安全に登山を楽しめるのは山小屋の存在のおかげ~「山小屋支援プロジェクト」「山小屋エイド基金」始まる

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ツイッター界隈がとても賑やかです。

#検察庁法改正案に抗議します #検察庁法改正案を廃案に

私もつぶやきました。自らの意見をSNSやブログで表明出来ることは民主主義の世の中では当たり前のことだと思っています。「検察庁法改正案」には多くの著名人が発信したことも注目されましたね。ところが「勉強してるのか」とか「覚悟が出来ているのか」とか、最後には「歌だけ歌ってろ」「政治の素人は黙っていろ」などの批判の意見が寄せられ、ある著名人は自分のつぶやきを削除することに。もちろん脅迫や誹謗中傷でない限り批判の自由もあるわけです。

しかし、”勉強していなければ” ”覚悟が出来ていなければ” ”専門家じゃないから” 自分の考えや思いを表明してはいけない世の中ってどうなんでしょう?そんな社会は息苦しいし、底に見えてくるのは、「自分」の考えと違う意見を認めないという独裁の思考だと危険を感じます。単一のカラーの社会って怖いです。自らと違うものを極端に排除するということは、学び・考えることを放棄することにつながります。様々な意見や立場と向き合い、自らを高めるチャンスから背を背けないでいたいものです。

では本題です。

コロナ禍で苦しむ「山小屋」を支援出来る~クラウドファンディングスタート

山を守るための二つのクラウドファンディングに合わせて2200万円近くの支援が集まっています(2020年5月20日現在)。僅かですが、私も支援させていただきました。

山のインフラ「山小屋」が危機

GWを前にして出された登山団体などからの「登山自粛」の呼びかけ。登山を生業とする方々が「登山をしないで欲しい」と訴える辛さは想像以上のものだっただろうと思います。

コロナウイルスに直面した状況のもと、致し方なかったという思いとともに、山小屋は持ちこたえられるのか、そして山小屋が担ってくれていた山のインフラはどうなってしまうのかと不安を感じています。そのことは4月5日のブログ「登山もキャンプも一旦休止と決めたらスッキリしたーコロナウイルスについて考える」でも書きました。

山は逃げないとも言われますが、経営が苦しくった山小屋が閉鎖となってしまったらどうでしょう。登山道は荒廃し、登山者は安心して山へ登れなくなるかもしれません。北アルプス三俣山荘の伊藤さんは「私共の山小屋でいうと、宿泊者が2割減で赤字に転落」と窮状を訴え、「登山文化自体が危機に瀕している」(「#山小屋支援プロジェクト」より抜粋)と述べられています。山小屋の閉鎖はすぐそこにある危機なのだと感じます。

「新しい生活様式」を山小屋にそのまま持ち込もうと思うと、実際には非常に難しい課題ばかりだと思います。ようやく非常事態宣言が解かれ始めたとはいえ、多くの山小屋が今シーズンの営業を始められない、もしくは縮小せざる得ない状況が続いています。登山者が見込めない中で中途半端に開けるより、一層のこと今シーズンの小屋開けは断念するという山小屋があっても不思議ではありません。

山小屋支援のクラウドファンディングが立ち上がった

そんな状況を何とか出来ないかと立ち上がった二つのクラウドファンディング。「#山小屋支援プロジェクト」と「山小屋エイド基金」

小屋を指定して支援も出来る「#山小屋支援プロジェクト」

「#山小屋支援プロジェクト」はYAMAPが中心となって「READYFOR」にて立ち上げたクラウドファンディング。

現時点で30の山小屋が参加し、既に1400万円の支援が集まっています。いくつかの支援コースがあり、金額は5000円から。山小屋を直接指名して支援出来るというのが特徴です。私は山小屋を指定せずに支援するコースを選択しました。

参加する山小屋はこちら。お世話になったことのある山小屋が多い。

【1】富士見平小屋
【2】金峰山小屋
【3】鍋割山荘
【4】高谷池ヒュッテ
【5】黒百合ヒュッテ
【6】オーレン小屋
【7】蓼科山荘
【8】双子池ヒュッテ
【9】硫黄岳山荘
【10】根石岳山荘
【11】夏沢鉱泉
【13】雲ノ平山荘
【14】三俣山荘
【15】水晶小屋
【16】朝日小屋
【17】北穂高小屋
【18】蝶ヶ岳ヒュッテ
【19】剱澤小屋
【20】真砂沢ロッジ
【21】野口五郎小屋
【22】薬師岳山荘
【23】槍平小屋
【24】御嶽山 二の池ヒュッテ
【25】西駒山荘
【26】越百小屋
【27】北岳 肩ノ小屋
【28】七丈小屋
【29】北沢峠 こもれび山荘
【30】剣山頂上ヒュッテ

