鷲羽岳・水晶岳へ新穂高からテン泊ピストンーー雨と霧と一瞬の夏空と(2)

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今週末もパッとしない雨混じりの天候で、何とも気分が晴れない私です。

天気ばかりはどうにもなりませんから、青空と白い雲を待ち望みつつ、6歳になったばかりのみぃ君とキャンプにでも出かけようかと思っていたのですが、金曜夜から久しぶりの発熱でダウンするみぃ君。今週は仕事が忙しくて夜間保育の時間も多かったからかもしれません。ゆっくり過ごす週末としましょう。

事故から3年、7月20日という日

本編に入る前に。

2016年の7月20日、小学校6年生1学期の終業式を迎えた当日。市民プールの無料開放日の帰りに交通事故に遭った長男みー。

警察からの電話連絡を受け、運び込まれた国立病院に駆けつけた時、包帯に巻かれICUのベッドに横たわるみーの姿とうめき声は3年経っても忘れることは出来ません。事故後、先生方や看護師さんに支えられ、学校の友達や保育園時代からの友人達からも沢山の応援をもらい、長い入院生活を経て無事に小学校を卒業し、そして早くも中学3年生。高校受験を控えるみー。

成績に一喜一憂しながら、彼なりに頑張る姿を親としては静かに見守るしかありませんが、ただ一つ、沢山の方々に支えられた命あってこその今があることを、決して忘れて欲しくないということを必ず伝える日。我が家の7月20日はこれからも特別な一日だと思います。

みーは元気にしています。しかし頭部を強く打ち、脳損傷を伴う事故だったため、「高次脳機能障害」が疑われています。このような場合、自賠責保険の等級審査の対象になるということですが、書類提出から1年経った現時点でも結果待ちの状態が続いています。事故のこと、命の大切さは忘れてはいけないと思う一方で、もう相手側との色々なことは決着させたいという思いのまま、終わらない3年目の夏を今年も迎えることになりそうです。

西暦2019年7月 インソール事件発生(笑)

では新穂高から鷲羽岳、水晶岳への山歩き本編です。初日の記録はこちら。

初日、新穂高から歩き始めて三俣山荘に到着しました。実は途中から何だか違和感を感じながら歩いていたんです。いつもよりも右足が靴の中で動く・・・というかブカブカなんです。

テントを張り、荷物の整理をするために靴を脱いだ時に思わず「アッ!」と本当に声が出てしまいました。何と右の登山靴の中にあるはずの「インソール」が・・・ない!

新穂高から双六小屋を経由して三俣山荘まで、中敷きの無いブカブカの靴で歩いていたことになります。どうりで岩の角に乗ったりしても足裏への衝撃がいつもより強く感じたはずです。

この時履いていたのはスポルティバの「ストリーム」。「シンセシス」の後継の軽登山靴。ゴアテックスサラウンドの換気の良さで足が蒸れることなく、軽くてとても快適な登山靴として気に入っています。

前日の夜、電気をつけずに暗闇でインソールの取り換えをしていた時に入れ忘れたようです。(※帰宅後確認すると、自宅の靴箱の上にポンと置いてありました)。

登山を中止せざるを得ないような結構致命的な忘れ物ってたまにあります。例えば、雪山でグローブを忘れるとか、そもそも登山靴を忘れて上高地まで入っちゃったとか・・・。インソール忘れは私にとってはこれと同じぐらい重大事件。登りはまだいいにしろ、下りでブカブカの靴のままだとまず間違いなく足が血まみれになってしまいます。

ガスに覆われているとはいえ目の前には鷲羽岳、水晶岳が迫っています。テントの中で横になりながら、とにかく2座登り、三俣まで下りて来た時に考えることにしました。

2019年7月「インソール事件」 ← これテストで出ます!嘘ですけど。

テント泊装備も夏山仕様へ

高地では夜間喉がよく乾きます。普段はハイドレーションを一度ザックから抜き取っていつでも飲めるようにしておくのですが、今回はザックに入れたままに。そのせいかマットの足りない分を補っている足部分の下に敷いているザックのクッション性が良く、よく眠れました。

代わりに枕元にはプラティパスソフトボトル0.5Lを一本。重量わずか20ℊと軽量・コンパクト。ペットボトルよりも仕舞寸が小さくて気に入っています。

マットのザック外付けが嫌いなので、使うのはエアータイプの「テンサー20S」。バックアップとして山と道の「ミニマリストパッド」(53ℊ)を併用。

シュラフの選択だけは若干失敗。ナンガの「UDD380DX」を持って行ったのですが暑すぎました。雨で体が冷えるかもしれないと思っての選択でしたが、これも経験。「180DX」にすれば良かったです。

