奥穂高岳|北アルプスの大パノラマ広がる頂から吊尾根へ【後編】

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こんにちは、みーパパ(@mepapa388)です。

この週末は「ふもとっぱら」で綱引きや玉入れを楽しんできました(笑)そう「ふもとっぱらでそとあそび」に参加してきました。毎年楽しみにしているゆるいキャンプイベント。晴天に恵まれた2日間の模様はまた後日。

さて晩秋の涸沢で紅葉を楽しみ、穂高の稜線を歩いた2019年10月の山歩き。雨に濡れた涸沢の紅葉の美しさに見とれたまま寝入ってしまった初日【前編】に続き、今回は秋空の下で天空の岩稜歩きから頂へ。北アルプスの大パノラマに心躍った2日目の様子を書き残しておこうと思います。

雲海を抜けて奥穂高岳の頂へ

雨のちモルゲンロート

目が覚めるとまだテントの中は真っ暗闇。寝坊はせずに4時のタイマーの少し前に起きることが出来ました。テントの外から頭を出して外を覗き込むと、ヘッドライトに反射してガスが真っ白く目の前を覆いました。

取り合えずお湯を沸かし、フリーズドライのご飯と味噌汁という質素な朝ごはんを準備します。雨は何とかなりそうなものの、何とかガスが晴れてくれればと願いながらの暗闇での朝食。

気が付くといつのまにかテントの中も薄っすらと明るくなってきました。外を覗くと、目の前のテントのフライシートがベッタリとインナーに張り付いています。強い雨が降り続いたのだなと思いました。と同時に、北穂高岳の上には薄っすらと青空ものぞき始めています。出発を急がないと。

雨が降っていたこともあり、気温は思ったよりも下がらず、5度程度だったと思います。シュラフはナンガUDD380DXで丁度いいくらいでした。

超撥水ダウンを使用した水濡れに強いダウンシュラフ。一晩中降り続いた雨の中、テント内には一部浸水もありましたが、問題なく朝までグッスリ眠ることが出来ました。ナンガの中でも非常に幅広いシーズンで使えるのがUDD380DXだと思います。

前日見ることが出来なかった常念岳方面からはガスが流れてきていましたが、次第に空が見えてくることがハッキリと分かるような雲の動き。期待して良さそうです。

食事を手早くとり、テントを急いでしまい終えると、背後にモルゲンロートが広がっていて思わず一枚。片付けの進むヒュッテのデッキでは、多くの登山者がモルゲンロートを楽しまれていました。

さて、ではまずは奥穂高岳へ向かいましょう。

眺望最高パノラマルートでザイテングラート取り付き点へ

ヒュッテから奥穂高岳へは主に二つのルートがあります。一つは一度涸沢小屋を経由して穂高岳山荘へ続く岩峰ザイテングラート取り付き点へ至るルート。こちらは紅葉の樹林帯を一部通り抜けるルート。もう一つはヒュッテ脇から石畳道を進み、同じく取り付き点へ至るパノラマルートと言われるルート。どちらもコースタイムは1時間30分ほどと同程度。今回はカール中央部を通り抜けるパノラマを選択。

出発は午前6時過ぎ。写真右端にヒュッテ、中央にテン場が少し見えます。歩き始めは寒い!

朝まで残った雨の粒か夜露によるものか、真っ赤に染まったダケカンバの葉も濡れていて、赤が際立ち綺麗でした。目指す奥穂高岳に朝陽が差し込みます。

石畳が綺麗に整備されたパノラマルートを振りかえると、前穂高岳方面から朝陽が差し込み、気温がグッと上がり始めました。

ガスが湧くものの、太陽が当たった部分より上には上がってきません。

ザイテングラートはまるで天国への階段

7:04 歩き始めて1時間ほどでザイテングラート取り付き点へ近づいてきました。常念方面から眺めると、何て急傾斜な登り何だろうと思えるのですが、近づくとそれほどでもありません。ただし油断は大敵。ここからはヘルメットを装着して三点支持で確実に行きましょう。

取り付き点付近の大きな石のガレ場を乗り越えると少し平坦地に上がります。そこからはひたすら岩場を登り詰めます。左右が切れ落ちている場所もあり、鎖やハシゴも一部出てきますが、気をつけて進めば危険な場所は多くありません。

