【仙丈ケ岳地蔵尾根・日帰り】CT16時間、累積標高2700m、南アルプスの長大なルートを歩くものの・・・
最終更新日 2023-12-05前回の投稿から時間を一気にすっ飛ばし、2022年9月の記録へと進めようと思います。←こう書き始めてから何かと忙しくて2か月以上経ってしまいました。
2022年9月は南アルプス北岳から聖岳への縦走(台風の影響で途中まで)、次男みぃ君も一緒に栂池からの白馬岳、そして今回記録しておく地蔵尾根からの仙丈ケ岳とそれなりに山を歩けた月となり、なかなか充実した時間を過ごすことが出来ました。
今年のメインイベントとして位置付けていた南アルプス縦走へ向け、8月末から近所のジムへ少しだけ通うようになり良い状態で身体を維持できています。そのことが山への意欲にもまた繋がっているように思います。いつのまにか50歳の峠を越え、身体のメンテナンスに気を遣わなければいけなくなってきました。それでも、まだまだ鍛えられる部分が沢山あるのだなという事にジムへ通うことで気が付くことが出来て嬉しかったりします。今年より来年、来年より再来年、まだもう少し遠くまで歩いていけるよう、精進していきたいと思っています。
加えて、今年は次男みぃ君、職場の後輩こっちゃん、キャンプ繋がりなゆこさん一家など、一緒に山を歩く機会が増えました。こまでソロで歩くことがほとんどだった自分にはとても新鮮な一年となりました。来年はどんな山にどんな人達と歩くことが出来るのか、今から楽しみにしています。
目次【お好きなところから】
仙丈ケ岳の地蔵尾根とは?
さて今回の仙丈ケ岳地蔵尾根は南アルプス縦走へ向けた予行演習的な位置づけとして向かいました。「地蔵尾根」と聞いて少し山に登った事がある人ならば赤岳の地蔵尾根を思い起こす方もいるのではないかと思います。行者小屋から伸びる急登続きのルートとなりますが、今回は南アルプスの仙丈ケ岳の地蔵尾根となります。
仙丈ケ岳は日本百名山の中でも比較的登りやすい部類の山という印象でしょうか。バスで北沢峠へ入り、そこからものの数時間で山頂へ向かうことが出来るルートが一般的ですが、聞くと所によると裏ルートと呼ばれるのが今回歩いた「仙丈ケ岳・地蔵尾根」とのこと。
地図左端にある柏木登山口から山頂までの距離はおおよそ30km、累積標高差も2700m程度と中々。全て点線ルート。裏ルートと言われるだけに、今回の山行中もほとんど登山者と出会うことがありませんでした。ここを日帰りで歩こうと思います。標準的なCTは16時間となっていますから、そのまま歩くと日の出前から歩いたとしても暗くなってしまいます。おおよそCTの7割から8割を目指しましたが、結果としては約7割程度で完歩することが出来ました。
色々調べていると積雪期にテント泊で歩く方もいるようなので、そんな時も狙ってみたいと今は思います。「今は」というのは、登ったその時には「もう2度とこのルートは歩かない!」と固く誓ったほどキツイ登山となりました。
いざ仙丈ケ岳・地蔵尾根を歩く
柏木登山口は車数台停められるのみ
地蔵尾根の出発地点は長野県伊那市の柏木登山口。上の写真です。無料の小さな駐車スペースですが、トイレ、水場が用意されていてとても綺麗な場所でした。車が数台停められるのみということで、登山前日に名古屋を出発、車中泊をしてスタート時間を待つこととしました。到着したのは確か午後11時ごろだったかと思いますが一番乗りでした。途中峠越えや細い林道を通りますが、GoogleMAPで無事に到着することが出来ました。
序盤・真っ暗闇の出発、ひたすら樹林帯を行く
出発は午前4時半、9月とは言えまだ真っ暗闇の中のスタートです。柏木登山口の標高は1000mを切っていますから若干蒸っとした暑さを感じたことを覚えています。余談ですが、登山のスタートの時の気持ちっていつも複雑です。ワクワクするような気持ちはもちろんありつつも、無事に歩けるのかという不安も。
柏木登山口の奥に登山道は続いています。アスファルトの道を少し進むと木製の小さな標識に目指す「仙丈ケ岳」と。果たしてこの道は登山以外で使われることがあるのでしょうか・・・そんな事を思いながら真っ暗な樹林帯の中へ進んで行きます。樹林帯と言っても鬱蒼としたというようりも手の入った明るい林のような場所。嫌いではありません。
