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今日、突然殴られ考えた、障害者福祉の仕事は誰でも出来る仕事?【追記】

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最終更新日 2021-12-19

今日は久しぶりに仕事の話を書こうかなと思います。

私の仕事は知的障害者の生活支援の仕事です。私の働いているのは生活の全般に介護が必要とされる障害を持つ方が入所できる生活介護施設です。

今日は久しぶりに自閉症の男性からガツンと殴られてしまいました。とっさのことだったので避けることも出来ず、左目の下に直撃。目の下が切れて血が出ました。

あー私が悪かったと素直に思います。

今朝は彼と一緒にお菓子を作る仕事をしていたのですが、どうも落ち着かない様子だなとわかっていました。決まったルール、決まった事が思っていたように進まないと不安になってしまう彼。前日は台風で施設が半日休みになり、リズムが初めから崩れていたのでしょう。元々週の初めが苦手なだけに尚更です。

自分でやりたいと手を挙げてくれた作業でしたが、手順もバラバラになり、危ないなと見ていた時、分量外の材料を容器に入れようとしたので、付いていたパート職員さんの困りようにも見兼ね、つい「これはやめようね」と、彼を止めました。直後にゲンコツが飛んできました。

眼は見えなくなり、もちろん痛かったですし、そして「あっ網膜剥がれたかな」と思いました。今朝、もう少しで両眼の網膜剥離から1年だなと思っていたばかりだったので。
それでも平静に「大丈夫大丈夫」と声をかけました。

しかし、彼は「しまった」という様子で作業を投げ出して部屋を出て行ってしまいました。
怒られると思ったのでしょうか、何で僕のことを分かってくれないんだと怒れたのでしょうか。
多分どちらも当たりなんじゃないかなと思いました。私は「あなたは悪くないよ、私が理解できなくて悪かったね」と謝りたいと思って後を追いました。

私も知的障害者支援のプロの端くれです。彼の障害特性、彼の今日の不安感を丁寧に理解していれば、彼は誰かを傷つけずに済んだはず。申し訳ないなと…。
後を追うと彼は逃げます。

追いながら思いました。彼はこうやって思いを理解されずに、手を出してしまい、そして怒られるということを繰り返してきたのかな。辛いだろうなと。
それでも一言彼に声をかけないといけません。1時間ぐらい後を追い、逃げ、を繰り返していた時、ふと私の席の前に彼が座りました。
「止められて嫌だったの?」と聞くと、「うん」と彼。

「ごめんね、やりたかったね」と伝えると、おもむろに私の目を舐めようとします。さすがに血が出ていたのでそれは止め、大丈夫大丈夫ありがとうと伝えると、代わりに手で目を撫でてくれました。そして、「キライ」とも(笑)私は「そうだよね」と笑いました。

独特の行動と独特の気持ちをなかなか理解しずらい、してもらいにくい彼は、これまでも大変な辛さを感じながらこの世の中を生きて、生きぬいてきたんだろうなと思います。

改めてそのことをどれだけ私は理解できていたんだろうと思い知らされました。
もちろん、職員として怪我をしてはいけないし、彼を加害者にしてもいけません。商品を作る作業なので、正確に行う必要もあります。課題は沢山ありますが、まずは心を通じ合わせないと始まらない。
改めてそんなことを感じた一日でした。

さっきまで研修だったので、いま事故報告をし、明日は昼に抜けて眼科に。若干剥がれている感もあります。剥がれていたら今年の冬はもう山には行けないかもしれません。残念です。

それでも、今日は自分の認識を深める事が出来たいい一日だと思うのです。

専門職としての障害者支援職

先日、誰かが保育の仕事は簡単だ、誰でも出来ると言ったそうで話題になっていますね。
これは保育だけが言われたのではないなと感じました。障害者福祉の世界は資格制度も整っていません。言い換えれば、国は障害者福祉の仕事は誰でも出来る仕事と思っているのかなと感じています。

だから賃金も安いのでしょうか。全産業平均で月額約9万円ほど低くなっています。
でも、私はこの仕事にも高い専門性が必要だと思っています。

保育や障害の仕事が「あんな仕事」というように軽く扱われるということは、取りも直さず、それは「こども」「障害者」の存在が軽く見られている、軽く見ているということに他ならないと感じるのです。

いつかその人の身にも降りかかってくる言葉だということを、自覚できずに発っしているのかなと、想像力の欠如を悲しく感じながら、「弱者」が弱者じゃなくていい世の中は誰にも生きやすい社会なのではないかなと、そんな社会を作る仕事が福祉の仕事だよといつも思っています。

追記
今日、眼科に行き検査をした結果、網膜は無事でした。自分にとっても、彼にとっても良かったのでホッとしたました。

彼は今朝顔を合わせると、私の手を握ってきて目をじっと見つめていました。今から病院に行ってくるねと伝えると、「戻る?」と。「大丈夫、大丈夫」と伝えると安心したのか、いつもの彼に戻っていきました。一晩気になっていたのかな?時間はかかるし、とっても難しいけれど、気持を通じ合わせることは出来ると思うのです。

タイトルは疑問形にしましたが、誰でも出来る仕事ではありません。でも学びながら誰でも挑戦できる魅力ある仕事だとも思います。是非若い人に飛び込んでもらいたい。「人の人生と社会に関わる面白い仕事」ここにもあります。

常に気づきと学びを

 

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  1. highfive

    いつも楽しく拝見しています。
    みーパパさんのお仕事に対する姿勢、利用者さんへの敬意と対応、素晴らしいと思います!目に影響がなくて良かったですね。
    いつかお会いしてキャンプやお仕事の話をさせていただきたいです。
    ブログ楽しみにしていますので頑張ってください!

    • みーパパmepapa388

      highfiveさん

      コメントいただきありがとうございます。
      お恥ずかしい限りです^^;もう本当に失敗の連続、ドタバタの連続の毎日です。ですが、様々な事をそこから学び続けられる面白い仕事だと思っています。
      もしかしたら同業の方でしょうか??いつかどこかでお会いできましたら、どうぞよろしくお願いします^^

      ブログ、我が家の記録としてこれからもボチボチ書いていこうと思っていますので、どうぞご覧になってください^^
      この記事へのコメントはとても嬉しかったです。