鷲羽・水晶はガスの中

翌13日、起床は3時00分。テントには雨が当たる音はせず、風もほとんど感じません。真っ暗な中を入り口を開けて外を覗くと、予報通りの濃い霧に辺り一面覆われていました。

お湯を沸かし、味噌汁やご飯を食べた後、雨具などだけをザックに入れ、それ以外はドライバッグに詰め、テントを撤収。テン場からすぐの三俣山荘まで荷物を運び、指定の場所に荷物をデポして身軽な体でいざ出発。時間は3時45分でした。

鷲羽岳山頂はガスの中

山荘から鷲羽岳山頂へはコースタイムで1時間30分。山荘を出てハイマツの中をしばらく歩き、すぐに取り付きへ。そこからはガレた登山道を緩やかに登っていきます。

少しずつ明るくなってくるものの、濃いガスは相変わらずで、景色はほとんど望めません。

こんな感じですね。テン場では感じなかった風も山頂が近づくにつれて若干強くなりはじめ、寒さを感じます。

真っ白でほとんど見どころがないまま、4時51分に標高2924ⅿ「鷲羽岳」山頂到着。辺りには誰も居ません。もちろん何も見えないので、記念撮影だけして先へ進みます。

水晶岳山頂もガスの中

鷲羽岳から水晶小屋を経て水晶岳山頂までは約2時間10分。途中こんな感じの岩場を抜ける区間もありますが、基本は歩きやすい登山道。これが晴れていたら綺麗な景色なんだろうなと思いながら、濃いガスの中を修行だと思って歩きます。インソールのない登山靴は何とか大丈夫そうです。

ワリモ岳山頂直下を経てワリモ北分岐へ到着したのは5時32分。ここまで来て水晶小屋へ泊ったという登山者と数人すれ違いました。ここ北分岐からは雲ノ平や黒部源流へも足を延ばせます。

こじんまりとした水晶小屋へ到着したのは6時ちょうど。弱い雨が降る中、入り口前のベンチで荷物を下ろしていると、ガラッと扉が開いてスタッフの女性が出てきて時計を見ながら「わあ!」と驚かれました。そんなに早いつもりは無かったのですが、早いですね~とのこと。晴れていれば大いに賑わっていたんでしょうけどね・・・残念です。そんな話をしながら、小屋から40分の水晶岳へ向かいます。

こういう手作りの分岐って和みます。たまに壊れてますけどね。気づいたときは直すようにしています。

すぐに岩場の連続帯へ。写真の奥の岩峰は偽ピーク。本当のピークはまだ先です。ガスで霞む景色もなかなかよろしい。

ちょっとだけ木製の階段が出てきたりします。気持ちガスが切れてきたような・・・

山頂まであと僅か、やっぱりガスが濃くなってきた。

6時44分、標高2986ⅿ 水晶岳登頂です。お疲れさまでした。山頂部はとても狭く、ゴツゴツした岩ばかり。おまけに何も見えないし、寒いしということですぐに下ります。

正直、今回はもう展望は諦めるしかないなと思っていました。

水晶小屋でノンビリ休憩が良かった

折り返しの道はユックリと。ガスがかかりつづけそぼ濡れるお花、山名の由来となった水晶?らしきものを見ては感心したりしながら、水晶小屋へ。とても気持ちの良い山小屋のようだったので、休憩を楽しみにしながら下るのです。

真っ白な中、無事に水晶小屋まで下りてきて、温かい小屋の中で休憩させていただくことに。三俣山荘と同じく、ヘリが飛ばないということで物資もごく僅か。売店の品物は越冬商品で賞味期限も切れてしまい、セール中になっていました。

ココアを注文して手持ちの大福と一緒にしばし休憩タイム。

この時間が後からの絶景との遭遇の時間調整となりましたね。今思えば。ありがとう水晶小屋!(笑)

夏山は青空と白い雲が似合う

30分ほどユックリ休憩し、水晶小屋を後にしました。外は相変わらずのガス・・・。

景色は諦めてトボトボ。アップダウンを繰り返しながらユックリ下ります。

そう思っていたら、ワリモ岳付近から少し明るくなってきたような?