ようやく明るくなって最初にカメラに残っていたのはこの一枚(笑)。地蔵尾根前半は林道と登山道が交差しながら進みます。車の轍もありますから、登山以外にも使われている?のでしょうね。ちなみにルート上に有人の小屋はありません。唯一仙丈ケ岳山頂直下にあるのみ。登山者も少ない事は分かっていたので熊鈴を鳴らしながら歩きます。
歩き始めて1時間10分ほどで林道の終点に到着。少し開けた場所でおにぎりを1つ口にしました。すでに明るくなってきて気温も徐々に上がっています。背中にはじっとり汗が滲んでいました。後の話になりますが、ここでも途中でももう少し栄養補給を行っておくべきでした。歩きやすい道が続くこともあり、「疲れ」を感じないまま長時間長距離を歩けてしまうのが地蔵尾根だと思います。そのことが後になって酷い事態を招くことに・・・。
写真の奥、雲海の上にポッコリと姿を現しているのは中央アルプス。
林道とお別れして写真左手の登山道へいよいよ入る!と思っていたら、まだまだこの先も林道と登山道の並走が続きました。
カラマツの木でしょうかね。金色の葉を落とすにはまだ早かったですが、その時はフカフカの登山道となるのでしょうね。
中盤・明るい森をひたすら歩く
足元にはシダの大群生。綺麗だなと思いながら歩いていると、朝露でいつの間にかパンツがビショビショに濡れていました。気にせずに先に進みますよ。
きのこがあちこちに顔を出していました。その数の凄い事。ヌメッとしたりシュッとしたり。色々な形のきのこを見つけながら歩きます、ひたすら。この地蔵尾根、そのほとんどが樹林帯で占められています。きのこ探しでもしないと気が持ちません。
多くが歩く道ではないものの、登山道は分かりやすく道迷いは起こらない?と思っていたら、実は帰路でかなり道に迷いました。気を付けないといけませんね。GPSMAPや地図は当然ながら必須です。
午前7時15分、中間地点とも言われる「松峯小屋」まで来ました。小屋と言っても避難小屋です。登山道からは少し離れているので今回は立ち寄りませんでした。スタートから2時間45分。コースタイムの約6割で歩けています。予定よりも少し早いですね。
中盤後半になると少しずつ森林限界を超えてきます。しかし思いの他アップダウンが続くため、森林限界超えた!と思ったら下ってまた樹林帯・・・のような場所を何度か通過しました。それでも確実に標高が上がってきています。
後半・ようやく仙丈ケ岳の姿が見えた
午前9時30分過ぎ、ようやく仙丈ケ岳の姿が見えてきました。長かった。ようやく!と思ってからが長いんですよね。
振り返って。
若干の岩場もあったりしますがいたって安全な登山道が続きます。破線ルートって何なんだろうなと思いますね。この地蔵尾根から見る仙丈ケ岳カッコいいですね!この稜線を歩くために今日があったんだと思わせてくれる道です。
しかし、このあたりから何だか身体が重い・・・休憩を取るもののすぐに足が出なくなる・・・身体がおかしい・・・これは・・・
地獄のシャリバテ・・・反省しても時遅し
ゼイゼイ言いながら地蔵尾根の終点、山頂へあと10分という分岐点に到着したのは10時。出発から5時間半かかりました。それでもコースタイムから55%ぐらいですが、稜線に出てからのしんどさでもう足が全く動きません。周囲には北沢峠から登って来た登山者が一斉に増えます。楽しそうな声を遠くに聞きながら、多分顔面蒼白、フラフラだったんじゃないでしょうかね。
それでも山頂はすぐ目の前、数歩歩いて休憩の連続。苦しい・・・写真を撮りながら休憩。下に見えているのが千丈小屋ですね。
途中の栄養補給を怠っていたのだと思います。明らかにシャリバテの症状です。行動食を口に入れて少しずつ前へ。
わずか10分の山頂までの最後の登りに20分以上かかってようやくたどり着いた仙丈ケ岳山頂。
岩の影に座り込んで持ってきたパンを無我夢中で食べました。コンビニで購入したパンやお菓子を食べて食べて・・・30分ほどその場で座り込んで休息。シャリバテ恐ろしいですね。もしこれが悪天候だったら、30分も動けずにいたら低体温症になっていたことでしょう。あまりにも歩きやすい道だったため、ペースを普段よりもあげて長時間歩き続けてしまったことで起こった事だと思います。改めて行動中の補給の大切さを身に染みて学びました。
ちょっと脱線しますが、今年の登山で必ず持って行った行動食がこの「くるみ餅」です。
まず何と言っても美味しい!そして携帯性に優れ、オブラートに包まれていることもあってべた付かないことも気に入りました。今回も持って行ったんですけどね~山頂で二つも食べました!
