マイナーランプ・カンブリアランタン ラピュタ・パズーのランプ 1960年製「E.Thomas & Williams TypeB」

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最終更新日 2023-12-05

「天空の城ラピュタ」でパズーが点灯するランプに憧れる

ジブリ映画「天空の城ラピュタ」で主人公のパズーとシータが飛行石とともに地下空洞空間へ降りていく。飛行石の輝きが失われた直後に灯される「ランプ」の明かりで暗い坑内が仄かに照らされる有名なシーン。これから迫りくる出来事も乗り越えていける!そんな希望を感じるようなランプの明かり。

出典:「スタジオジブリの作品」作品静止画より

パズーの持っているランプ、それこそがマイナーランプもしくはカンブリアランタンという名の古くから使われているオイルランプです。今回はそんなランプを入手したので紹介したいと思います。

オリンピックの聖火を運ぶランタン

ちなみにオリンピックの聖火を運ぶために使われるのもこのマイナーランプですね。

炭鉱夫の命を守るためのランプ

鉱夫(マイナー)のランプ

英語でマイナー(Miner)は炭鉱などで働く鉱夫のこと。マイナーランプとは鉱夫が使うランプの意味を持ちます。マイナーランプはカンブリアランタンとも呼ばれますが、カンブリアというのはウエールズの古名です。このランプが発明されるまでは炭鉱内に充満したガスに灯りとしていたロウソクの炎が引火して度々爆発が起き、多くの鉱夫が命を落としていたそうです。それでも各地から集まった炭鉱夫達は命がけで地下の奥へ奥へと進んでいたんでしょうね・・・。子どもも多く働いていたそうです。

流石にランプは改良を重ねられます。炭鉱夫の命を守るためということもあるでしょうが、エネルギーとしての石炭などの重要性からより生産力を増すために。様々な失敗を経ながら、炎を金網とホヤで囲うことで外部のガスへの引火を防ぐことが出来ることが発見されてからは「セイフティーランプ」として多くの炭鉱で使われていったそうです。ガスが充満する真っ暗な炭鉱の中、明るいとは言えないこのランプを持って潜っていった炭鉱夫はどんな思いだったんでしょう。ともかく炭鉱夫の命を守るためのランプだったというのがマイナーランプの出発点です。

現在もマイナーランプを作るE.Thomas & Williams

1860年、産業革命が終了してから20年ほど経ってから創業されたのが「E.Thomas & Williams」。考えてみると産業革命期にはまだこの安全なランプが無かったのですね・・・驚き。イギリス各地にあった炭鉱には多くのランプ工房があり、その内の一つがE.Thomas & Williamsでしたが、時代とともに石炭産業が下火になる中で各地の工房も減っていきます。そんな中でもE.Thomas & Williamsはランプを作り続け、現在ではイギリスのお土産や贈答品の代名詞となっているそうですよ。

シリアルナンバーについて

今でもE.Thomas & Williamsのマイナーランプは作られていますが、それらにはシリアルナンバーが一台一台刻印されています。このシリアルナンバーはいわゆる炭鉱でランプが使われなくなり、主に贈答品とされる中で刻印されるようになったように感じます。炭鉱で使われていた頃にも様々な刻印があるようですが、炭鉱名であったり労働者番号?のようなものが刻印されていたような。贈答品としての製品のシリアルナンバー、現在は31万番台になっているようですね。

1960年製「E.Thomas & Williams TypeB」

今回入手したのはE.Thomas & Williamsのマイナーランプ。写真では大きさが分かりにくいですが、高さ26.5cm、直径8.8cm。真鍮削り出しのためずっしりとした重さがあります。そして何といっても真鍮独特の輝き・・・。ちなみになぜ真鍮かというと、鉄製などだと炭鉱内の岩盤と接触した際に火花が発生し、ガスに引火する可能性があったからとのこと。

60年前に作られた シリアルナンバーなしTypeB

現在でもマイナーランプの製造を行うE.Thomas & Williamsですが、現行品は1970年前後から続く丸に近いプレートにシリアルナンバーが押されているのが特徴。しかし、こちらは楕円のプレートにシリアルナンバーなし。1960年、もしくはそれよりも古い製造ということになります。

自分の年齢よりもずっと歳をとったランプ。いったいどんな方が手にされていたのだろうかと想像を巡らせてしまいます。

上部には吊り下げ金具。点灯していると熱くて持てなくなってしまうということで、うっかり持ってしまわないように気を付けないと。でもきっと火傷してしまう・・・火傷治療薬用意しておかないと(笑)。いや必ず火傷する。

台座を回すとランプ部分が外れます。さらに上のネジ状の部分を回すと灯油かパラフィンオイルを注入出来ます。灯油はどうしてもススが出やすいですからパラフィンオイルオンリーでいこうと思っています。

夏には虫よけパラフィンオイルを入れて焚いておくとタープ泊の時にいいですね。

底を見ると針金が。これをコチョコチョ引っ張ると芯の長さ調節が出来るという仕組み。実は他にも色々なメーカーからマイナーランプが発売されていますが、E.Thomas & Williamsのものが平芯であるということとこの芯調整が出来るということで選択するにいたりました。

点灯!!幻想的な時間が広がる

では早速点灯していみます。芯は数ミリ出すのみに。

あまり芯を出し過ぎるとススが止まらなくなってしまいます。

いい雰囲気です。同じくオイルランプのデイツ78や20の方が明るいかもしれませんが、独特の存在感が素敵です。仄かなオイルの香り、ろうそく数本分の明るさがホッとさせてくれます。

余談ですが、今回これを書くためにオイルランプについて色々調べていたんですが、何年も前に買っていたデイツのランタンがとんでもなく高騰していてビックリしています。キャンプブームだからなんでしょうか?