今回は結構浮石が多かった印象。

グングン標高を上げていきます。雲海を突き抜けると、視線の先に常念岳の山頂部分がぽっかりと浮かんでいました。

振り返って。まるで天国への階段を上っているよう。

こんな感じの岩場が続きます。この日はすれ違いや渋滞もなく、マイペースで進みます。それでも自然崩落の落石が時折物凄い音を立てて脇のカールを落ちていきます。巻き込まれたら命はないでしょうね・・・。

右へ左へルートを取りながら、岩場を一心不乱に登っていくと、「ホタカ小ヤ20分」の文字。穂高岳山荘はもう目前です。

お疲れさまでした。ヒュッテを出発してちょうど2時間で穂高岳山荘へ到着です。時間は午前8時、掃除中の山荘はひっそりと静まり返っていました。

北アルプス大展望~奥穂高岳の頂へ

山荘前テラスには朝陽が降り注いでいるものの、風が吹き抜ける3000ⅿの高所。あっという間に体が冷えていきます。急いで手袋をしても、指先の痺れが冬山のそれを久しぶりに思い出させます。

眼下には雲海が広がり、2時間前までいた涸沢の様子は分厚い雲に隠されて見ることが出来ません。

山荘の脇から続く穂高岳へのルートには、4名のパーティーがすでに取り付いています。私は朝テントで作っておいたフリーズドライ米の袋を手に持ちながら、アンザイレンされた4人が登っていく様子を眺めていました。どうやらアイゼンも装着しながら登っている様子。前日降った雨が凍っているのでしょうか。ザックに忍ばせておいたチェーンアイゼンをいつでも装着できるようにザックの上部へ移動させました。

8時30分、到着から30分もの大休止となってしまい、身体はすっかり冷え切ってしまいました。さあ出発です。

山荘から垂直に登っていくようなスタート地点の壁。取り付いてみると足場がしっかりあり、ススっとそれほど不安なく登っていけます。それでも、山荘側を振りかえるとなかなかの高度感ですね。

涸沢岳。日本7位の高峰でしたか?ここに来るといつも思いますが、よくもまあこんな場所に小屋を作ったものだなと感嘆します。

山荘からすぐの壁を登り終えると、ザレた小さな岩が敷き詰められたようななだらかな場所に出ます。ここまで来ると一安心。振りかえると遠くに槍ヶ岳も見えます。ここからの景色カッコいいです。

奥穂高岳山頂までは岩だらけの稜線をもう少し進むのみ。しかし強い風が吹き指先が凍るように冷たい。

雲海に浮かぶ槍ヶ岳から伸びる長い稜線。これを書いている頃にはすでに雪に覆われ始めていますが、来年はまた歩きたいと思います。

足元は凍結していないものの、霜柱がしっかり成長していました。冬はもう間近。

緩やかな傾斜を登り、360℃視界の開ける場所まで上がると、突如飛び込む不気味な岩のお化けのような岩峰。ジャンダルム登場です。

雲海から突き出た岩の塊は独特の存在感。まだ歩いたことはないのですが、来年行こうかどうしようか(笑)。

9時過ぎ、無事に奥穂高岳山頂到達しました。標高3190ⅿ、日本三位の高峰です。

先行していた4人パーティーの方に撮っていただきました。寒くてですね(笑)撮ってもらって、すぐに日の当たる風のない場所へ移動しました。3回目?4回目?の奥穂高岳でした。

山頂直下の休憩所(笑)。ここは風が入らなくて天国のような温かさでした。ここでゆっくり腰をおろし、360℃の大展望を眺めながら大福をいただきました。疲れた体には甘いものが最高です。

大キレット、槍ヶ岳方面

白山??ちょっと山座同定が出来ません(笑)

ジャンダルム

これから歩く前穂へ続く道。その道は雲海に沈んでいくように続いています。

ここでしっかり大休止。というか下りるのが勿体なくて、それほど素晴らしい日に日本第三位の高峰にいられたことに感謝して、動けずにいました。それでも下りなければまた登れません。あきらめて下山へ(笑)

雲海に浮かぶ天空の縦走路「吊尾根」を歩く

雲上の吊尾根を前穂高岳へ歩く

奥穂高岳の山頂でゆっくり休憩をとった後は、この日のもう一つのメイン、奥穂高岳から前穂高岳まで伸びる吊尾根を歩く天空の縦走路。

先に出発した4人パーティーを追いかけながら歩いてみたいと思います。ちなみに、吊尾根を前穂側から歩いたことはあるのですが、奥穂側からは初めてです。

奥穂高岳の頂からまずは岩屑の道をゆっくりと下りながら前穂高方面へ。上高地から眺める吊尾根は緩やかな曲線を描いて穏やかな道のように見えますが、実際には激しい下りもあるなかなかのルート。ただしそれほど危険な個所はなく、岩稜歩きに慣れていれば楽しみながら歩けます。

