残雪の白山御前峰と紺碧の火口湖巡り~涼を求めて砂防新道ピストン

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昨年の異常な夏の高温に続き、今年は雨の降らない梅雨となっている名古屋地域。北海道で39℃台を記録した5月後半の高温も異常でした。そんな2019年の5月25日、猛暑日が予想されていた名古屋を抜け出し、残雪の白山をノンビリ歩いてきました。

日本百名山、日本三大霊山の一つとしても名高い北陸の名山「白山」。この山に行くときはなぜか猛暑と当たることが多い気がしますが、今回のお目当ては山頂直下にこの時期だけ見ることが出来る半分氷結した火口湖を見ること。主なものとして翠ヶ池や、紺屋ヶ池、千蛇ヶ池などがありますが、過去の山行ではガスに覆われて全く見ることすら叶わなかったことも・・・。

果たして今回はどうなったのでしょうか!いや見れたんですけどね(笑)

失意の有給取り下げが呼び込んだ白山登山のチャンス

意気消沈・・・

5月最後の土日。実は前々から金曜日に職場の有給を申請していました。日曜日は妻が仕事の予定があり、山へ行けるのは金土の二日間だけですが、それでも「有給取って山へ行くぞ!」と仕事場でも公言していたのですが、直前になり職員体制上の都合から有給を取り下げざる得なくなり・・・。かなりガックリして意気消沈していましたが、天候も良さそうだし、土曜日一日だけでも気晴らしに行こうと気持ちを何とか立て直しました。

当初はテントを背負って白馬三山へと思っていましたが、日帰りとなるとどうしようかと思い悩んだ結果、久しぶりに白山へ行こうと思い立ち、金曜日の仕事が終わり、妻の仕事が終わって帰ってくるのを待って日帰りの装備をザックに詰めて夜の高速を一路北へと向かいました。

別当出合まで直通で

名古屋から白山へのルートは色々とありますが、今回は東海北陸道を北上し、白鳥インターチェンジで下道に降り、別当出合駐車場まで車を走らせました。運転時間は約3時間。結構遠いです。

ただし、この時期の特典として、別当出合まで車で入れるというのは大きい。夏山シーズン(土日)であれば手前の「市ノ瀬」からシャトルバスに乗って20分かかるところを直通で登山口付近まで行けるというのはありがたいですね。

到着したのは午前3時頃だったかと思います。クネクネした林道の脇にはピカッと目が光る鹿の親子が出てきたりして、登山気分が盛り上がります。深夜の林道、何が怖いって脱輪と落石を踏むことによるパンク。今まで経験したことはありませんが、注意して進みました。到着後はブランケットを被って仮眠。タイマーは5時半にセットしました。

タイマーの音で起き出すと辺りはすでに明るくなっており、周りの車では登山者が支度を始めています。まずは腹ごしらえと、前日スーパーで買い込んだパンやおにぎりなどの朝食を食べながら、足回りの登山準備を少しずつ進めていきました。

別当出合登山口から白山最高峰「御前峰」まで

駐車場から数分歩き、別当出合登山口をスタートしたのは午前6時でした。

今回のザックは日帰りでもっとも出番の多いワンダーラストイクイップメントの「ミューオンパックエクスペディション」。

猛暑予報の日本列島ですが、川の上にかかる橋を渡る風はとても心地よく、少し肌寒いぐらい。ガタンガタンと音を鳴らせながら軽快にスタートが切れる白山の出発部分は結構お気に入りだったりします。高所恐怖症の方には気の毒ですが。

残雪期白山の様相は刻々と変化~状況判断と自分の実力でコースの選択を

積雪期から残雪期まで、白山には多くの山スキーヤーの方が入られるそうです。ヤマレコなどの記録を見ていても、真っ白な斜面を気持ち良さそうに滑られているのは羨ましくなります。

スキーは全く出来ませんが、その方達のレポートでも雪の状況は刻々と変化していることがよく分かります。北アルプスや八ヶ岳よりも簡単だろうと考えるのは安易ですよね。それらに比べると逆に入山者が少なく、ルートを見失うことがあるかもしれません。いくつかの夏道ルートも残雪期には不向きということもあります。

久しぶりの登山となったということもあり、私は今回は分相応にシンプルに砂防新道ピストンとしました。

砂防新道の夏道ルート平均コースタイムは最高峰の御前峰(2,702m)まで4時間40分、下り3時間の計7時間40分。別当出合の標高は標高1,260mですから、単純な標高差は約1440mほど。今回は山頂からの火口湖巡り約1時間弱を加えた合計9時間ほどのコースタイム(休憩抜き)の山行です。

猛暑が予想されていることから、飲料水はこの時期としは多目の3リットルをプラティパスのハイドレーションに入れて背負っていきました。

出発から急登

写真の端にチラッと転倒注意と書かれたプレートが写っています。橋を越え、しばらく樹林帯を進むと、目の前に壁のような石段の急登が現れます。写真では分かりにくいのですが、なかなか急です。まさに転倒注意。石畳階段を転げ落ちたら大変なことになりそうです。

中飯場というポイントまで一気に登るとトイレと水場が現れます。多くの登山者が休まれていましたが、ここでは休憩せずに先に進みました。

甚之助避難小屋までは夏道が隠れたり現れたり

次の目的地は甚之助避難小屋。非常に立派な避難小屋が2010年に新築されていますが、ここまでのルートの途中から雪が現れ始めました。あくま5月末のこの時はですが。

雪は現れたり消えたりを繰り返しながら徐々に増えていく感じ。アイゼンが必要な状態ではありませんでしたが、あちらにもこちらにも踏み痕があり、ルートを見失いやすくなってきます。何度かルートを確かめながら、薄っすら残る踏み痕や記憶、地図を確かめながら進みます。と言っても、比較的登山者も多くなっている時期ですから、安心感はありますね。

