【登山】鹿島槍から八峰キレット越えて五竜岳~1泊2日テント泊縦走(1)
最終更新日 2023-12-052019年夏の終わり、扇沢から爺が岳、鹿島槍ヶ岳、八峰キレットを越えて五竜岳へ至るルートを歩いてきました。
後立山連峰の山はどこも大好き。
もう2020年になってしまいましたが、何かの参考までに。
目次【お好きなところから】
八峰キレット縦走ルートの紹介
八峰キレット(はちみねキレット)は、北アルプス後立山連峰の鹿島槍ヶ岳と五竜岳の間にある場所。富山県、長野県の県境に位置しています。
キレットというのは山の尾根のⅤ字状に切れ込んだ場所のことで、一般的に「難所」と言われることが多いですね。
大キレット(穂高岳(北穂高岳)-槍ヶ岳(南岳))、不帰キレット(唐松岳ー白馬岳(天狗の頭))と共に日本三大キレットの一つに数えられる八峰キレットは他のキレットと同様に鎖場やハシゴが連発し、通行には細心の注意を必要とするのですが、だからこその絶景と歩きごたえがあるんですよね。
五竜岳は長男が小学5年生の時に一緒に上った山。思い入れの強い大好きな山の一つです。
鹿島槍ヶ岳~五竜岳 ルート詳細
鹿島槍ヶ岳と五竜岳の間にある八峰キレット。もちろんどちらから歩いても八峰キレットなわけですが(笑)、今回は鹿島槍ヶ岳方面からアクセス。
総距離は約24km、コースタイムは19時間37分。1泊2日でも歩けますが、ガイド本などでは2泊3日が推奨されています。今回はテントを背負って1泊2日です。
今回結果的にとったコースの標準コースタイムは以下の通り。
扇沢~冷池山荘テン場 1日目 5時間57分 / 7.7km
04:30柏原新道入口 -(1時間20分)-5:50ケルン -(2時間30分)-8:20種池山荘 -(57分)-9:17中峰 -(1時間 -10:17冷乗越 -(10分 -10:27冷池山荘(1泊)
鹿島槍~五竜岳~下山口 2日目 13時間40分 / 14.6km
04:10冷池山荘 -(1時間20分)-5:30布引山 -(50分)-6:20南峰 -(40分)-7:00北峰 -(2時間)-9:00キレット小屋 -(1時間)-10:00口ノ沢のコル -(30分)-10:30北尾根ノ頭 -(2時間30分)-13:00 2798m地点 -(3分)-13:03五竜岳 -(2分)-13:05 2798m地点 -(40分)-13:45五竜山荘 -(1時間30分)-15:15大遠見山 -(1時間20分)-16:35小遠見山 -(1時間)-17:35地蔵ノ頭 -(15分)-17:50アルプス平駅
扇沢から出発し、初日の宿泊を鹿島槍ヶ岳手前の冷池山荘テン場にしましたが、小屋泊であればキレット小屋まで足を延ばすのが一般的?
実は当初はこの先の唐松岳、不帰キレットを経て猿倉までつなげて1泊2日で歩こうと思っていたのですが、初日であえなく断念しました(笑)。理由は本文で。
初秋の後立山連峰(鹿島槍ヶ岳~五竜岳)を歩く(初日)
2019年夏の一つの目標にしていた鹿島槍から八峰キレット、不帰キレットを通して歩く計画。
8月31日から9月1日、夏の終わりに歩いてきました(扇沢から五竜岳までですが)。
扇沢・柏原新道登山口
登山口となる扇沢駅
扇沢駅(標高1433m)は、長野県大町市にある、関西電力が運営している関電トンネル電気バスのバス停留所である。 かつては関電トンネルトロリーバスの鉄道駅であったが、2018年11月に鉄道事業廃止、翌2019年4月より電気バスに転換され、当駅は事実上の「自動車駅」となった。
( ウィキペディア)
到着したのは午前4時頃。夏とは言えまだ真っ暗闇。立山黒部アルペンルートの長野県側の出発地にもなっていますが、この時間ではまだまだヒッソリと静まり返り、川の音だけがひときわ大きく聞こえていました。
扇沢駅から少し戻った「柏原新道入口」まで移動し、道路脇の駐車スペースに車を停めます。本当は仮眠をしたかったのですが、予定では五竜山荘まで歩き切ってしまおうと考えていたので、コンビニで購入したパンを食べてすぐに出発です。
標高差1,000mの柏原新道
柏原新道登山口 4時30分
「新道」名の付く登山道はキツイと言われるようですが、柏原新道は整備が行き届いていて歩きやすい。蒸っとした空気の中を階段状になった登山道をヘッドライトの明かりだけを頼りに。
左手には暗闇の中に光る扇沢駅がハッキリと。ヘッドライトが動いて登山準備が進んでいることが見て取れます。
暑い・・・
午前5時40分 朝焼けに照らされた針ノ木岳
柏原新道は危険個所はどこにもないものの、最初の目的地になる尾根上にある種池山荘までは標高差で約1,000m。標高が上がってくるとヒンヤリした空気が体を包んで気持ちい。でも結構シンドイ(笑)それでもこれはまだまだウォーミングアップ。
種池山荘から爺ケ岳
午前6時30分 視界が開け、視線の先に赤い屋根が飛び込んできました。最初の目的地となる種池山荘に到着。
ユックリ登ってきたと思っていたら、コースタイム3時間50分を2時間で歩けていました。ただ眠い・・・(笑)
何度か来ているものの、一歩も足を踏み入れたことのない種池山荘。そういう小屋って何故かあります。入りたくないわけではないのですが、到着する時間がいつも早すぎて、どうしても通過ポイントになってしまう場所。
今回は休憩しましょう。
ザックは山と道のMINI。テント装備を詰めても9kgぐらい。
針の木岳方面の稜線を眺めながら山荘前のベンチで食べるオニギリが最高。実はこの日の天気予報はあまり良くなかったのですが、外れてくれました!