 

また、クラウドファンディングに参加されている甲斐駒ヶ岳黒戸尾根にある七丈小屋では、独自の山小屋グッズの販売なども行っています。私も購入させていただきましたが、そのような形で直接の支援を行うことも可能ですね。届いたステッカーはヘルメットに貼りました。

3000円から手軽に支援「山小屋エイド基金」

「山小屋エイド基金」は「山と渓谷社」が「MOTION GALLERY」にて立ち上げたクラウドファンディング。

こちらにも多くの支援が集まり既に目標も超過しています。支援の金額も3000円からと手軽な印象で参加しやすいですね。集まった金額は均等に配分されるということです。参加されている山小屋は以下の通り(2020年5月20日現在)。

賛同し、分配先となっている山小屋(五十音順)
赤岳天望荘G[八ヶ岳山荘・美濃戸山荘・ヒュッテ夏沢](八ヶ岳)
朝日小屋(北アルプス)
硫黄岳山荘G[夏沢鉱泉・根石岳山荘](八ヶ岳)
蝦夷富士小屋(羊蹄山)
オーレン小屋(八ヶ岳)
神ノ川ヒュッテ・蛭ヶ岳山荘(丹沢)
金峰山小屋(奥秩父)
雲取山荘(奥多摩)
黒百合ヒュッテ(八ヶ岳)
高谷池ヒュッテ(火打・妙高)
甲武信小屋(奥秩父)
高見石小屋(八ヶ岳)
蓼科山荘・双子池ヒュッテ(八ヶ岳)
蓼科山頂ヒュッテ(八ヶ岳)
太郎平小屋G[太郎平小屋・薬師沢小屋・高天原山荘・スゴ乗越小屋・ロッジ太郎](北アルプス)
冷池山荘G[冷池山荘・種池山荘・新越山荘](北アルプス)
剣山頂上ヒュッテ(四国)
七ツ石小屋(奥多摩)
二の池ヒュッテ(御嶽山)
三つ峠山荘(富士山周辺)
三ツ峠四季楽園・富士見山荘(富士山周辺)
槍平小屋(北アルプス)

賛同のみで分配金は受け取らない山小屋一覧(五十音順)
会津駒ヶ岳 駒の小屋(尾瀬)
赤岳鉱泉・行者小屋(八ヶ岳)
燕山荘G[燕山荘・大天荘・ヒュッテ大槍・合戦小屋・有明荘](北アルプス)
尾瀬小屋(尾瀬)
涸沢ヒュッテ(北アルプス)
尊仏山荘(丹沢)
岳沢小屋(北アルプス)
槍ヶ岳山荘G[槍ヶ岳山荘・槍沢ロッヂ・岳沢小屋・南岳小屋・大天井ヒュッテ](北アルプス)

山小屋への今までの感謝を形にする

二つの支援ともに共通するのはいわゆる「リターン」は少ないこと。お礼の手紙やメール、「山と渓谷」紙面への名前の掲載などにとどめ、山小屋の無料宿泊券などは提供していないことです。山小屋側への負担は極力少なくし、金銭的な支援を直接届けようという内容となっています。それでいいと思います。今回の支援はこれまでの山小屋への感謝を伝える取り組みだと自分では感じています。

山小屋のありがたさは多くの登山者が身に染みて感じていることです。直接的な寝床の確保だけでなく、登山道の整備や遭難・救助の拠点となる山小屋は登山を支える重要なインフラですね。もしも山小屋が無かったら・・・その存在の大切さを改めて認識する機会になったと思います。

クラウドファンディングというと少し前までは新しい技術や知識を形にするための投資的な支援という印象でしたが、最近では社会的な救済という分野で活用されることも増えてきました。もちろんこういう民間の有志の支えは意義があり非常に大切だと思いますが、コロナによる緊急事態宣言やその後の「新しい生活様式」の徹底が求められ休業要請に従っている山小屋には、国や自治体からより積極的な財政支援をして欲しいというのが率直な意見でもあります。

さらに多くの支援が集まりますよう。支援した山小屋へまた訪れることが出来ますよう。

最後になりますが、キャンプではどのような動きが出てくるか・・・少し様相は違うとは思いますが、注目しています。

 

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