右側に落ちると大変なことになるのは勿論ですが。

しばらく行くと、スラブ状の岩に一本の鎖。写真ではわかりにくいのですが、結構下ってます。

足をひっかけたりしないように慎重に。鎖に頼らなくても下れます。

下り切って振り返ると、先ほどの4人パーティーが下りに取り掛かっています。

吊尾根から雲の下の涸沢を眺める

さらに進むと左手に涸沢を一望できるような場所へ。左手に少し身を乗り出すと、昨晩過ごした涸沢が雲の間に小さく見えていました。

振り返って奥穂高岳方面。険しい。

険しいし神経を使いながら歩くのですが、何と言っても素晴らしい日に登れたことの嬉しさで足取りは最後まで軽やかでした。

次第に近づいてくる前穂高岳。

前穂高岳もカッコいい山です。この日は風がとても強く、ガスをまとった姿がまたいい。

天空の縦走路です。

数名の方とすれ違いましたが、大半が女性のソロ登山者でした。気を付けて。

もう少し、もう少しだけ歩いていたい。そんな思いを持ちながらもとうとう紀美子平へ到着。午前10時40分、涸沢出発から4時間40分です。

重太郎新道下りはスリリングで楽しい

奥穂高岳さようなら。

今回は前穂高岳はパスしました。特に理由はないのですが、何となく早く帰りたかった?んですよね(笑)。ここからは重太郎新道の下り。登りも非常にキツイ登りですが、下りもまたなかなか。

核心部は冒頭に登場する一枚岩にかかる鎖でしょうか。ツルっとした岩の上にザレた石屑が乗り、何度か足を滑らせながらも鎖に助けられながら下りました。

振り返ると、まるで垂直な登り下りに見えます。

その後も急な下りが延々と続きます。とにかく長い。カモシカの立場を過ぎたあたりで前穂高方面を振りかえると、まるで壁の様に聳え立っていました。

締めくくりは紅葉の岳沢へ

ようやく樹林帯の中に突入すると、そこは紅葉の残る別世界でした。

緑、黄色、赤に白・・・

鎖や長い梯子を何度も何度も下ります。次第に色づきを増す周囲の草木。

足元に真下へ下る長い階段が現れると、見事な紅葉の絨毯に敷き詰められた岳沢パノラマ。涸沢のそれに見劣りすることもないような素晴らしい景色が目の前に広がります。

紅葉に彩られた中を九十九折に下りていくと、赤い屋根の岳沢小屋が黄葉の中に目の前に近づいてきます。

お疲れ様でした。12時9分、岳沢小屋に到着です。

わき目もふらずにコーラとカレーを注文しました(笑)カレー美味しかったです!山で食べるカレーの何と美味しいことか。

岳沢の紅葉もいいとは聞いていたものの、こんなにも素晴らしいとは思っていませんでした。来年も是非訪れたい景色になりました。その時には青空と輝く紅葉を見れたらと期待です。

たっぷり20分以上休憩し、名残惜しいものの岳沢小屋を後にします。

鬱蒼とした樹林帯の中をひたすら駆け下ります。

岳沢登山口へ到着したのは13時29分。最後は観光客で賑やかな上高地へ向けて遊歩道を歩き、河童橋のたもとでソフトクリームを食べてこの山旅も終わりとなりました。

上高地から奥穂高岳~吊尾根~岳沢~上高地へテント泊周回まとめ

序盤は厳しい天候の中での登山。それでも雨に濡れた涸沢の紅葉は幻想的な雰囲気を醸し出し、印象に残る瞬間を見せてくれました。2日目の雲海広がる奥穂高岳、天空の縦走路「吊尾根」の歩き・・・晴天の中、静かな穂高を歩けたのは贅沢な時間でした。

2日間とも心に残る景色を見ることが出来た今回の山旅。これからも季節も変えながら何度でも歩きたいと思える、そんな最高のルートでした。

今回の風景を撮影した道具

今年発売されたマイクロフォーサーズの新しいレンズ。画角10mm-25mmのズームレンズでありながら、f値1.7という驚きの性能。サイズは確かに大きいのですが、登山で使えないサイズではなく、今とっても気に入っているレンズです。カメラやレンズに詳しくはないので、あまりレビュー記事も書けませんが、機会があれば使ってみた感想を書いてみたいと思います。

 

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