保温・保冷サコッシュ「Oasis Pocket」は雪山シーズンに手放せなくなりそう

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最終更新日 2023-12-05先日の小屋締め直前の燕岳テント泊で新しいサコッシュ、asobitogearさんのOasis Pocketをテスト使用してみました。

数年前、「サコッシュ」を登山で初めて使った時には正直とても邪魔でした。二度と使うことはないだろうと思っていたのですが、asobitogearさんの「ASOBI-POCKET」に出会ってからは、サコッシュはなくてはならない道具の一つとなっています。

そのasobitogearさんが作られた新作「Oasis Pocket」の商品紹介にはこんなフレーズが。

遮熱・断熱・気密性を追求した、ウルトラライトな保温・保冷サコッシュ」

「asobitogear公式HP」より


全く新しいコンセプトのもと作られた新作サコッシュOasis Pocket」は、これからの雪山シーズンで手放せなくなりそうです。

全てが凍る雪山での困りごと

ようやく寒くなってきた日本列島。数日前まで八ヶ岳にもほとんど雪がないという情報で、「今年の雪山はどうなる?」と思っていましたが、ホッと胸を撫で下ろしています。

白銀の世界でアイゼンとピッケルを頼りに登るのは、夏山のそれとは違う充実感があります。そして美しい景色も。

しかし、夏山とは違い独特の困りごとが起きるのも雪山ですよね。

全てが凍る雪山は行動食もカチカチに凍る

2018年1月6日 西穂山荘前テン場  よく冷えました

今年の正月明けの西穂高岳。

この時も強い風と雪が降り続く荒れ模様の天候でテントの中もカチコチ。晴天だったとしても氷点下10度付近での行動はごくごく普通。当たり前ですが何から何まで凍り付きます。

困るのはサコッシュに忍ばせた行動食。冬場の行動食としては練乳チューブを持っていきますが、氷難い練乳でさえ硬くなります。夏場の行動食として一番力が出る「おにぎり」は間違って頬張ると歯が欠けそうになります。

行動食を凍らさずに食べたい!練乳だけでは飽きますからね。

サコッシュに入れておきたいけれど、低温にはめっぽう弱いiPhone、カメラバッテリー類

テント内も氷点下10度以下

もう一つ困るのは、低温で「落ちる」iPhoneやカメラバッテリー、モバイルバッテリー類。

低温状況で100%だったスマホの容量があっという間に残量わずかになる経験ってありますよね。あれです(笑)電子機器類が低温に弱いことで起こるこの現象、保温対策が欠かせません。

個人的に一番困っていたのは雪山の水分補給

色々ありますが、最も困るのは雪山での水分補給です。ビールはキンキンで飲めますが、ナルゲンなどに入れて行動中に飲みたい水分もカチコチに・・・。

もちろん温かい飲み物をサーモスの保温ボトル「山専ボトル」などに入れてザックに詰めておきますが、ザックを下ろし、中から取り出し飲むという一連の動作中に身体が冷え切って・・・。

サコッシュに入れた水分が凍らなければ、チョコチョコ飲めるのでベストですよね。

保温・保冷サコッシュという新しいコンセプト「待ってました!」

そんなことに直面しながら「どうにかならないかな?」と思っていたところ、asobitogearさんのインスタで「保温性の高いサコッシュ」を受注生産すると聞き、すぐに飛びつきました。

バリエーション豊富でスタイリッシュ、一つ一つ全てオーダーメイド

asobitogear「Oasis Pocket」

注文からしばらくして到着したオリジナルの「Oasis Pocket」。

隣は付属のアストロフォイル。厳冬期により高い保温性を発揮するためにインナーとして使用。本体に封入オーダーすることも可能とか。

アストロフォイル使用時

サイズ幅:トップ/約28cm、ボトム/約22cm
底部マチ幅:約8cm
高さ:約22cm
拡張部高さ:約5cm
重さ:170g前後(選ぶ素材により変動)

基本のサイズはこちらですが、ナルゲンの550mⅬボトルを立てて仕舞えるよう、高さを2cmほど伸ばしていただくようにオーダーし、快く了解していただきました。

ボディには「300デニールのダイヤモンド織リップストップのポリエステル生地」を使用し、色は4色から選択可能。

フロントポケット生地はボディーと同じ素材か、210デニールのHDPE(高密度ポリエチレン)グリッドストップ生地(旧称ダイニーマXグリッドストップ)、X-Pac LiteSkin LS07から選択。素材によりカラーは決まりますが、8色から選択可能。

