【登山】富士山で高山病になったので自分なりに振り返っておこうと思う

Pocket

最終更新日 2023-12-05先日、平日に珍しく一日休みが取れたので、思い立って富士山へ行ってきました。もちろん見るのではなくて登りに。実は初めての富士山登山だったのですが、やはりというか高山病にやられました。それでも何とか無事に初登頂出来たのですが、初めての高山病について記録しておこうと思います。

突然襲われた吐き気とめまい

6月1日、富士宮ルートでの初めての富士登山。スタート時の天候は晴れでしたが、標高を上げるにつれて周囲はガスに包まれ、8合目手前(標高約3200m)付近で突然身体がフラッとしてめまい、軽かったものの吐き気に襲われました。足を前に出すたびに吐き気に襲われ、これが高山病か??と思いながら何とか8合目の小屋前まで到着(休業中)。足を投げ出して地面に座り込んでこの先進むべきか戻るべきか考えました。

富士山登山と高山病

富士山、標高は3,776mで言わずと知れた日本最高峰の山。数年前には世界遺産に登録され、登山者も年間30万人を超えていたと思われますが、調査によると約半数の登山者が頭痛など高山病の症状を発症し、高山病により登頂を断念する人が多いのも実際のところのようです。

症状としては以下のようなものが多いようです。

疲労感、脱力感
頭痛、めまい、食欲不振
吐き気、嘔吐など
反応も鈍るため、仲間同士で声の掛け合いが効果的。
脳浮腫や肺水腫といった死に至る病気を併発することもあります。

最悪は死を招くこともある高山病。実は長男は過去に高山病らしき症状にかかって奥穂高岳登頂を断念しています。間近に辛そうな様子を見ていたのでもちろん知ってはいましたが、自分がなってみると本当に辛いものだなと改めて実感しました。

なぜ今回自分は高山病になったのだろうか

今回のことから高山病の怖さも知る事になりましたが、それ以降何故だったのだろうかと考えています。富士山は一度登っておけばいいと正直思っていた山なのですが(失礼)、もう一度十分に対策をして臨んでみたいという思いに今は変わっています。その時のためにもしっかり反省点をまとめておきたいと思います。

原因①寝不足・登山前の疲労

今回は明らかに寝不足でした・・・。富士登山の前の仕事がかなり激しく、24時間連続勤務が中1日あけながらも4回続き、慢性的な寝不足や睡眠リズムに狂いが生じていました。前日は24時間勤務が昼頃に終わり、午後10時頃にようやく横になりましたが、起床して富士山に向かったのが午前3時前。約3時間ほどの運転ののちに富士宮口5合目に到着したのは6時を少し過ぎていました。長距離の運転の疲れもあり、30分ほど仮眠を取りましたが、出発をあまり遅らせるわけにもいかず午前7時過ぎには登山開始。寝不足、疲労が蓄積していたまま登った事が一番の高山病の原因だったと思っています。

自分は大丈夫!ということはないのですよね。肝に銘じなければと思います。

原因②高度順応の時間が短かった

登山口となる富士宮口駐車場の標高は2400mと登山口の中でも最も標高が高い位置にあります。北アルプスの涸沢の標高が2300mですからそれよりも高い位置から奥穂高岳や北穂高岳よりも高い富士山山頂に向けて歩くということになるのですね。

新東名の新富士インターを下り、スカイラインを通って富士宮口まで到着するのはわずか40分~50分ほどです。急激な高度の変化に身体が慣れるはずがありません。1時間から2時間程度登山口到着から出発まで時間を取るべきというのは納得です。ちなみに自家用車で登山口に向かう登山者ほど高山病にかかっているようです。

原因③時間あたりの標高の上げ方は適切だったか

富士宮ルートは山頂までの最短距離のルートということで、吉田ルートに次いで登山者が多いとのこと。私もまさにそのためにこのルートを選びましたが、当然ながら他のルートに比べると急な登りが続き、岩場などもイメージよりも多く体全体を使って登る場所もありました。

出発時は気温も低すぎず、風も穏やかで気持ち良くスタートすることが出来ましたが、振り返ってみるとスタートから1時間で約450~500mというペースで標高を上げていました。北アルプスの場合などと同様のペースではあるものの、やはり元々の標高が高いこともあってオーバーペースになっていたと思います。

