【栂池から白馬三山・不帰嶮(かえらずのけん)】天狗山荘から三大キレット「不帰嶮」を越えて唐松岳へ
最終更新日 2023-12-052021年9月19日~20日、大好きな後立山連峰を歩いてきました。今回は初めての栂池から白馬三山・不帰嶮(不帰キレット)・唐松岳のルート。
今回は天狗山荘でテント泊後の不帰嶮を歩く編。針の木から唐松岳までは歩いていたのでようやくルートをつなげることができます。
では本編いってみましょう。
目次【お好きなところから】
三大キレットの一つ「不帰嶮」(かえらずのけん)
アルプス槍ヶ岳と穂高岳間の大キレット、後立山連峰・鹿島槍ヶ岳と五竜岳間の八峰キレット、そして今回歩く不帰嶮(かえらずのけん・不帰キレット)を合わせて日本三大キレット。これまでに大キレットや八峰キレットは歩いており、出来れば今年中に不帰嶮も歩きたかったというのが今回このコースを選んだ理由。ようやくその日がやってきました。
さて三大キレットと言っても危険個所は安全に通過できるように非常によく整備されており、三点支持が確実に行え、一定の岩場歩きの経験があれば問題なく通過出来ると感じます。それでもキレットを越えるというのはなかなかスリルがあって登山の時のいいスパイスと言った感じです。今回の不帰嶮では長いクサリ場などが登りとなる白馬側からが比較的容易とのこと。
唐松岳から見るとゴジラの背中のようにギザギザした見るからに険しい岩稜が続いています。ここを通るわけですね。少し詳しく書くと白馬岳側からⅠ峰・Ⅱ峰(北・南)・Ⅲ峰と3つの峰から構成されているその全体を不帰嶮というわけです。文字で伝えるのは難しいですね。本編で一緒に歩きながら紹介していきましょう。今回初めて歩いて思ったのは絶景の連続!キレットの中では一番好きかもしれないと思いましたよ。
天狗山荘から不帰嶮へ
夜中に一度トイレに起きてテントから這い出しても辺りは真っ白。ガスが濃くて周りは全く何も見えない状態です。今日のルートはコースタイムで8時間35分、距離は10kmとそれほど長くはありません。急いでも仕方がないのでいつもよりもユックリ5時前に起きて朝食を食べて出発準備。
5時半過ぎにテントの中から日の出を見て出発です。
実は天狗山荘に泊った夜は北アルプス槍ヶ岳付近を震源地とした群発地震が発生しており、距離的にはかなり離れているとは言えルート上に問題が起きていないか気が気ではありませんでした。とにかく行けるところまで行ってみる、崩落等がもしあれば無理は決してしないということを決めて向かうことに。
天狗山荘を出てなだらかな坂を登ってまずは天狗の頭を目指します。歩き始めはやっぱりガスの中。風も強くてガスが吹き飛んではまた覆っていくといった感じです。
天狗の頭を越えて下りに差し掛かったころ、突然強い横風とともに一気にガスが晴れて目の前の視界が広がっていきました。思わず声を上げてしまう瞬間。こういうことがあるから山は楽しい。
一気に下っていきます。
右手を見るとブロッケン!
ブロッケン:太陽などの光が背後からさしこみ、影の側にある雲粒や霧粒によって光が散乱され、見る人の影の周りに、虹と似た光の輪となって現れる大気光学現象
やっぱり手振っちゃいますよね。
吹き飛ぶ雲間から目指す不帰嶮、さらにその先の続く稜線が見えてきました。写真を撮りながら進むのでなかなか先に進みません。
右手には剱岳。最高ですねと居合わせた登山者の方と話しながら先へ。
緩やかな下りを稜線に沿って歩いてきます。最高の景色でしたね。遠くに五竜岳、鹿島槍ヶ岳。
天狗の大下り
緩やかな下りが終わったところでヘルメットを装着。ここからは難所の一つ天狗の大下りです。
垂直に落ちていくかのような岩場の下り。
あまりの絶景にたたずむばかり。
長い鎖の下り。足場もしっかりしているので問題なし。下りきるってさらにしばらく行くと登り返しが始まります。
不帰一峰への緩やかなハイマツの登り。
振り返るとブロッケンがハッキリと。
天狗の大下りは登りであまり使いたくない(笑)。
ハイマツの道を行くと目の前に不帰嶮二峰北峰への登りが現れます。この岩稜の右手側、西側を登っていきます。
核心部の不帰嶮二峰北峰へ
鞍部に下りて準備しますが、準備していると登る気が無くなってきそうなのでサクサクと進みます。長い鎖の区間が二か所ほどありますが鎖に頼り切らずに進むようにします。
途中にあるのが名物?空中ハシゴ。安定しているのかどうかわからないようなハシゴ。
岩場では必ずブラックダイヤモンドのクラッググローブ。登るのにも鼻水を拭くのにも丁度いい(笑)
下を見てみるとこんな感じ。壁ですね。
でもまだ上に登っていきます。
ようやく二峰北峰到着です。
唐松岳への登り
ここまで来ると核心部は終了。後は通常の岩場の稜線歩きがもう少しだけ続きます。
二峰南峰へ到着。
二峰南峰からはもう少しで唐松岳山頂。一度下って登り返します。
唐松岳への最後の登り。
午前9時33分、唐松岳山頂到着です。お疲れさまでした。天狗山荘出発から3時間15分ほどでした。
不帰嶮は大キレットよりも短く、八峰キレットよりも長い。ちょうどいいボリュームのキレット歩きが楽しめるコースでした。絶景も楽しめるしここは繰り返し歩きたくなるコースでした。
これまで歩いてきたコースの登山者とは違い、運動靴もいるような唐松岳山頂。いくら登りやすいと言ってもちょっと軽装過ぎじゃないか思う方も沢山いましたが、改めて人気の山ですね唐松岳。持ってきた行動食などを食べて少し休憩。
休憩後はあとは下山。前日は登り渋滞も起きていたという唐松岳。頂上山荘に下るまでも結構渋滞していました。
で、あっという間に八方池到着(笑)。
そして八方池山荘でカツカレー!(笑)美味しかった!
リフト、ゴンドラを乗り継いで白馬八方へ。
白馬八方バスターミナルから栂池へバス移動して車回収
帰りは栂池中央駐車場へ車を回収に行かないといけません。タクシーを使うことも考えましたが、まずは白馬八方バスターミナルへ歩いて移動。白馬八方バスターミナルではちょうど栂池行きのバスが到着とベストタイミング!わずか530円で移動できて助かりました。
次は大好きな後立山連峰をつなげて歩いてみたい。もう一日あれば唐松岳から五竜、鹿島槍へとさらに長くつなげて歩いてみたい。そんな宿題を来年以降に残したことをバスに揺られて栂池に戻りながら考えていました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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