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強度行動障害者支援者養成研修と、最近読んだ自閉症児のお母さんの本「ぎゅっと抱きしめたい」

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今日は2年前に相模原の津久井やまゆり園で障害者など40人以上が殺害されたり、傷つけられた事件の日。そんな日ということもあり、今日は仕事の話を少し。

タイトルの通りですが、名古屋市の強度行動障害者支援者養成研修(第一回)が開催され、二日間の日程で参加してきました。

この研修、全国で開催が始まったのですが、あまり馴染みはありませんよね。

基本的には、現在障害者児の各種支援施設などで働いている方に参加は限られています。二日間集中的に「強度行動障害者」への支援や技術、制度について学びます。

私も障害者生活介護支援施設で働いており、今回申し込んだところ、見事抽選に当たりました。

強度行動障害って?

一人一人違う、それは障害があっても無くても同じ

障害についての詳しい考え方はここでは省略します。その前提の上でですが、「障害者」と聞いたとき、車イスを使っていたり、白杖を持っている方などはすぐに思い浮かびますよね。

一方で、「自閉症」という障害について聞いたことがあっても、実際に接したことがない方が大半ではないでしょうか。それには様々な歴史が要因となっていると思いますが、そのことも今回は省略です。

自閉症という障害がある方の中に、強度行動障害を発現する方がいます。間違ってはいけないのは、決して「自閉症=強度行動障害」ではありません。私たちが一人一人違うように、障害があったとしても一人一人全く違いますし、自閉症という障害がある人も一人一人全く違う人格を持ち、一人一人が違う個性を持っています。

強度行動障害の人は全国で8000人。一見「?」と思える行動は、本人が「困っている」サイン

強度行動障害というのは、突然他の人を噛みついてしまったり、叩いてしまったり、睡眠が不安定だったり、自傷行為などが通常考えられない頻度と形式で出現している状態のことをいいます。また、家庭で通常の育て方をし、かなりの養育努力をしていたとしても、著しい処遇困難が継続している状態のことをいいます。よく言われる「家庭のしつけ」「育て方」の問題ではないということです。

日本ではおおよそ強度行動障害の人は8000人ほどと言われていますが、私の実感としてはもっとずっと多いだろうと思います。この状態になりやすいのは、重度・最重度の知的障害があったり、自閉症の特徴の強い、コミュニケーションが苦手な人に表れやすいと言われています。

行動障害と言うように、様々な行動の特徴があります。一見「???」だったり、怖かったりする行動もあります。そして、支援者も含め「困る」のです。しかし、その多くは、本人が最も「困っている」ことのサインであり、「何とか分かって欲しい」という精一杯のアピールであることが多いと実感しています。

強度行動障害のある人と関わると見えてくるユニークな世界の魅力

何となくこのあたりまでは教科書的な書き方になってしまうのですが、私も「強度行動障害」と言われる判定を受けている方を何名か担当しています。ご家族とも毎日連絡を取り合い、日々の姿を共有しています。その中で思うのは、いつも反省です。今回の研修で学んでも、改めて反省ばかりです。支援者と呼ばれる私たちが、彼らを追い詰めることをしてしまっていることはなかったのかなと。

自閉症の方はコミュニケーションが出来ない、しないということではありません。コミュニケーションの形や方法がとてもユニークなのです。それゆえに、誤解をされたり、本人が伝えたいと思っていることを「わかってもらえない」経験が積み重なり、とてもイライラしたり、不安な状態に陥りやすいと思います。

コミュニケーションの手段としての言葉を持たない方もいますから、私も何年も付き合って、あるきっかけで「あーこれはこういうことだったのか!」と思い当たることがよくあります。そして、それまで理解できずにいた自分を反省します。「あーわかってあげられていなかった」と。本人は一生懸命伝えようとしてくれていたかもしれないのに・・・。同時に、そのユニークな世界観を少しでも覗けたことが嬉しくて、「もっと知りたい」と思うのです。そうい仕事です。

突然殴られたりもします。目の網膜剥離もそれが原因の一つかなとは思ったりもします。それでも、彼らのもつユニークな世界をもっと知りたいと思います。そして、そのユニークな世界が「常識」によって理解されず、常識に当てはめられたり、排除されたりすることに対して、「強度行動障害」という形の拒否の行動を彼らはしているのだろうなと思うのです。

