「孤高の人」〜加藤文太郎の物語を読んで〜
新田次郎著 小説「孤高の人」
実はまだ読み終わっていません
最期、冬の槍ヶ岳北鎌尾根の部分を残して
読み終わってしまうのが惜しいから…
文庫本で上下巻のボリュームもある小説ですが、あっという間に読み進み、もう終わり?読み終わりたくないなというのが正直な気持ち。
主人公である加藤文太郎の物語の続きをもっと先まで読んでみたかったと思えてきました。
「孤高の人」は、戦前の登山家 加藤文太郎氏をモデルにした山岳小説。
失礼ながら、この小説を読むまでは加藤文太郎という名前は知りませんでした。
兵庫で生まれ、神戸の街でサラリーマンとして生きながら、一人山に登り、当時の日本山岳界の常識を覆す山行記録を次々に打ち立てていく
あくまでも小説ではあるものの、文中に登場する登山記録は、加藤氏が実際に歩いたものと一致するというから、厳冬期の北アルプスを10日間あまり単独で縦走するなど、今から見ても超人的というか、とんでもない記録だなと思います
このとんでもない登山を加藤文太郎は黙々と、そして一見変わった準備をしながらやり遂げていく様に、この小説の面白さの一つがあると思います。
日頃からの野宿の練習、食べ物を食べずにいられるようにする訓練、雪の中で寝る訓練、毎日石を背負って通勤する…全てが山のために…ここまでストイックになれるものなのか、山とはいったい何なのかと考えざるをえません
そんな超人的な加藤文太郎は極端に人付き合いが苦手。
しかし、読み手はその加藤文太郎にどんどん引き込まれていく。
それは、この小説が超人的な加藤文太郎のヒーロー伝ではない、若い一人の青年が戦前のヒタヒタと戦争に向かっていく時代の中で懸命に生きた、その記録をしっかりと新田次郎さんが描いているからだろうと思いました。
随所に当時の日本社会の様相が描かれていますが、加藤文太郎の生きた時代を知ることで、小説は山岳小説に深みをもたせてくれていると思います。
その意味でも、山に縁がない人、興味がない人でも読み進めることができる本だと思いますし、名著と言われるのも納得出来ます。
読んでいてふと、「あーお爺さんとどこかで会ったことがあるのかもしれない」と想像しました。
一昨年亡くなった祖父は加藤文太郎さんの5歳年下にあたり、同じ神戸市内須磨で、同じく船などに関わる仕事をしていました。
大きなルックザックを背負って歩く加藤文太郎を見たことがあってもおかしくないな…
もっと早くこの小説に出会えていたら、お爺さんに聞いてみたかったな(u_u)
小説の最後は決意して読もうと思います
もう少し加藤文太郎さんに関わる情報も知ってみたくなりました
9月、夕陽が当たる槍ヶ岳
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漫画の孤高の人は読みました。
でも小説のほうが面白そう。
作者の新田次郎は気象職員として富士山の観測レーダーを建設に携わってるんですよね。
道の駅富士吉田横のレーダードーム館に新田次郎のコーナーがありました。
小説家としてしか知らなかったので驚きました。
kuroazukiさん
どうも^^お久しぶりです~
漫画版があることも、今回初めて知りました^^
小説と漫画は随分違う内容になっているようですよ~
そうなんで、実は新田次郎さんはその測候所で加藤さんとお会いしたことがあるそうです。小説の中にも富士山登山をする加藤さんの様子と測候所員との交流の様子が出てきますが、もしかしたらその時のことを書かれているのかもしれませんね^^
兵庫県の新温泉町に町立の加藤文太郎記念図書館があります。ぜひ、お越しください!