30分程ノンビリして出発。
種池山荘の周りはチングルマの群生地。
爺ケ岳へは緩やかな登り。振り返ると種池山荘と雲に隠れた剱岳。
午前7時47分 爺ケ岳到着
写真では穏やかそうに見えますが、かなりの強風です。ファイントラックのフロウラップを羽織ってちょうどいいぐらい。
しなやかで、適度な撥水性もあるずっと着ていられるミッドシェル。
冷池山荘でギブアップ
それでも風に吹かれ続けていると流石に寒いので、すぐに次の目的地である冷池山荘へ。爺ケ岳南峰からは約1時間10分ほど。
稜線上に赤い屋根の冷池山荘が見えています。
鹿島槍ヶ岳がグッと大きく迫ってきます。稜線に強い風が当たって次々と雲が沸き上がっていました。
振り返って爺ケ岳とそこから延びる稜線。
鹿島槍ヶ岳もカッコいい山です。
午前9時 冷池山荘到着。
泊ったことはないのですが、とても立派で清潔感漂う山小屋です。
快適テント泊生活
まだまだ時間は早いのですが、あまりの眠気でもう倒れそう・・・(笑)。仮眠を取れなかったのがダメでしたね。ということでアッサリここでテン泊決定です。
小屋からテン場までは登りで5分ほど。トイレは小屋横にしかないので行ったり来たりが面倒ですが、景色は最高。目の前には剱岳が。
カミナドームをサッと設営完了です。
マットは軽量化のためニーモの半身用と山と道のミニマリストパッドを併用。
岩稜歩きでも夏場はスポルティバのシンセシス。軽くてゴアテックスサラウンドが蒸れ知らずで快適。
昼食は小屋のカレーとビール!最高(笑)
テント泊ですが積極的に小屋の食事を利用します。単独行ですし、食事ぐらいは出来るだけ豪勢に。とは言っても重くするのは辛いので小屋ご飯はありがたい存在。これはこれでいいんじゃないかなと思います。
食べて寝て食べて・・・山の上でノンビリ何もせずに至福の時です。移り行く景色の色合いを見ながら本当にボーっと。
山の上で飲む冷たいビール。山小屋ありがとう!
でもビールを飲むと当然トイレには行きたくなるわけで、何度かテントとトイレを往復(笑)
時間とともに雲の比率が多くなってきました。
気温もぐんぐん下がってきます。いい色に空が染まりました。ちょっとノイズが・・・
シュラフはナンガの「UDD380DX」。我が家のシュラフの中で最も出動回数が多いシュラフです。北アルプスの秋の始まりはもう結構寒いので、しっかり保温性もありながら、軽量コンパクトなバランスのいいモデルです。
何もやることがないので早々に寝ます。贅沢ですよね。寝るなんて言っていますが、実は翌日の天気が気になってなかなか眠れなかったのです。翌日は3時台に出発して八峰キレットを越えて行こうと思っていましたが、雨の可能性もあるとのこと。初めて歩く岩稜帯なので、出来れば晴れて欲しいですね。
何とか持ってほしいと祈りながら眠りました。
初秋の後立山連峰(鹿島槍ヶ岳~五竜岳)を歩く(二日目)
翌朝、3時半に目を覚ますと周りはすっかりガス・・・。少し考えましたが、行けるところまで行くことに。サッと朝食をとってテントを畳みます。
4時10分 冷池山荘テン場出発
暗闇の中をヘッドライトの明かりを頼りに進みます。道は一本道で分かりやすく整備されているのでまず迷うことはありません。鹿島槍ヶ岳南峰まではコースタイムで2時間10分。
今にも雨が降り出しそうな中なのでノンビリと行きましょう。鹿島槍の前衛峰である布引山を越えるとすぐ目の前は鹿島槍。少しずつ明るさが広がる空は雲で覆われているものの、何とか持つか???
鹿島槍ヶ岳山頂から朝焼けに染まる山々を望む
午前5時3分 鹿島槍ヶ岳南峰到着 標高2,889ⅿ ガスガス・・・。
しかし、しばらく待つとガスは徐々に切れはじめ
朝日が差し込む前の短い時間の淡い色に見とれてしまいました。
歩いてきた爺ケ岳方面。
これから歩く八峰キレットと五竜岳方面。
午前5時18分 日の出
ブルブル震えるほど寒かったのに、太陽が出たとたんに生き返るような温かさに包まれてホッと。
さあ行きましょうか。
八峰キレット編へ続きます。
最新情報をお届けします
Twitter でみーパパをフォローしよう!
Follow @msn614
この記事へのコメントはありません。