残雪期の西穂高岳ーテント泊山行(2)

北アルプス
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2018年3月31日‐4月1日、北アルプスの西穂高岳へテントを背負って登ってきました、その2です。

暑いほどの初日の陽気、テン場で読書したり昼寝したりとノンビリした翌朝、起きたのは4時前。

さあ西穂高岳へ向けて出発です。

残雪期の西穂高岳、雪と岩のミックスルートを歩く

テント泊の夜ー若干装備など

初日、テントの中で眠りについたのはいつもよりも少し遅めの9時頃でした。周りのテントはすでにすっかり灯が落ち、寝息も聞こえてきます。それでも眠れなかったのは本を読んでいたから。結局この日は重松清の「卒業」を読み切ってしまいました。

kindleのページをめくるシュラフから出る手がすぐに痛くならなかったということは、それほど気温の下がらない夜だったのだろうと思います。

山でのテント泊では夜中にどうしても何度か起きます。喉が渇くから。この日も3度ほど起きては水分補給。ナンガのUDD810DXと今回初投入したエクスペドのダウンマットウインターのお陰で全く寒さを感じることなく、よく眠ることが出来ました。ちょっと暑かったですね。この日のコンディション的にはUDD380DXでも十分だったかもしれません。そうすればあと数百グラム軽く出来ましたね。

出発準備、コースタイムなど

目を覚ましたのは起きる予定の10分ほど前。アラームの前に起きだしました。時間は3時50分でした。テントの外では少しずつ準備の音がし始めています。とりあえずトイレへ向かうと明るい月が沈もうとしていました。ヘッドライトがいらないほどの月明かりでした。

取り合えずお湯を沸かし、リゾッタと牛丼の素を食べることにします。アミノ酸顆粒も摂ってみます。

今回はカレー味にしてみました。行動前に短時間で温かい食べ物を食べようと思ったとき、3分でアツアツのご飯を食べることが出来るモンベルのこのフリーズドライ米シリーズは本当に便利です。

改めて、ここで今回のルートのおさらいです。ロープウェイを利用して利用して登ることの出来る穂高の雪稜は、雪山ステップアップの場所としてよくおススメされる場所です。1月の厳冬期の際には暴風により独標までで諦めましたが、天候の落ち着く3月以降は残雪の穂高、岩と雪のミックスルートを楽しめる場所となります。

 

雪の西穂高岳雪山ステップアップに最適な山
・独標まででも十分に経験が積める
・独標から先は風やルートの状況により判断
滑落事故が毎年起きるルート。決して無理は禁物

今回はもちろん独標の先、西穂高岳山頂まで歩きます。

西穂までのルート「山プラ」から抜き出してみました

 

コースタイムはこうなります。

西穂山荘→90分→西穂独標→90分→西穂山頂→70分→西穂独標→60分→西穂山荘
合計5時間10分

 

西穂山荘前→丸山→独標

食事を終え、装備を整え出発です。5時20分でした。ちなみにテント内に置いておいたプラティパスの水が凍っていたので氷点下まで下がっていたとは思いますが、テント内は結露することはありませんでした。

予定より少し遅れてしまい、すっかり辺りは明るくなっていました。雪はしまってちょうど歩きやすくなっています。アイゼンが気持ちよく刺さりこむ音と感触ってとても独特でとても好きです。

小屋前からの登り始めはわりと急登です。この登りの途中から振り返る景色がとても美しく、何度も何度も振りかえってしまいます。その景色はこちら。

手前の焼岳はしっかり見えていましたが、乗鞍方面は少しガスがかかっているようでした。続々と西穂へ向かう登山者が準備を終えて登り始めます。静かな緊張という感じの時間が見えるこの場所からの風景が好きです。

急な斜面が一段落すると、次第に緩やかな登りに変わってきます。風は若干強まってきました。予報では10ⅿほど。北アルプスの風としては微風でしょうか。

西穂方面は少し雲がかかっていますが、西の空は暗くないので次第に取れて来そうです。

右手の信州側の眺望のよい場所では前穂高岳が美しく見えました。

多分前穂ですよね?(笑)次第に東の空がオレンジ色に染まり始めました。太陽が出れば少し風が変わりそうです。そして、雪も悪くなります。早朝勝負の西穂高岳。先を急ぎます。急ぎますといいながら、この出だしから独標までの登りが地味にしんどいのです。