一歩一歩雪の感触を確かめながら歩いていくと、パッと視界が開けてきました。

雪の重みででしょうか、曲がったような恰好で木が生えています。視界が開けた地点まで来ると甚之助避難小屋はもう目の前。

立派な小屋が見えてきました。出発から1時間25分でした。

雪と山肌のコントラストが見事

甚之助避難小屋では持参したおにぎりやお菓子を補給。この時期の登山者の多くはグループ。というか、山での単独登山者はやはり少し肩身が狭いものです。グループで登って来た方達の会話を何となく聞きながら、自らの体調やこれからのルートを再度確認。ここでアイゼンを装着しました。15分ほどの休憩ののち再スタートです。

ここからは雪のトラバース道や急斜面の登りが待っています。残雪期白山登山の最も楽しい部分と言ってもいいかもしれません。

しばらく雪の斜面を登ります。空は雲一つなく真っ青に晴れ渡っています。雪の照り返しも強烈。サングラスをせずに登っている登山者にたまに会いますが、目がやられてしまうのではないかと心配になります。

雪の斜面をせっせと登り、振り返ります。

写真奥に見えるのは別山。右手手前に甚之助避難小屋の赤い屋根も見えています。この時期の別山の美しいこと・・・。今回の登山で見たかった景色の一つが目の前に広がっていてもうここで帰ってもいい気分です(笑)。帰りませんが。

行く手には雪の斜面のトラバースルートが迫ってきます。

いくつかの斜面をトラバース。雪がカリカリになっていれば緊張感も高まりますが、腐り始めた雪としっかりとステップが出来ているので安心感は高いのではないでしょうか。

黒ボコ岩という目印となるポイントの手前に眺めの雪の急斜面が現れます。

振り返ります。小さなお子さんも登っていました。頑張りますね。

いい景色です。

目の前に急斜面の終わりを告げる通称「黒ボコ岩」が現れました。ここまで来ると室堂までもう少し。

雪の中の室堂ビジターセンター

黒ボコ岩を越えると、目の前に広大な平原「弥陀ヶ原」が現れました。もう室堂も御前峰も目の前!なんですが、地味に登りになっていて地味に辛い(笑)。特に最後の「五葉坂」は早く室堂に着いて欲しいという思いも高まって、気が急いてきます。

出発から2時間45分。室堂ビジターセンターに到着しました。まだ本格的なオープンは先。開設の準備が進められているところでした。小屋の脇を借りておにぎりとお菓子で再度の補給。強い日差しがあるものの、さすがに雪の上だけあってそれほど気温は上がらずに助かります。

スタッフの方に伺うと、この2週間ほどで一気に雪が解けたとの事。名物の雪に埋まる鳥居も随分姿を現していました。

さあ、御前峰まではあとわずか。最後の登りには雪は既についていなさそうです。室堂でアイゼンを脱いで出発です。

360度大絶景の白山「御前峰」山頂

最後の登りはほぼ石畳階段。自分のペースではなく階段の間隔によってペースを狂わされるので、とても苦手。とにかく一歩一歩我慢して登ります。もう山頂は目の前です。

2度の休憩をはさみ、出発から3時間40分で白山最高峰「御前峰」へ登頂。お疲れさまでした。

いやー、最後の登りは暑かった!殺人的な日差しが照り付けてきます。モニターをさせていただいたフィザンのストックに頼りながら登りましたよ。

山頂では大絶景が待っていてくれました。

登ってきた室堂方面と別山。

御嶽山??山座同定が超苦手な人・・・。この日は遠くまでよく見えました。

青い宝石のような火口湖を堪能する

そして、今回最も楽しみにしていた火口湖・・・期待にたがわぬ美しさ。

 

まだ完全には溶けていないようですね。

山頂でしばし休憩を取ったのち、室堂とは反対側へ一旦下り、火口湖巡りへ出発します。

これが見たかった!紺碧の火口湖

山頂から急な雪の斜面を一気に下ります。もうこの頃にはグズグズの雪になりはじめていて滑落の不安はありませんね。

火口湖の淵が青白くなっているのは何故でしょう?

側まで寄ってみると

氷?雪?火口湖の湖底に雪か氷かが解けずに残っています。溶け切っていないという方が正しい表現かもしれませんが、何とも不思議な景色が広がっていました。

周りを一周。奥は先ほどまでいた御前峰山頂です。紺碧の火口湖に御前峰の山肌が写って綺麗でした。

5月末時点でも雪渓はまだまだタップリ。今年は雪が多かったですね。

最大の火口湖、翠ヶ池へ向かいます。人が少なくてとても開放的。

翠ヶ池はまだほぼ氷結。それでも巨大な火口湖の表面に出来た氷が崩れ始めている様子は迫力がありましたよ。

 

その後は雪の雪原を通り抜け、グルっと反時計周りで室堂へ戻ってきました。

室堂で最後の休息を取り、その後は元来た砂防新道を一気に下りました。この頃になると太陽の威力は猛烈を極め、灼熱の下山路に・・・。そして、13時、無事に別当出合駐車場へ到着。休憩込みで7時間の山歩きは残雪期独特の白山の美しさを体感出来た最高の時間となりました。

お疲れさまでした!

 

 

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