立派なお山「高妻山」。しかし異変は突然に訪れた・・・GW戸隠イースタンのキャンプ地から登山へ③
最終更新日 2021-12-192017年5月のGW、戸隠イースタンへ4泊5日のキャンプ。その中日に残雪期の高妻山を登って来た。
五地蔵山方面からようやく姿を見ることができる高妻山
五地蔵山へ向かう途中、青空に立派に枝を広げる
目次【お好きなところから】
謎の山「高妻山」
信州の山にはグレーティングが付けられている。
易しい方からAランク、最難関はEランク。
自分に合った難易度の山を選び、決して無理をしない、遭難しないようにというためにである。
今回の高妻山はDランク。同じDランクでは不帰キレット、前穂(重太郎新道)、西穂、北穂などがある。
どれも名の知れた山とルートばかり。
高妻山は日本百名山なのだけれど、あまりに登る人が少なく人気は正直ない。
近くの斑尾山、妙高山、黒姫山、戸隠山、飯縄山などの山々は「信越五岳」として近隣の方から親しまれているという。ここに高妻山は入っていない…
お隣の戸隠山の独特の山容の方が目立つからだろうか?高妻山が人里からは遠く、山に分け入らなければその姿を拝むことができないからであろうか?
高妻山、データだけを見るとなぜDランク?とも思えてくる。
標高は2300m程。
ルート長13.4km。
累積登り標高差1420m。
累積下り標高差1420m。
よく登る伊吹山はルートでいえば約12キロ。累積標高は1200m程度だと思われる。タイムも4時間あれば十分往復出来る。
しかし、この高妻山、コースタイムが8.8時間と設定されている。無雪期の好天に恵まれた時でである。
データだけから見れば、それほど厳しい山なのだろうか?と首を傾げたくなる。
いったい高妻山とはどんな山なのか・・・登ってみなければわからない!
いざ高妻山へ、でもまずは五地蔵山へ
起きたのは5時半頃。テントを抜け出して外に出ると、少し雲がかかっているけれどもそれも予報通り。
簡単に朝食を摂り、前夜に準備をしておいたザックを背負ってキャンプ場を後にする。
今年は雪が深く、高妻山はまだまだ雪山。12本爪アイゼン、ピッケル、ヘルメットも装備品。高妻山は山頂直下に50mほどの急登が待ち構えており、この日の数日前のヤマレコ情報でも滑落の危険があると注意が呼びかけられていた。
まずは戸隠イースタンキャンプ場を出て、向かい側にある市営戸隠キャンプ場へ。高妻山の登山道は戸隠キャンプ場の奥から始まっている。
早朝のキャンプ場、その中をザックを背負い、背中にピッケルを刺した登山者。朝の焚き火を楽しむ家族、その子どもさんから指を指され、それを制止するお母さん・・・。危なくないですよ。
しばらく歩くと牧場地帯へ入る。
広々していて何て気持ちのいいことか。
途中、地元のおじさんから「戸隠山ですか?」と声をかけられ、「高妻山です」と答えると、「それは、お疲れ様です」と応えられた。
その意味はしばらくして何となくわかることになる。
浅めの渡渉を一回行い、行く手に見える山は黒姫山か。
そしてしばらくすると2001年に開かれた弥勒尾根の取り付き点に到着。
いよいよここからが登山となる。
ここから約800m標高を上げ、まずは五地蔵山へ登る。
五地蔵山までは途切れなく一気の急登が続く。
気持ちのいい急登が続き、標高1500m付近まで来ると雪が出てきた。
左手に見えるのは飯綱山だろうか。
向かう五地蔵山はまだ遥か先。
右手に見えるのは妙高山、火打山だろうか。
ここまで誰にも出会わない。わずかな踏み後を辿りながら尾根をつめていく。
高曇りしていた空は徐々に青くなってきて、爽快な登りが続く。それにしても異様に暑い。
雪の重みで曲がったのだろうか。傾斜はかなりきつい。
五地蔵山が徐々に近づいてくる。
真っ青な空に生命力を感じる木々
五地蔵山の手前では一部夏道が出ている場所も。
近づくととても綺麗な山。
飯綱山の手前をアップで撮影すると、戸隠キャンプ場らしき場所が見える。
右手に見えるのは妙高山かな。
さあもうひと踏ん張り。五地蔵山手前はさらに急傾斜。
振り返る。気持ちがいい。
五地蔵山山頂ほど近く、六弥勒へ到着。ここが高妻山への分岐点となる。
そして、ここでようやく本日目指す高妻山が姿を現してくれた。
まだまだ遠い。登り口での「お疲れ様」との言葉が身に染みる。
この日はほぼ無風、GWのこの地域では異常な暑さ・・・とにかく暑い・・・。足元の雪を掴み、帽子の下に入れて頭を冷やす。
ここで10分ほど休憩を取り、今度こそいざ高妻山へ
アップダウンを繰り返しながらPeakへ向かう
高妻山のコースタイムは登りも下りもあまり変わらない。
それは、コース内に何度も登っては下り、登っては下りというアップダウンが連続することが理由と言われている。
もちろんアップダウンを繰り返しながら、登りでは徐々に標高を上げていくのだが、下りでの登り返しが何度かあるというのは気分的には少し重い。登り切った後は一気に降りれれば爽快だから。