私のものは300デニールのダイヤモンド織リップストップのポリエステル生地をボディに使い、ブラックで統一していただきました。

カラーバリエーション asobitogear公式HPより

サイズ、カラーともにオリジナルの一品をオーダー出来るのは魅力です。

4層構造で遮熱・断熱・気密性を高めながら、軽量性も維持

一般的なサコッシュは一枚の生地で外気を遮断(遮断にはならないかもしれませんが)しますが、「Oasis Pocket」は4層構造が特徴。それでいながら非常に軽量です。

保温性を高める4層構造

4層構造内容アウター生地:300デニール ダイヤモンド織ポリエステル生地
遮熱:Tyvek® シルバー(アストロフォイルを同時封入も可)
断熱:Climashield® Apex™ 3.6oz/*Primaloft ® Gold 3.0oz
気密:Tyvek® スマート

高い保温性能を実現するためまるで家の作りのような多層構造。

バッグを家と捉え、いかに遮熱・断熱・気密できるかを何度も考えました。遮熱・断熱・気密性が大事であり、それらが1つでも欠けないように、素材を吟味。山をはじめとしたアウトドアフィールドで使うためには、重くなりすぎてはいけない。それぞれの役割に、軽量素材を当て嵌めながら、持ち運びしやすくて軽量で機能的な保温・保冷バッグを作りました。

「asobitogear公式HP」より

公式からも作者の思考と工夫の様子が伺えます。

右:ベーシックな「ASOBI-POCKET」
左「Oasis Pocket」

普段使いにもしている「ASOBI-POCKET」と比べると、グッと大きくなっているのがわかりますが、これは高さを上げただけでなく多層構造によるもの。さらに細部には防水ファスナー、気密テープなどが使われています。

これだけの変更をしながら、重量は85g(ASOBI-POCKET)から170g(Oasis Pocket)と単三電池3本ほどの重量アップにとどめたのは素晴らしい。

収納性も抜群、特有の大型ポケットがやっぱり使いやすい

保温性の高さだけでなく、特徴の一つが前面の大型ポケットの存在。

ナルゲン550mⅬボトルも横向きにスッポリ

このフロントポケットがとても便利。

写真のようにナルゲンボトルやペットボトルを横向きに入れるような使い方だけでなく、飴などを食べた後のゴミを仕舞ったり、予備の手袋を入れておいたりととっても役に立ちます。

背面ポケット

身体に密着する側、背面側にもポケット。

スマホを入れておくと、身体との間で保温出来るかも。地図を入れるのにもピッタリです。

「Oasis Pocket」フィールドテスト(写真なし)

先日の燕岳テント泊で早速フィールドテストの機会を得ました。

燕岳テント泊 レポはこちら

 

テント内もバキバキに凍った朝、「Oasis Pocket」内の水・食料は無事

この日は強い寒気が入り込み、夜半には氷点下10度を下回るような寒さに。テントの中もバキバキに凍り、プラティパスに入れた水も朝には全て凍り付いていました。

しかし、「Oasis Pocket」に入れたナルゲンボトルの水、行動食おにぎりは翌朝まで凍ることなく無事でした。

使い捨てカイロでホッカホカ、気密性の高さを実感!

また、今回は偶然使い捨てカイロを入れて登り始めました。ファスナーを開けるとフワッと暖かい空気が顔を温め、説明通りの気密性の高さには驚きました。

このことは、雪山シーズンだけでなく夏の登山の際の保冷にも有効ということでしょう。ナルゲンボトルなどを凍らせておき、「Oasis Pocket」に入れて登れば冷たい水分を補給出来るだけでなく、おにぎりなどの傷みを防ぐことが出来ると思います。

 

屋外活動専用使い捨てカイロ「マグマ」は雪山登山にも冬のオートキャンプにも便利です。

まとめ

asobitogearさんの「Oasis Pocket」はサコッシュの新しい可能性を広げる一品だと思います。

言ってみれば「肩掛けコンパクト保温保冷クーラーボックス山に外気を遮断するクーラーボックスを持って登っているようでした。

冬のサコッシュにもう一つ違うものを求めている方は是非一度手に取ってみることをおススメします。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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  1. u10

    みーパパさん

    レビューありがとうございました!
    Oasis Pocketがお役に立てたのであれば嬉しいです。

    個人的には、カイロin、良いですよね。
    厳冬期に暖かい空気というか空間があるのは、なんだかホッとします^^

    商品ページにレビューのリンク貼らせていただきます!