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【レビュー】登山のカメラ携行を劇的に便利にする、進化したpeak designの「キャプチャーV3」を3ヶ月間冬期登山で使ってきた結果と、装着個所についての考察

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最終更新日 2023-12-05

登山の撮影を手軽に気軽に楽しみたい

登山の記録の目的であったり、目の前の圧倒的な景観を切り取ってみたいなど理由は様々ですが、多くの方が登山の際に写真や動画の撮影を楽しむと思います。

スマホのカメラもとても進化し、手軽に綺麗に撮影できるようになりました。ポケットからサッと取り出して撮影するという姿は山でもよく見かけますね。

しかし、一眼レフカメラや中型のミラーレス一眼となると、ウェアのポケットからサッとというわけにはいきません(笑)
・ストラップで首から下げる
・カメラバッグを担ぐ
・バックパックの中に仕舞っておき、必要な時にその都度取り出す・・・

私を含め登山者の殆どは写真のプロではありませんから、綺麗な写真は撮りたいけれど、より手軽に撮影を楽しみたいというのがニーズだと思います。少なくとも私は。

登山バックパックのショルダーベルトにカメラ装着

そんな中、最近よく見かけるのがバックパックのショルダーベルトにカメラを装着するスタイル。

peakdesign公式より

この写真のように、肩口にカメラをぶら下げて歩く登山者が、増えてきていると思います。

私も昨年オリンパスのミラーレス機を購入した際、「peak design(以下PD)」社のキャプチャープロカメラクリップという商品を購入し、この携行システムを導入しました。

旧型「peak designキャプチャープロ」を約1年間使ってみて概ね満足

上記記事に書いて以降、旧製品を山に行くときには常に使ってきました。

当初はカメラがブラブラ揺れないだろうか、ぶつかって壊れないだろうかなど色々思いましたが、その手の心配は必要がありませんでした。

それ以上に、肩口に装着されたカメラに手軽にアクセスし、即座に撮影出来るという利点は大変大きく、概ね満足して使っていました。

ただ、カメラ着脱動作に若干の硬さがあったり、それなりに大きいということなどの不満も無かったと言えば嘘になります。

新型キャプチャーの発売に迷わず購入

そんな中、クラウドファンディングにて、peakdesignがキャプチャーシステムの改良新型を製作するということが昨年発表されました。

どうやら新型はより小型・軽量化されるとのこと。期待を込めて購入させていただきました。

進化したキャプチャーV3

昨年12月に到着してから約3か月間、季節的に雪山メインとなりましたが、この間の全ての山行で使ってきました。

赤岳にて

西穂高岳にて

使ってみての結論を先に書きますが、ありがとうpeakdesign!ありがとう進化!ようこそキャプチャーV3と声を大にしていいたいという気分です(笑)

感覚的にそんなことを言っても理解していただけないので、以下のポイントにまとめてみました。

進化ポイント
・カメラ着脱が劇的にスムーズになった
・小型・軽量化された
・本体背面に滑り止めが追加され、登山中にずれ難くなった
・質感が上質に生まれ変わった
→このことでかはわかりませんが、厳冬期の山で昨年起きた事故が今のところ起きていません(後述)

他にも体への当たりが和らいだという意見も多いようですが、個人差もあるようなので参考程度に。

一つ一つ見ていきたいと思います。

カメラ着脱が劇的にスムーズになった

これこそが新型キャプチャーで最も期待される部分ですね。後から触れる部分がどれだけ改良されていたとしても、登山中にカメラを構えるのにストレスを感じるようでは、このシステムの意味がありません。本領発揮が求められる部分で、キャプチャーV3は期待に応える結果を出してくれています。

「ガチャ、ズシャ」から「スチャ!」

まず、プレートをカメラ底面に付属のミニレンチを使って固定します。この部分を本体にスライドさせて着脱を行います。基本的な構造やシステム自体には変更はありません。

しかし、キャプチャーV3は旧型とは別物と思えるほどに滑らかな装着感へと進化しています。

旧型は、プレートをスライドさせる際に、引っかかることが多かったのです。1年ほど使ってようやくこなれて来たかなと思ってはいたのですが、新型はまったく引っ掛かりがありません。

一言で言って「スムーズ」なのです。
音で表現すると、旧型は「ガチャ、ズシャ」、新型は「チャ!」(笑)。まるで着脱面どうしが吸い付くかのような滑らかさがあります。

冬のオーバーシェル着用による着脱面の見にくさという条件下でも使いやすくなった

冬場の登山は分厚いオーバーシェルやゴーグル、バラクラバなどにより視界が遮られます。カメラを装着する肩口は見えにくくなります。実際には装着面がほぼ見えないことも。

しかし、キャプチャーV3は旧型に比べて数段使いやすくなりました。ただノールックで装着できるまでではありません。慣れなのか、さらなる改良の余地があるのか・・・使いながらも、更に期待です。

