西穂高岳

西穂高岳‐厳冬期テント泊ーー暁光に染まる北アルプス(2/2)

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2018年登り始めは1月6日~7日。
西穂高岳をテント泊で目指す山歩きに出かけてきました。
降り続く雪と強い風で初日はテントに缶詰め状態。
そして、訪れた2日目。風は強いものの雪は止み、西穂へ向けて出発です。

目まぐるしく変わる山の色彩

雪に埋まったテントで出発準備

若干頭が痛かったのです。恐らく少し高山病か、頭が少し下がったまま寝てしまったか・・・。
しっかりと水分を摂り、念のために頭痛薬をカンパラパックに入れておきます。
バックパックにはもしものためのビバークセットや保存食を詰めておきます。雪に埋まり、ただでさえ広いとはいえないカミナドームがさらに細身にスリムになってしまっている中で身支度を整えるのは若干骨が折れる作業でしたが、厳冬期ならではの醍醐味でしょうか。

気温は氷点下18度ほど。予報通り風が非常に強く、体感的にはもっと下がっていました。アイゼン、ピッケルを装着し、テントから這い出し、山荘前からすぐ始まる登りに取り掛かります。

薄紫色に染まる

西穂山荘

少し登った所からテント場を振りかえって一枚。薄紫色の景色の中で、テントの鮮やかな色がとても綺麗でした。ここから見える焼岳、乗鞍岳、ただ一言、美しかったです。

まだ稜線に上がり切っていないものの、すでに風が強く、カメラを構えても身体が揺られます。

西穂高岳

夏場なら大きな岩の上や間を縫って登っていく場所ですが、冬の今は雪面を登っていきます。登り始めこそ、昨日からの雪で少し体が沈みこみましたが、すぐに締まった雪の斜面に変わりました。風の強さで降った雪も飛ばされてしまったのでしょうね。

辺り一面薄紫色に染まっています。風が強く吹く音だけがバラクラバで覆われた耳に聞こえてきます。

 

西穂山荘

風が強くてブレてしまいます。

東の空が少しずつ明るくなり始めています。朝陽が差し始めればさらに風が強くなる予報。さあどうなることか。まあ行けるところまで行きましょう。

この日、上半身は5枚の重ね着。寒さは感じません。

丸山手前、猛烈な風

徐々に明るくなってきました。雪の風紋というのでしょうか、光が当たって綺麗に浮かび上がってきました。色々な形があってとても綺麗です。

左から猛烈な風が吹きつけてきて、時折飛ばされそうになりながら進みます。

 

登るには厄介な風ですが、見ている分にはとても綺麗です。雪煙が色々な形に上がるのを見ていると飽きません。

 

 

日の出

雪煙がオレンジ色に染まり、いよいよ日の出の時を迎えました。

 

西穂高岳

薄紫色だった景色にオレンジの強い光が差し込んで、とても綺麗。相変わらずの暴風で、膝を落として耐風姿勢。

独標へ

さあ、日の出の時刻も過ぎ、後は先へ先へとグイグイ登るばかりです。独標までは写真だとなだらかに見えますが、時折こぶのような急登を越えながら行きます。結構シンドイ。さらにこの風。先行者も思わず四つん這い。

手前のぼこっとした部分が独標ですね。もう少しです。すでに独標には数名が到着しているのが見えています。特に危険個所はなく、稜線の左手を巻くように進んでいきます。

 

独標直下、一度左手に巻いて、直下の岩場を直登します。雪少ないですね。その分余計に気を使いました。

振り返って。急な岩場をアイゼンの爪を引っかけないように慎重に進みます。直下の直登部分で若干渋滞。確保されながら下りてくる一群に先に行ってもらい、最後はピッケルも打ち込みながら一気に独標へ。

西穂高岳独標です。お疲れさまでした。風弱まっているように見えますが、相変わらず強く吹いています。

西穂高岳独標より

とりあえずの目標だった独標へ到達し、一息入れながら回りを見渡します。

この先の西穂高岳山頂への道。迫力ありますね。

とても綺麗な雪の壁です。

西穂独標

風強い・・・何ともならない風ではありませんが・・・さてどうしよう

もちろん行かれる人もいますが、この日の風と、今の自分の力を考えて、今回はここまでとしました。まだまだ機会はあるでしょうから、今回は経験です。

ということで、ここで記念に一枚撮っていただきました。

西穂高岳独標

誰だかわからないという(笑)

そうこうしている間にも、次々と登ってきます。

西穂独標

西穂独標

ダブルストックだと安心感が違いそうだな~なんて観察したりして。
いやーそれにしても絶景です。

西穂独標

では下ります。結構な急斜面を慎重に下ります。一歩滑ったら止まらないと思うので。

西穂独標

雪少ない独標直下の岩場。

軽い高山病

下山しながら、頭がズキズキと痛んで仕方なく、ヘルメットの隙間から手を入れて少し押してみたりとしたのですが、少し軽い高山病気味だったのかもしれません。とにかく標高を下げるしかないので、サクサクと下ります。