マイナーランプ/カンブリアランタンの入手は

マイナーランプ/カンブリアランタンの入手について書いてみようと思います。E.Thomas & Williams製について書いてきましたが、物にもよりますが、ビンテージ品になればなるほど高価になる傾向はあります。貴重な「ハーフサイズ」では5万円~10万円などのものも・・・。ちょっと手が出ませんよね。でも大丈夫!最近では数千円で手に入るものも出てきていますので紹介したいと思います。

ちなみに海外オークションでも数多く出品されています。今回は違いますが、ランタン系を海外オークションで落とすと輸入出来ないということが過去にはありました。恐らく燃料を一度でも注入したものは航空便に乗せられない?からでしょうか。そんな時は現地の個人輸入業者の人を頼って送ってもらったことがあります。こういうコレクション性の高いものはそういう入手方法も含めて色々あるところが面白みなのかもしれません。宝さがしみたいなね。

では各種マイナーランプを紹介してみましょう。

ハイランダー製 マイナーランプ

ハイランダーやりましたね。何と5000円を切るという価格で出されたマイナーランプのレプリカ品。素材がアルミとなっています。各部様々に違いがありそうですが、小型で可愛らしい感じです。

使い勝手などのレビューはあまり高くなさそう。マイナーランプを試してみたいけれどという方にはいいかも。

・素材:アルミ
・サイズ:直径約7×17.7cm
・重量:約373g
・燃料容量:約35cc
・燃料時間:約3時間半

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

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銀の船製 マイナーランプ

ランプといえば「銀の船」というお店が浮かびます。所有するオイル系ランプのほとんどをここで購入していますが、マイナーランプも出しています。こちらは真鍮・銅製とのこと。ずっしりと重みがあることで転倒防止にもなるのはいいところ。価格も1万円を切って手に取りやすい。

・素材:主要部分 真鍮
・サイズ:22.5cm×8.8cm
・重量:1.07kg
・燃料容量:約50㏄
・燃焼時間:約10時間
・生産国:台湾

カラー、大きさもいくつか種類があります。

 

英国製・JD Burford マイナーズランプ

本家イギリス製のJD Burford( ジェイディーバーフォード)マイナーズランプ。実際に炭鉱で使われていた頃には創業されていなかったようなので、レプリカ、贈答品というところでしょうか。各種アウトドアショップでもよく見ます。実際に手に取って見れるというのは大事ですね。

 

・素材 ・ボディ:ニッケル ・グローブ:ガラス
・寸法 ・225(300)xΦ88mm ()内はハンドル含む寸法
・重量 ・780g
・オイルタンク容量 ・約30cc(約5時間)
・製造国 ・イギリス(ウェールズ)

カラー展開が豊富というのも特徴でしょうか。

 

日本で組み立て・ゴーリキアイランド マイナーランプ

マイナーランプは日本国内でも作られています(製造台湾、組み立て日本)。真鍮製品の製造を行う三重県のゴーリキアイランドのマイナーランプ。今回購入の選択肢として最も考えたのがこちら。

・素材:真鍮磨き上げ
・サイズ:巾220  丸260 高さ2450mm
・燃料タンク約50cc
・燃焼時間約5h
・重量約0.7Kg

 

価格は本家とほぼ同じもしくは高いかもしれないため今回は本家を手に入れましたが、レビューを見るととても作りは良いらしいです。

 

E.Thomas & Williamsマイナーランプ各種

最後に本家の一つ、E.Thomas & Williams。説明は上で(笑)。私は某オークションで入手しました。そちらでは古いものも流通していますので色々探すのも楽しいです。

真鍮(ブラス)道具コレクション

最後に折角なので我が家の真鍮道具一覧。真鍮の独特の風合いはいいですね。あまりメンテナンスしてませんが(笑)。

左からヴェイパラックスⅯ320ブラス

マイナーランプ

マナスル126とマナスルヒーター

武井310A

改めて調べると現在はどれも入手困難?な様子。実はなかなか使う機会が減っているのですが、放出するか、大切に寝かせておくか・・・でも改めて出してみたので久しぶりに使ってみましょうかね。その時はまたレビューしたいと思います。

 

ということで、マイナーランプの紹介でした。最後までお読みいただきありがとうございました。ランキングに参加していますのでもしよろしければポチッとお願いします。

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