衣類が薄手になり、装着面が見えやすくなるこれから夏場にかけての登山において、その進化が発揮されやすい時期だと思われます。非常に楽しみです。

旧商品を使われている方でも、買い替えをした方が幸せになれると、個人的には断言できます。

小型軽量化された

右が旧型、左が新型ですが、見るからに小型になっていることがわかるかと思います。V3は75ℊですが、旧型に比べおよそ30%の軽量化に成功しています。

非常にコンパクトです。

薄くなっています。全体的になめらかに加工が施され、丸みを帯びているのが特徴です。

取り外しボタンには課題あり

キャプチャーは本体左側のボタンを押し込むことで、カメラに取り付けたプレート部分が外れる仕組みになっています。旧型も同様の仕組みでした。このボタンも小型化されたように感じます。

登山中にはグローブなどをしていることが多く、特に冬場はオーバーグローブでこれだけ小さなボタンを正確に押し込むのは難しい場面ががありました。

さらにこのボタン、回転するとロックがかかる仕様になっています。グローブで作業していると、いつの間にかロックをかけてしまっていることが何度かありました。解除するにはボタンをつまみ、回さないといけませんが、この小さなボタンを摘まむのは非常に面倒な作業でした。

ボタン押し込みによる着脱については、例えばボタンを大きくするなど、更なる操作性の向上が課題だと思いました。キャプチャーにとって、滑らかな装着感と同じぐらいシステムの肝に当たる部分だと思います。

ロック機能については正直個人的にはいりません・・・。

背面に滑り止め加工追加、ズレ難くなった

これは地味に重要な変更でした。

ショルダーベルトを挟み込む部分に、ゴム状の滑り止め加工が追加されました。

旧型では使用中にカメラの重みに負けてショルダーベルトの固定位置からズレ落ちることがありました。新型ではほとんど起きなくなりました。

質感が向上した

全体がマットブラックになり、落ち着いた雰囲気と高級感が生まれました。表面加工が美しくなったというように感じます。

凍結による使用不可が起きなくなった

実は、旧型では着脱面が雪山で凍結し、カメラの着脱ができなくなるということが過去2回ほど起きていました。

極度の低温による影響だと思いますが、新型はこのなめらかな加工によるものかどうかはわかりませんが、凍結による使用不可状態には陥っていません。引き続き状況を見ていきたいと思います。

その他

取り付け幅

ショルダーベルトへの取り付け方法は旧型と変わらないものの、挟み込むことが可能な幅は若干短くなっているようです(旧型70mm→新型55mm)。

ただし、旧型がかなり広かった印象を持っていますし、ショルダーベルトの多くは肩口から下部にかけて絞られていたり、変形させることも出来るかと思うため、個人的にはほぼ問題はないのではないかと感じています。心配な場合は手持ちのショルダーベルトを実測されることをお勧めします。

OLYMPUSミラーレス一眼をしっかり支える

レンズを大型のものにすると、オリンパスのミラーレスでもそれなりの重量になるのですが、しっかりと確保してくれ、安心して登山に集中できています。

【私的考察】キャプチャーを左手側ベルトから右手側ベルトに移動させたら使いやすくなった

最後に私的考察です(笑)このキャプチャーV3を快適に使う上で、自分的にはもう一つ工夫?が必要でした。

先日の唐松岳では、これまでバックパックの左手側ショルダーベルトに取り付けていたキャプチャーV3を、右手側に取り付けてみました。

ピークデザインの公式などを見ると、どれも左手側に取り付けられています。このことが影響したと思いますが、これまで何となく左手側につけるものだ!と思い込んでいました。

peakdesign公式より

左手側に装着すると、カメラを取り外そうとする右手は、体の前を交差してカメラをいじる事になります。その際ボタン部分がウェアと接し、手首の角度も窮屈だなと思っていたんです。

そんな時、何気なくいつもと反対側、ショルダーベルト右手側にキャプチャーを取り付けてみました。全くの偶然ですが、カメラの着脱がよりスムーズに感じ、正直こんなことで?と驚きました。

右手側に取り付けると、ボタン部分がよく見えます。先入観にとらわれず、他にも使いやすい取り付け方法があるかもしれません。今後もキャプチャーV3を試しながら、登山での撮影を楽しんでみたいと思います。

 

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