西穂独標

この日の風で丸山までで引き返す方達も多かったようで。

西穂独標

少し雲が出てきました。予報通りか。また次の機会に必ず。その時は風が少しだけでも弱まってくれたらありがたい。

西穂山荘

西穂山荘着ー撤収・下山

 

西穂山荘

無事に西穂山荘へ到着。やはり顔がパンパンに腫れています。取り合えず頭痛薬を飲みました。無理せず先に進まず良かったのかなと思います。

西穂山荘

太陽に照らされたテント場はキラキラしていて眩しい。日差しも暖かくてとても気持ちのいい陽気です。

西穂山荘

カミナドームは随分埋まりました。と言っても、サラサラの雪なので、掘り出すのは容易。

イーストンポール

60㎝ペグは撤収も簡単。スルッと抜けてくれます。竹ペグとかだと掘り起こさないといけないですからね。

西穂山荘

パパっと片付けて撤収完了。

OGAWANDのOWNで初めてのテント泊となった今回の山行。ほぼ10kg程の荷物は夏山装備でも大体重い時でこの程度なのですが、無理なく歩くことが出来たように思います。シュラフやマット類の軽量化がされるので、夏山シーズンはもう少し軽くなるかな。楽しみです。

西穂

山荘から下の樹林帯は前日の雪が積もっていてモフモフ。少し外れると胸近くまで落ちるという状態。雪遊びをしながらノンビリ歩いて無事に下山です。お疲れさまでした。

おまけ 混浴・河原の露天風呂「槍見館」

ロープウェイを乗り継いで下山後、向かったのは駐車場から10分ほど車で走った場所にある「槍見館」

槍見館入り口

行ってみるまで知らなかったのですが、「日本秘湯を守る会」の看板が掛かっていました。

メインの道から細い道に入っていくのですが、すれ違うのも困難な個所を走ります。到着すると、駐車場はそれほど広くありませんが、とても綺麗な風情のある建物。お正月らしく飾り付けが良かったです。

槍見館

実は行ってみて初めて分かったのですが、混浴露天風呂なんですね。源泉かけ流しで、循環や消毒など一切行わない温泉とのこと。

日帰り入浴は時間に注意

日帰り入浴は10時~14時までで大人500円、子ども300円という安さ。

写真左手奥の受付にて料金を払い、旅館の奥の方へ進んでいきます。まるで迷路のようでした。

ずっと河原の方へ降りていきます。いくつもの露天があるのですが、日帰りの場合は二つだけ入れるのかな?ちょっと不明ですが、この日は二つの温泉が利用可能とのこと。「まんてんの湯」へ。

槍見館

まんてんの湯を脱衣所から

脱衣所は男女分かれており、男性脱衣所はほぼ外。メチャクチャ寒いのですが、急いで脱いで入りました。入った時にはカップル2組。結構困りました(笑)しばらくすると2組とも出て行かれたので貸し切り状態です。

槍見館「まんてんの湯」 遠くに槍ヶ岳が見えます

名前の由来の通り、写真では少しわかりにくいですが、遠くに白い槍ヶ岳が確かに見えます。温泉は無色透明。何と言ってもロケーションが抜群です。

槍見館

しっかり温まりました。ちなみにまんてんの湯しか入りませんでしたから分かりませんが、体を洗うような場所はありませんでした。

その後、雪の下道・高速を慎重に走りましたが、あちこちで車が止まっていたり、通行止めになっていたりで、名古屋に帰ると午後8時近かったと思います。登山以上に気を使って帰りました。

厳冬期西穂高岳テント泊総評

厳冬期の北アルプスは憧れの一つ。その中でも通年営業小屋があり、ロープウェイで途中までアクセス出来る西穂高岳は入門的な位置の山かもしれません。
テン場は山荘目の前ということもあり、トイレも使いやすくて良かったと思います。厳冬期のテント泊の練習もすることが出来ましたが、色々と課題もあり、その後装備を整理することにもつながりました。
西穂高岳は丸山まではほぼ誰でも、独標までも誰でも行けると思いますが、その先は経験がものを言う世界だと感じます。夏の西穂高岳は登ってはいるものの、今回は独標までで経験の機会としました。これからも条件のいい時に通い、いつかは雪の西穂高岳へと思います。

以上

 

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  1. Beef

    ちょうど週末に西穂高に行っており、独標では寒さか怖さかゾクゾクと震えました。
    初心者の僕にとって雪山は想像以上に厳しく、持っていったテントも風が強く張れず1日目は小屋停滞、宿泊、それからの行動でした。それでも大変だったのに一人でこなすミーパパさんは、ほんとうに凄いですね。テントでの出発準備のシーンはドキドキしました。
    …なっ混浴ですってー!チェック、チェック。笑

  2. みーパパ

    Beefさん

    行かれたんですね〜私も今シーズンのうちにもう一度と思いながら、なかなか時間が取れずにいます。雪の状態どうだったんでしょう?

    一度風が吹き始めると、雪のテント泊はなかなかキツイですよね〜ただ、過酷過ぎて楽しかったりもしました^ ^まあ小屋がとなりにある安心感もありますしね。

    槍見館はですね、超オススメです。ロケーション抜群ですよ!目のやり場に困って、ずっと顔洗ってました(笑)