富士宮ルートの山頂までの標準的なコースタイムは約5時間程度だと思いますが、最初こそコースタイム以上のペースで歩いていた私ですが、結局高山病にかかってコースタイム程度で登頂ということにりました。意識的にペースをコントロールし、早すぎる場合は高山病にかかるリスクも高まっていると考えなければいけなかったと思います。

原因④行動食・水分補給は適切だったか

行動食はずっと食べ続けていました。今回は最近の登山で自分的に流行っているくるみ餅や定番のあんこ系のものを持参しました。一方で気温の低下がありうると考え、おにぎり系は持っていきませんでした。水分についてはトータルで1L程度しか補給しなかったようです。これは明らかに少ないように思います。反省点です。

原因⑤気温、天候

どれだけ寝不足でなくても、高度順応をしていても、エネルギー補給を行っていても、山の天気と身体との関係も改めて理解しておかなければいけないと今回痛感しました。

登り初めの晴天から徐々にガスに包まれ、8合目手前では周囲は白くなってきていました。気温も下がり、恐らく気圧も下がっていたと思われます。7合目付近から上着を着用したり手袋を装着したりしましたが、その時点で既に身体が少し冷えていたのかもしれません。後から調べると体温の低下は高山病の原因になるようですし、気圧が下がることも原因になるようです。リスクが高まる気象条件であることをしっかり理解して早目に対処しなければいけませんでしたね。

以上、大まかにですがこんなように振り返りました。寝不足の体で高度順応も疎かにしてオーバーペース気味にリスクの高い天候の富士山に登っていたと考えれば、起きるべくして起きた高山病だったのかもしれません。体質などにもよるようですから一概には言えませんが、私もごくごく普通の人間の身体なのだと思いました(笑)。

もう一つ実は感じているのは、未知の標高に対する心理的要因もあったかもしれないということです。今回の富士山登頂により国内3000m峰23座は一度以上は登る事が出来ました。しかし、富士山の標高は第二位の北岳(3193m)と比べても約600mも高く別格です。偶然かもしれませんが、3200m付近で高山病の症状が出たのは、未知の標高に踏み込んだことに対する何か心理的な要因がもしかしたらあったのかもしれません。少なくとも初めての標高だということでドキドキしていたとは思っています。

高山病にどう対処したか

8合目の小屋に何とか辿り着いた後、10分程度でしょうか身体が冷えないようにしながら休息を取りました。座り込んでいればめまいや吐き気が強まることはなく、とにかく深呼吸を繰り返しました。高山病は血中酸素濃度が低くなることで現れる症状ですから。症状は落ち着いていたので登山を続けることとし、コースタイムで30分の9合目に建つ万年雪山荘へ向かうことに。

しかし、その途中で吐き気が徐々に強まってきました。何とか9合目に辿り着いた時には足が脱力するような症状も現れ、下山も覚悟しなければいけないかと思い始めていました。しかしまずは以下の事を行うこととしました。

①栄養・水分補給
②深呼吸をして体に酸素を取り込む
食欲は落ちていなかったので、持っていた行動食の大半を口に詰めこみ水分を多目にとりました。しかし、最も効果的だったのは40分近くのその場での休憩でした。万年雪山荘前にある石積みの壁にもたれて目をつぶりながら深呼吸を繰り返しました。30分ほどしたあたりから徐々に力が戻ってくるような感覚があり、脱力感が消え、吐き気が止まっていきました。もしこの時後少しと思って休憩を取らず先を急いでいたら動けなくなっていたかもしれません。小屋も営業期間前なので危なかったですね・・・。幸いにも9合目に到着した際に一時的に青空が戻り天候が回復したのも良かったです。

その後復調を確認して慎重に先へ進み、無事に登頂することが出来ました。しかし、果たして本当にそれでよかったのか・・・悩むところです。無理をせずに戻る選択も十分あったと思います。山は逃げないというように、また対策をして登る事も出来るでしょう。今回は高山病を発症しながらも偶然登ることが出来ましたが、少し風が強かったら、気温が低かったらなど状況は常に変わるものだと思います。出来る事は事前の準備のみ。今回の事を振り返り、もう一度富士山へ登ってみたいと今は強く思っています。

それにしても山では様々な事が起こります・・・熊に遭遇して襲われかけたことも。

今回の事もいい経験にしなければいけませんね。

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でみーパパをフォローしよう!

Pocket

こんな記事も書いています

  1. この記事へのコメントはありません。