残雪の双六岳へテント泊~ご褒美は最高の絶景①
最終更新日 2021-12-19
2017年6月16日~17日
北アルプスの交通の要所となる双六岳を登って来た。
アルプスで最も登山者が少なくなる梅雨の時期、さらに平日ということもあり、静かな山歩きを堪能することが出来た。
急登が続く小池新道から冬道となる大ノマ乗越への雪渓の直登ルートで一休み。
ゴロゴロ落ちてくる落石にヒヤヒヤしながら、これから広がる絶景を前にワクワクした。
2017年は前の年からの降雪の多さもあり、6月に入ってもアルプスの山々にはタップリと雪が残っていた。
6月、仕事が忙しく、土日がつぶれることが多かったことでウズウズしていた気持ちが爆発。
有給を取って北アルプスへ飛んだ。
今回の目的地は双六岳。
北の鷲羽岳、水晶岳、黒部五郎岳、南の槍ヶ岳などの中間点に位置し、北アルプスの登山の要所となる位置にある。
いわゆる「日本百名山」などには選ばれていないものの、山頂付近からの絶景は素晴らしい。
目次【お好きなところから】
スタートは新穂高から
ルートは岐阜県の新穂高温泉登山センターを出発し、コースタイムでおよそ8時間半、累積標高差で2500mほどの長めのルートとなる。
初日は山頂直下の双六小屋でテン泊し、2日目早朝に双六岳へ登頂し、来たルートを戻り新穂高へ下山するというルートとした。
まずは登山口となる新穂高登山センター付近まで車で行く。
槍ヶ岳公園線沿いの「深雪荘」前の登山者用無料駐車場(150台)へ車を停めた。到着したのは午前5時半頃。
6時出発しようと思って少し目をつぶったら、ウトウト寝てしまい、起きたのは6時10分頃だった。
長いルートを控えているだけに危ない。
天気予報では午後遅くに崩れるかもしれないものの、終日良好とのこと。絶好の登山日和となりそう。
大急ぎで準備して5分ほどの新穂高登山センターへ到着。
ただ、急いだために手袋を車に忘れてしまった。幸い予備のものがあったから良かったが、気を付けないといけない。
登山ゲートには落石やクマ注意の文字が並ぶ。
6時40分いよいよ出発。しばらく林道歩きが続く。
笠ヶ岳も見えている。今年中に登りたい山の一つ。
途中のミラーで自撮りしてみた。今回のザックもオスプレーmutant38。
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在庫が少なくなっているのか、価格が高騰している。
たまに大きな雪渓が道を塞いでいるものの、アイゼンを着けるほどのことはなく進める。
とにかく地味な林道歩きを1時間ほど続けるとわさび平小屋が現れる。
まだ小屋明け前でヒッソリとしている。少し栄養補給をする。
いつもながら歩きはじめは身体が全く動かない。初めの2時間までは我慢の時間が続く。
いよいよ雪渓、初めての痙攣
歩きはじめから1時間20分ほどで小池新道分岐へ到着。
ここから本格的に登山になる。
行く手左手奥に今日登る雪渓が見える。結構な急斜面だ。
新穂高から双六岳への登山で面白かったのは、ルートの大半でこのスタート地点がずっと目視で確認できることだった。
行けども行けども登山口が見えるというのは不思議な感覚だったけれど、一旦ガスがかかるとこの見通しの良い場所でも道迷いが起きるという。
1人先行者の姿を初めて捉えた。1人かと思っていたので心強い。
登山口からすぐに雪渓歩きが始まる。と思っていた・・・。
この時点で実はルートをミスしていたことにほどなくして気が付く。
しばらく雪渓を登っていくがマーカーが見当たらない。
実はルート右手には夏道が一部出ていた(帰りに気が付いた)。
結局、目の前の大きな石を乗り越え、雪渓を直登しながら先へ進む。もちろん冬道としては間違ってはいないけれど、夏道の方が圧倒的に楽。この先50分ほどとても体力を消耗した。
右手の夏道の存在を確認しながら雪渓を直登。秩父沢出合の手前付近でようやく合流できたと思う。
マーカー発見。ホッと一安心する。
チボ岩発見。体力消耗が激しく、10分ほど栄養補給休憩とした。
それにしても天気がいい。暑い。
さあ弓折岳がかなり近づいて来た。
スタートから3時間20分ほどでシシウドケ原付近。
先行者に追いついた。
どうやらルートで悩んでいた模様。
通常夏道だとここから鏡平山荘を経由するルートになるが、まだ雪で閉ざされているということを確認していたので、そのことを伝えて一緒に大ノマ乗越への雪渓直登ルートを選択した。
このルートはきつかった。
序盤はアイゼンを着けずにツボ足でひたすら登った。
来た道を振り返る。
遠くに乗鞍も見える。小学3年生だったみーと登ったのが懐かしい。
目指す雪渓上部は見えているけれど、かなりの急斜面。他の方の記録などを見ると2時間ほどかかっている。
時折音もなく巨大な落石が雪渓を転がってくる。
「あんなものが当たったら終わりだね」と会話を交わしながら進む。
少し平坦な場所があり、この先の急斜面のためにアイゼン装着。
穂高
乗鞍
落石を気にしながらも、景色を見ながらしばし休息。
パンとジェルを一気にお腹に詰め込んだ。あまりノンビリしていて石に当たったら大変だ。
さあもう少しというところで異変が起こった。
雪渓上部まであと5mほどの地点で両足が痙攣。初めてだった。
何とかはいつくばりながら登り切った。
危なかった。
振り返るとご褒美の絶景が待っていた。
思っていた以上に槍ヶ岳が近い。
ここまで頑張って登って来た甲斐があった。
贅沢な絶景稜線歩き
ここからは本当に贅沢な稜線歩きが始まる。
と言っても、結構アップダウンがあってキツイ。
それでも景色が全てを忘れさせてくれる。
雪渓を登りつめた地点から左手に行くと笠ヶ岳への稜線が続く。こちらも歩いてみたい。
今回は右手の弓折岳を経由して双六へ。
夏道はまだ半分程度雪に埋まっており、ちょっと危うくなってきた稜線の残雪歩きとなる。
時折ズボズボと雪に足を取られる。そのままバランスを失ったり、雪の塊ごと落ちてしまったら終わりだ。
今回の中で一番気を使った。
ようやく目指す双六岳方面も見えて来た。
痙攣した足は治ったものの重い。
弓折岳山頂。雪でいっぱい。山頂標識を見る余裕なし。
まだまだ稜線歩きが続く。
こんな景色を眺めながらウキウキして歩いていると、突然雪渓に身体が埋まった。
危なかった。胸上まで埋まってしまった。
小屋が見えた。
向こうに見えるのは鷲羽岳か?
双六岳も近い。
さあもう一息。
お疲れ様でした。本日の目的地、双六小屋に到着です。
最後は写真を撮りながらノンビリとでしたが、15時25分着。疲れましたね。
テントを張って休息です。
続きます。
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