峰本日2座目。
お疲れさまでした。
若干雲がかかり始めたものの、それでもいい日に登れたことに感謝。
結局1時間50分の吊尾根コースタイムに対し、ほぼ同ペースとなる約1時間35分。なかなか疲れた。
それでも、奥穂高岳のピークを踏めるとそれはもうとても心地いい疲労感に変わってくるから山は不思議だ。
奥穂高岳山頂からはあたりの山々が全て見渡せる。まさしく絶景だ。
特に槍ヶ岳から大キレットを越えて北穂高岳へ伸びる稜線は伸びやかで美しい。一方の西穂高岳から奥穂高岳へ連なる稜線は、ジャンダルムに代表されるように巨大な岩の壁のようになっていて迫力がある。
写真でわかるようにジャンダルムのピークに人がいる。あそこには来年行こう。
風雪に耐え抜いている「山座同定標」。次はあの山へ登ってみたいなんてことを見ながら思う。とても疲れているはずなのにだ。
30分ばかり山頂を満喫し、今晩の幕営地となる穂高岳山荘テン場へ向かうことにする。
当たり前だがテン場は早い順番からいい場所が埋まっていく。すでに3時となっており、急がないといけない。かといってここで無理に急いだり、気を抜いてしまうと危ない。今日最後の気の引き締め直しを行って、気持だけ急ぐことにした。
山頂から下りながら穂高岳山荘へ約30分。岩ばかりのガレた登山道を慎重に下っていく。
しばらく行くと赤い屋根が見えてきた。テン場は・・・まだ空いている。良かった。
垂直の梯子を何段か降りていく。写真で見ると高度感があるが、実際にはそれほどでもない。しっかり3点支持で歩けば、足場もしっかりしており問題はない。
テントを背負っているとは言っても荷物は10㎏程度に抑えられているので普通に降りていける。岩などに引っ掻けないようにだけ注意。私はザックの外に色々と付けることは極力しないようにしている。不注意で落としてしまったり、引っかけてバランスを崩してしまうと大変だからだ。荷物は出来るだけシンプルに、基本はザックの中に全て収まるようにしたい。
15時20分、穂高岳山荘に到着。初日の全行程が終了。
コースタイム7.8km-8時間40分(休憩含まず)に対し、実際の歩行時間は8時間25分(休憩含め)だった。
休憩を取りながらもほぼコースタイムの合計通りに歩けたのでまずまずだった。
徐々に埋まりつつあるテン場だったけれども、まあまあの場所を確保することが出来た。
穂高岳山荘のテン場は公称30~40張り。それほど広くない。テントを担ぎ上げたはいいものの、結局張れる場所がなく山荘素泊まりとなる人もいるという。
テント泊宿泊料は1人1000円。水・トイレ使用料込み。
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山小屋、テン場で過ごすノンビリした贅沢な時間
山小屋に到着し、テン場でテントを設営し終わった後のあのホッとした時間。
気持ちも体も全身から力が抜けて緩んでいく幸せなひと時。
その時間がとても気持ちがいい。
テントを張り終えて一旦山荘へ。この間にも奥穂高岳への岩場は登る人、下りる人の姿が。よくもこんな所をと我ながら思う。
山荘内は次々到着する登山者が受付をし、一方で先行して到着した人達が思い思いに寛いで歓談していた。とても好きな時間と空間だ。
それにしても穂高岳山荘は日本で最も進んだ山荘だろうと思う。一瞬ここが3000mの稜線上にあるとは思えない。
水が無料というのももちろんありがたいが、いよいよカード決済も出来るようになった。山の上でカードが使えるなんて。凄い。
1本500円だったか??それでもビールに手が伸びる。カップラーメンとビールで祝杯をあげていると、近くの女性の単独の登山者の方と会話になり色々とお話をした。全く知らない人ともすぐに打ち解けて話せるというのも面白い。
小屋内が混んできたので外のテラスへ。日差しがありまだそれほど寒さは感じない。
常念岳がカッコいい。絶景を満喫しながらビールを飲み寝転ぶ。
もうこの日は歩かなくていい。後はユックリこの空間を楽しむだけでいい。贅沢な時間が過ぎていく。
日陰になると急に寒くなりはじめ、急いでテントへ戻った。風は弱いものの冷え込みそうだ。
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地味にコッヘルを変更した。チタンコッヘルで今までのものよりも小さく軽い。110缶がピッタリ収まるが、プリムスのP153が内部に収納できない。一考の余地がある。
山は燃えるだろうか。気になってテン場を少し上がってヘリポートへ。そこから見る空と笠ヶ岳のシルエットが美しかった。ちょうどいいぐらいに雲が出てくれていて期待が持てる。
この日の晩御飯はモンベルのリゾッタにコンビニで買った「ルーロー飯」をブッカケて食べた。これが単純ながらとても美味しかったのです。
価格:421円 |
お腹も満たされ、気分的にはもういつでも寝れるという状態だったのですが、この後にこの日最高の瞬間が訪れるのでした。
続く
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