分かり合えないわけではありません。ただ、わかり合うためには愛情や献身だけでは十分ではありません。専門の知識や経験、それらに裏打ちされた一人一人との信頼関係を気づく根気強さと努力が大切です。時間もかかります。研修に出て、障害者支援の現場で働く全ての人が学べるようにすることが必要だなと感じました。

第一回目の研修ということで、今後より豊かな実りのある研修になっていくことと思いますし、「強度行動障害者支援者」養成が幅広く進むことを期待したいと思います。私も現場で学んだことを生かしたいです。

「ぎゅっと抱きしめたい」自閉症児を持つお母さんの本を読んで

実はとても有名なブログ「moroの家族と、ハンドメイドと。」の著者である、moroさんが書いた本、「ぎゅっと抱きしめたい」を、先日の笹ヶ峰キャンプの最中に読みました。この本は、お母さんであるmoroさんが、生まれてきた「こもたろ君」が自閉症であることを知り、悩みながらも子育てをしている姿を紹介している本になります。

私は不勉強で全く知りませんでした。たまたま何かのきっかけで知り、すぐに注文し、キャンプ場でずっと読んでいました。ずっとと言っても、ご本人が描く四コマ漫画が沢山出てくるので、あっという間に読めるのです。

amazonのレビューなどを読むと、色々と意見があるようです。自閉症児の育て方のハウツー本になっていないというような意見だったかなと思います。そもそも、自閉症児であろうと定型発達児であろうと、1人の人間の育ちをハウツーで理解することは無理だと私は思います。「こうすればいい」というものがその人(子ども)に当てはまるかどうかは全くわかりません。というか、恐らく万人に共通する子育てのハウツーというものは存在しないと思った方が気が楽だと思います。

ちょっと脱線しましたが、自閉症児を育てるハウツー本ではありません。障害特性から来る大変な場面が沢山出てきます。「こもたろ君」の子育ての難しい場面もたくさん出てきます。

私は支援者ですから、「わかるわかる」となるのですが、それよりも何よりも感じたのは、そしてこの本を読んで良かったと思えたのは、わが子が自閉症であることを知り、泣き、悩み、不安になり、葛藤するお母さん、家族の思いを少しだけでも知れたことでした。

子どもさんが小さい時に接する療育の現場では日常的なことなのかもしれませんが、私たちの働く現場は、基本的には養護学校などを卒業した後の時期です。もちろんお母さん、ご家族は大変な中で一生懸命頑張られているなという姿はわかるのですが、小さい時のことはもう時間が経っていて、あらためて「どう思いましたか?」なんてことを聞く機会はないのです。だからと言って想像してこなかったわけではないのですが、この本はハウツー本ではないからこそ、お母さんとご家族の思いや悩みがリアルり感じられるように思いました。私は改めて自分がどこまでご家族の思いを理解しようとしていたのだろうかとハッとさせられました。

moroさんは本の中で、いわゆる理解があるはずの支援者からの言葉や態度で傷つけられたことがあることを語られています。私もグサッときました。私もそんな思いを抱かせるようなことを言っていたことはなかっただろうか・・・。大変学ぶことの多い本でした。

切なさがにじむタイトルにやられた、おススメの本です

タイトルの「ぎゅっと抱きしめたい」・・・このタイトルにはグッときました。自閉症児全てがそうではもちろんないですし、少しずつ変わっていくものでもあるのですが、自閉症の一つの障害特性として、「感覚過敏」を合わせ持つことが多いと思います。聴覚や味覚などの感覚が、日常生活を送るのに困難を生じさせるほど過敏であったりします。それは「耳がいい」というような程度ではありません。ありとあらゆる音が聞こえてきてしまったり、2階の閉ざされた部屋にいながらも、離れた1階でしゃべる人の声が聞こえ、不快な音として耳に突き刺さってきてしまったりだろうと思います。常に音の洪水に侵されているような感覚を味わっているのかもしれません。

同じように触覚の過敏を持つ方も中にいます。恐らく「こもたろ君」はそうなのでしょうね。身体の全体であったり、身体の一部を触られることをとても苦手としているのでしょう。なので、moroさんはわが子を抱きしめたいけれど、「こもたろ君」からすると、抱きしめられることは不快と感じられるのだろうと。切ないです。そんな障害の特性から来るタイトルだろうと思います。

自閉症に興味がない方でも手軽に取っつきやすい本だろうと思います。とてもおススメです。

 

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