そうこう思っている内に突如の青空!一瞬?と思いきや、見る見る青の面積が広がっていきます。

前を歩く方と思わず「切れましたね!」と喜び合います。

ガスが切れた水晶岳・雲ノ平の景色に見とれる

振り返ると、いま登ってきた水晶岳の全景が雲の中から薄っすら見て取れるように。

左からの強い風に一気にガスが切れていきます。

一瞬の山岳ショー。これがあるから山歩きはやめられません。本当に幻想的で美しい一瞬でした。

まさに雲ノ平。

鷲羽岳からの鷲羽池と槍ヶ岳の絶景

そして、この日二度目の鷲羽岳。青空の山頂ゲットです。

奥の槍ヶ岳方面までスッキリ晴れわたり、歓声が沸き起こっているだろうなと。

来るときはガスの中で全く見えなかった鷲羽池。この景色が見たかったのです。標高の高い場所にこれほどの池の存在って凄いですね。槍ヶ岳と鷲羽池、神秘的な景色に見とれてしまいました。

そうこうしているうちにあっという間にまたガスが湧き始め、青空は消えてしまいました。わずか1時間ほどですね。

下って行く最中に、NHK北アルプスドローン大縦走の撮影に来ていた写真家の西田省三さんにお会いしました。次の放送は8月5日とのこと。楽しみです。

改めて鷲羽岳。綺麗な山ですね。ここまで遠くなければ、もっと人気が出るであろう山ですが、一方で誰でも気軽に来れないからいいのかもしれませんね。

雨・インソール忘れ・・・下山の決断

9時30分、三俣山荘まで戻ってきました。

まずはデポしておいた荷物を受け取ります。

山荘入り口付近の階段下が荷物置き場に指定されています。今回は大型のドライバックをザックの中に入れるスタイルだったので、他の方の荷物に埋もれたドライバックを発掘します。

こちらの小屋もとても綺麗で気持ち良さそうでした。特にトイレと水場がとても綺麗で驚きました。

さて、問題はこれからどうするかです。やはり下り区間に入り、インソールがないことで指先が痛み始めました。足が滑るんですね。手持ちのクリームなどを塗りなおすために靴下を脱ぐと、赤くなってきています。間違いなく水膨れになりそう。

当初はこの後は黒部五郎岳を往復し、双六のテン場でもう一泊、翌日は笠ヶ岳から笠新道を下りて下山と思っていたのですが、この日の天気予報も午後からは雨、翌日も雨。雨の中、インソールなしで歩くのは楽しくないなと、この日のうちに下山することにしました。

さようなら三俣山荘、鷲羽岳。また来ます。多分。

二度目の三俣蓮華岳

巻道でも行けたようですが、ガスっていない三俣蓮華岳をゲットしに中道へ。巻道の方が圧倒的に楽ですが。

絵になる山です。

双六の分岐地点まで急ぎ足で戻ってきました。

心残りを吹っ切った双六小屋

双六小屋は連休初日ということもあって、前日よりも混んでいました。

昼前だったので五目ラーメンをいただきました。実はまだ気持ちは揺れていたんですよね。笠ヶ岳までの稜線歩きならインソールは大丈夫かも。翌日の笠新道下りは・・・まあ頑張れば大丈夫。そんな気持ちでいたのですが、ラーメンを食べているとどんどん雲が分厚さを増し、時折雨粒も。素直に戻ることにしました。

12時50分、出発。双六小屋を振りかえって。恐らくまた来年の夏山シーズンは戻って来るでしょう。

弓折分岐に到着する頃にはすでに稜線はガスに包まれて真っ白になっていました。雨が近づいているようです。山では付きものではありますが、色々な意味でいい経験が出来た登山でした。

鏡平山荘ではかき氷を食べようかと思っていましたが、これまた寒くて断念。

わさび平小屋に到着したのは16時ちょうど。双六から3時間ちょっとですね。

雨が降り出す中、美味しそうなトマトとラムネをいただいて一休み。

さらに45分ほど歩き、新穂高温泉登山口へ下山したのは17時前でした。区間中ほぼ雨かガスの中での登山となり、期待していた展望は残念ではありましたが、それでも一瞬の青空がアルプスの夏を十分に感じさせてくれました。

今週末も生憎の天気となっていますが、本格的な夏山シーズンに青空が広がることを期待して、テント泊鷲羽岳・水晶岳登山の記録としたいと思います。

 

 

 

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