一端下る。絶景が後を押してくれる。
七薬師、八観音などを越え、少しずつ高妻山へ近づく。
九勢至からは山頂までは一気の登り。写真ではわかりにくいが、相当な急傾斜となっている。ここでヘルメットを装着。ピッケルを持って気合を入れ直す。
山頂直下の雪面、よく見ると大きな切れ目がいくつも入っている。山頂へはこの右脇を這い登ることになる。
そして、この後写真を撮る余裕がなくなる。とにかく雪がズルズルと滑る急斜面を集中して登った。
途中、後ろを振り返ると何組かが登ってくるものの、急登を目の前にして引き返すパーティーも。
40分ほど急斜面と格闘し、ようやく十阿弥陀という山頂からすぐの踊り場へ。
ここで、後続の若者と合流。「キツカッタですね」と声を交わす。
先の若者に先を譲り、少ししてから山頂を目指す。
緊張を越えて来ただけに、達成感ももちろんながら、ようやくという安心感で一杯に。
北アルプスの山々、少し雲がかかっているものの絶景だった。
妙高、火打方面
すぐ傍の乙妻山
360℃の絶景が楽しめる高妻山山頂。
先の若者と会話を交わすと、彼は「地元の人は高妻山なんか登らないと友達が言っていた」とのこと。
こんなにも素晴らしい展望なのに勿体ない。
写真を撮り合い、しばし2人だけの山頂を楽しむ。
前日のご飯の残りのオニギリが美味しかった。
異変は下山時、突然に
約30分ほどの休憩後、さあ下山。直下の急斜面を今度は下りないといけない。
ピッケルを持たずに登って来た若者の方が滑落の危険性が高いということで、私が後から。
10m程距離を置きながら慎重に下る。
下り切って振り返る。
登りと同じく、急斜面では撮影の余裕なし。かなり時間をかけて安全に下った。
時間がかかったのはもう一つ、あまりの暑さにどうも軽い熱中症っぽい症状。体がとても重い。
数歩進んでは休むという感じで下りにも関わらず全くペースが上がらない。
何度も何度も休憩を取り、雪で体を冷やして進む。
無理をせず、ノンビリノンビリ元来た道を辿りながら下山。往復約10時間。
厳しくも美しい山、高妻山だった。
下山後、牧場を通り、キャンプ場を抜けて出口付近まで来た時に偶然3人と出会う。
ようやくホッとして一緒に戸隠イースタンへ戻る。みーが汗まみれになったということで、水を浴びに来たところだったらしい。やはり下界でも相当暑かった様子。
キャンプ場に戻るとテントが一気に減っていた。GW3日目ということで撤収された方が多かったようだ。
そしてこの日も戸隠蕎麦。神告げ温泉へ。
温泉で先の若者と再会しお互いの身の上話なんかをしたりして。彼はその後どうなったのだろう。またどこかで会いたいものだ。
温泉を出てキャンプ場へ戻るといい感じに夕暮れになっていた。
疲れた体も温泉で復活。
食事の前に焚き火で温まり、この日の晩御飯は焼き鳥パーティー。
みぃ君が小さなシャモジでご飯をついでくれた。山に登っている間、竹細工センターなどを散策し購入したらしい。
食後はリクエストに応えて花火タイム。翌日は雨が濃厚なため一気に花火をすることにした。
高妻山への登山、温泉、戸隠蕎麦、花火と存分に一日を楽しんだGW3日目が過ぎようとしていた。
雨の4日目、5日目最終日へ続く
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Follow @msn614コメント ( 4 )
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すさまじい眺望ですね! いやー良い物見せてもらいました♪
僕はこの日に撤収した後、千葉までの300kmを・・・大渋滞に辟易として松井田妙義ICで降りて、下道で10時間かけて行きましたとさ(ΦωΦ;) ついたときにはフラフラでした・・・
夜の星もすばらしいですね!あーまた行きたいなぁ・・・
くろねこさん
千葉までですか〜^^;それはお疲れ様です。あの日は撤収の方多かったようですね〜GWとは思えない空きようでした^ ^
高妻山は登るのも下るのも楽しい山でしたね〜ただ体力はかなりいる。そこもまた楽しいのでしょうが^ ^
かなり疲れました〜下界に降りて来た時の水が美味しくてたまりませんでした。
すばらしい眺望ですね
高妻山、名前も知りませんでした。
自分は20数年前に白山からの下りで膝を壊して以来、山は諦めているのでうらやましいです。
一人山行、本当に気をつけてくださいね~
singleTTさん
ご訪問ありがとうございます。
高妻山は人里から離れており、本当に人気がないみたいですね^^;でもとても楽しい、登りがたえのある山でした。山歩きのレベルアップにつながる山歩きになりましたよ。
白山は先週行きました。あそこも結構標高差があり、下りは急ですものね^^;残念ですね。ご心配ありがとうございます。これからも注意して続けていきたいと思います。