広い稜線はホワイトアウトすると方向を失う恐れのある場所です。この日は登るにつれ次第に狭く狭くなっていく稜線を満喫しながらの気持ちいい登りです。

雲がなんだか綺麗でした。

10分ほど前に同じくテン場を出発した4人組に追いつきました。前方にモデルとなってくれる登山者がいてくれると、単独登山者としては写真が撮りやすかったりします。着いて行くことにします。

稜線が狭くなってくると同時に、目の前に独標がハッキリと見えてきました。すでに独標には先行者が到達しています。

振り返ります。乗鞍の山頂部を覆っていた雲も少しずつ薄れ、全体がオレンジ色に輝き始めました。美しい山並みです。

霞沢岳がとてもカッコいい。

先ほどの4人組を少しパスして前に回ります。少しの時間でも色合いが次々と変わっていく360℃の景色が贅沢です。

おはようございます。眩しい。

独標まであとわずかというところで朝日が差してきました。

朝日に照らされた雪の斜面はツルツルに輝いていました。滑り落ちたら大事故です。でも、息を飲むほど怖く、そして美しい光かたでした。

独標直前、飛騨側の緩いトラバースを通り直下まで迫ります。独標標識もハッキリ見えてきました。岩がかなり出ており、アイゼンをひっかけて転ばないように注意しながら進みます。転んで斜面に滑りこんだら止まらないかも。

一つ目の核心部は独標への登り。雪は少なくなってきています。アイゼンで岩を掴んで登らないといけないので、そういう経験があった方がいいと思いますが、特に問題はありませんでした。直下の鎖は全て出ていましたが、鎖はこの時期信用出来ないので掴まない方が無難かな・・・。

前のグループをパスして先に独標に立たせていただきました。パスしたので写真撮影できず。

独標から独標への登り部分。1月には無かったステップが刻まれていました。登りはそれほど高度感はありませんが、下りは注意が必要ですね。

少しガスっていますが綺麗です。風もまあまあ弱めではないでしょうか、順調な滑り出しです。

登ってきたルートを振りかえります。やっぱり好きですここからの景色。山になぜ登るかと聞かれたら、答えは困るのですが、ただ少なくとも一つ言えることは、自分の足でそこまでいかないと絶対に見ることが出来ない景色を死ぬまでに見てみたいとは答えるのでしょうね。多くの登山者がそんな思いがあるのではないでしょうか。

一度そういう世界があるのだと思うと、強力な磁力で惹きつけられるのが山の魅力です。

独標→ピラミッドピーク→西穂高岳山頂

独標から先は経験者の世界とよく言われます。出来れば夏に一度以上は歩いている方が望ましいのだろなと思います。独標までで怖いと思う場合は躊躇なく戻った方がいいだろうと思いますし、気候のコンディションによって判断が必要になりますね。

この日は行きます。

独標からまずは下ります。気分的にはこの下りとこの先のもう一つの下りが一番の心理的核心部かもしれません。ここを抜けると若干マヒします。

雪は飛び、アイゼンの爪の先が刺さるという雪面の状況でした。滑落の危険性はあります。残雪期だからと言って舐めてかかると痛い目に会うのだろうと思い、注意しながら下ります。

独標を下り、すぐに同じぐらいの岩峰を登り返します。その途中から独標の下りを見ると、こんな感じです。

独標からは十数峰の岩峰を一つずつ超えていきます。独標の下り、独標の次の岩峰の下りが気分的には嫌でしたね。技術的には特に難しいと感じるところは今回に限ってはありませんでした。好天が2週間続き、ルートがしっかりしていたのが大きいですね。

落ちません。

かなり岩が露出していますね。一週間前の様子とは随分違います。

まだ独標からはこれだけしか来ていません。なのに見える景色が全く違います。後ろからは暫く誰も来ていません。気分的には楽ですね。

写真で見ると稜線のルートはとても細いですね。実際にかなり細く、神経を使うルートばかり。気は抜けません。

でもこれが楽しい。やみつきになるのです。雪山、雪のミックスルートは八ヶ岳でも沢山歩きましたが、本当に綺麗で楽しい。

少し広めの稜線を空に向かって直登していくと。

ピラミッドピークに到着です。そして、その先には西穂高岳山頂がもう目の前に迫ってきます。

振り返ります。独標が随分小さくなりました。

さあ、もう一息です。行きましょう。またモデルさんに登場してもらいましょう^^

なんだか日本ではないような雰囲気ですね。穂高はそれを強く感じさせてくれます。

岩にへばりついた雪ごと崩れたりしたら・・・常にそんなことを考えながら、一歩一歩確実に。7峰のマーキングが見えます。一つ一つ山頂へ向けて数を減らしていきます。

飛騨側のトラバースが続きます。結構いやらしいトラバースです。

振り返ると狭い稜線をつなぐルートということがよくわかりますね。

雪面はこんな感じです。雪というよりも氷ですね。

4峰は迂回。途中、夏場でもちょっと嫌な切れ落ちた場所を数回通過します。怖さを感じなければいいのですが、アイゼンをひっかけないようにだけいつも以上に注意して進みます。