結局山頂で撮った写真は数枚のみ。雲海がとても綺麗だったんですけどね。
午前11時、30分間休息をとった後に撮影していただいた写真がこちら。その間にあたりはガスに包まれて真っ白になってしまいました。
天候が崩れそうになってきたので帰路は元来た道を一気に下ります。一気にと言っても一度シャリバテになった身体というのはそう簡単に復活するものではありません。稜線を下る際には何度も休憩を取りながらゆっくりと。樹林帯に入り、下り初めて2時間ほどすると徐々にペースが戻り始めて走れるようになるまで回復してきてくれました。登山口の柏木駐車場に到着したのは午後3時。仙丈ケ岳地蔵尾根を10時間30分かけて日帰りしてきました。この間すれ違ったのはほんの数組。そのほとんどがトレランスタイルの方々でした。
シャリバテを起こした事は大いに反省ですが、仙丈ケ岳地蔵尾根は歩きやすいルートでした。確かに標高差があり、長時間の登山となることは間違いありませんし、登りの後半までほぼ樹林帯という苦行のようなルートです。それでもこういうのが好きという人がいるのは理解できます。私も嫌いじゃないなと思っています。何と言っても長く山の中に居られるというのが最高です。そういう山歩きが好きな人にはおススメのルートではないでしょうか。
9月・仙丈ケ岳地蔵尾根日帰り装備一覧
いやー写真を見返していても疲れてきました(笑)シャリバテ辛かった・・・。そんな9月の仙丈ケ岳・地蔵尾根(晴れ)にはこんな装備で行きました。
登山装備編
・帽子 (山と道 Stretch Mesh Cap)
夏場の登山ではこの帽子一択です。メッシュなので蒸れにくくてありがたい。
・ヘッドライト (ペツル アクティックコア)
・サングラス (モンベルPLトレッキンググラス)
・ベースレイヤー(ミレー エレベーションジップロングスリーブ)
・アウター(ファイントラック フロウラップフーディー)紹介記事
・パンツ(ノースフェイス バーブライトパンツ)
・登山用下着(モンベル ジオライン L.W. トランクス)
・サポートタイツ(CW-X エキスパートモデル クールタイプ)
・靴下インナー(インジンジ ライナークルー)紹介記事
・靴下(ダーンタフ ブーツソックフルクッション)紹介記事
丈夫!7年間使えています
・皮膚保護クリーム(ProtectJ1)紹介記事
・レインウェア上(ノースフェイス クライムベリーライトジャケット)紹介記事
・登山靴 アプローチ(スポルティバ ウルトララプターⅡGTX)
・インソール(YAMAP別注山を歩くインソールカーボン)紹介記事
・トレッキングポール(フィザン コンパクト)紹介記事
・ザック(山と道 MINIカスタム)紹介記事
・サコッシュ(asobitogear ASOBI-Pocket)紹介記事 サコッシュの中身紹介
・ハイドレーション(プラティパス ビッグジップEVO)
・行動食各種 くるみ餅
カメラ関連編
・ミラーレス一眼(OM-SYSTEM OM1)
・レンズ (OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO)
・ジンバルモバイルカメラ(DJI Pocket2)
・360度カメラ(insta360ONE X2)
・スマホ(iPhone12pro)
・撮影機材関係(消える自撮り棒2本)
最後までお読みいただきありがとうございました。
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