3峰 近づいてきました。

登っては下りて、登っては下りて、その繰り返しを何度も何度も。

そうすると、ようやく目の前に西穂への直登ルートが見えてきます。いよいよです。

飛騨側の斜面を登ります。

すれ違った登山者。まるで空の上を歩いているようでした。ちょっと好きな一枚。

そして山頂直下へ到達。もあとは一登りするだけ。雪の状態もよく最高。青も増してきた。

あと数メートルが勿体ない。イケイケと思いながら、もっと歩いていたと思わずにいられない。山頂に着いてしまうのが勿体ない・・・。そんな不思議な感覚。

8時頃だったと思います。標高2909ⅿ、西穂高岳登頂。お疲れさまでした。

来たルートを振りかえります。

さらに先にも続いています。ただ、今はここまで。まだまだ経験が足りません。

記念に一枚撮っていただきました。

冬の山頂部はとても狭いので、10もいるといっぱいという感じ。5分もせずに下山を開始しました。別に時間がなかったわけではありませんが、気温の上昇で雪の状態が徐々に悪くなりそうでしたから。

西穂高岳→下山

直下はクライムダウンする必要があるようですが、この日は大丈夫でした。念のためにクライムダウンの姿勢で下りる方もいましたが、写真でわかるようにかなりステップが刻まれていたように思います。それでももちろん慎重に。

ルートとしては同じルートを戻るということになるのですが、景色がまた違って見えます。写真連続で。

あっという間に。名残惜しい。

綺麗なルート。

ピッケルの穴の中は綺麗な青色です。

独標の一つ先の岩峰。ここの雪の付き方があまりよろしくなかったのです。岩の上に薄っすらついているというか。ちょっと嫌でしたね。ここで引き返す人もいました。

前穂だと思う・・・(笑)今年の夏も歩きたいですね。

独標到着。独標からの下り。

下山は本当にあっという間に。お疲れさまでした。9時半になっていなかったと思います。約4時間。十分日帰り範囲なのですが、雪の時期のこのルートはじっくり時間をかけて楽しみたいルートですね。じゃないとちょっと勿体ないです。

西穂山荘→下山

パパっとテントを畳み、荷物をまとめて下山準備完了。まだ午前早い時間ではありますが、お腹が空きました。

山荘で食事を食べてからユックリ帰りましょう。通年小屋ってありがたい。

山荘カレーとホットコーヒー。疲れも吹っ飛ぶ美味しさです。

今回はあまり入り浸りませんでしたが、西穂山荘さんありがとうございました。

下山はとても暑かったので初めからベースレイヤー一枚で。ロープウェイ駅到着まで暑くて暑くて大変でした(笑)夏か!

振り返ると笑いが止まらないような山歩きでしたが、最後に体に異変が!

今回、先日施したベースレイヤーの吸汗性の復活がとても効果を発揮してくれました。これだけの暑さでしたから相当の汗でウェアがびっしょりかと思ったら、サラッとしていました。もちろん濡れいているには濡れているのですが、汗が全体に拡散してくれていて濡れている感じがとても軽い。購入当初の性能を取り戻したような感覚でとても嬉しかったです。登山ウェアの新たな必需品となりました、ファイントラックのBASERECOVER

ロープウェイの時間が合わず・・・結構待ちました。

まあ展望所で景色を眺めたり、ソフトクリームを食べたりとノンビリ楽しめましたけれど。この日も絶好の天気に観光客の方が大勢詰めかけていました。

ロープウェイに揺られながら二日間の山行を思い返し、ニコニコしていたと思いますが、気持ち悪いですよね(笑)

でもそんな気持ちになれる最高の登山になりました。しかし、下界へ降り立った途端、体に異変が・・・。

クシャミが止まらない!駐車場の深山荘までの間ずっとクシャミ(笑)しまいには西穂では一度も転倒しなかったのにクシャミのついでに転倒。。。(笑)山でなくて良かった。下山したら花粉症の症状が酷くなっていました。

一緒に書き切ろうと思っていましたが、「西穂高岳番外編」続きます

 

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