登山の虫対策。石油化合物「ディート」か自然由来「ハッカ」のどちらが有効か?試しながら登ってみた

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最終更新日 2023-12-056月に歩いた塩見岳で早くも2か所ブヨ被害に合い、腕がパンパンに腫れあがってしまいました。

うっかり虫よけグッズを持って行くのを忘れてしまっていたんですね。考えてみると、毎年失敗してから「あぁ虫対策しないと」というお粗末さ。

今年も失敗を教訓に?!先週末に歩いて来た西鎌尾根では、「どっちが効くかな?」と二種類の虫よけ対策を比べるべく試してきました。

「塩見岳」「西鎌尾根」の登山本編を書く前に、試してみた虫よけ対策の効果などについて、個人的な感想になりますが、書き記しておこうと思います。

怠ると登山の楽しみも半減?登山・キャンプの虫対策

数年前に焼岳に登った際、一緒に登った長男みーはブヨの大群に襲われて、大変なことになりました。これからの時期、山では人間を襲う虫が多く発生しますが、虫の住み家を歩くわけですから、当然と言えば当然です。

しかし、虫がブンブンと顔の周りを飛び回り、耳に入ったり、鼻に飛び込んだり、しまいには口の中に…よくあることですが、まさに虫唾がはしります。以前、顔の周りを飛び回る虫が鼻の中に入ってしまい、鼻の中で動き回る虫にのたうち回った事があります。不快なだけならまだしも、痛みや熱を伴う被害にあうことになると、登山の楽しみも半減ですね。

ここでは、山でよく被害にあうブヨについて、被害をどう防ぐのか、対策を考えてみたいと思います。

夏山シーズン突入、2種類の虫対策グッズを準備してみた

まずは出来るだけ虫被害に遭わない格好を心掛ける

これは対策というかわかりませんが、出来るだけ虫被害に遭わないような恰好を心掛けるのは大前提かもしれません。短パン・半袖で登山をすれば、恰好の餌食となってしまいます。

基本的には肌の露出を極力控えるということが原則なんだろうと思います。ただ、暑いですよね。パンツについてはベンチレーションのあるものを使うようにしていますが、長袖は思わず腕まくりしてしまうことも多いかと思います。私もそう。

衣類でのケアを補う形で、虫よけグッズは必需品になるのだろうと思います。

顔をスッポリ、防虫ネット

虫に一番やられるのは感覚的には頭部、顔面だと思います。これが一番効果的なのかもしれませんね・・・。たまに見ますが、私は使ったことありません。登っていると息苦しくないのかな?とはちょっと思いますが、かなり確実に虫よけにはなりますよね。

 

 

その①「蚊・マダニよけローション」、石油化合物ディート配合

今年、初めて虫よけとして投入してみたのが、児玉商会の「蚊・マダニよけローション」。ディート配合(7%)。児玉商会と言えば、知る人ぞ知る「パワー森林香」の発売元です。

 

 

こちらはローションタイプなので、1日の内に数回塗ることで害虫から身を守るとされています。しかも、ウォータープルーフ。夏場の屋外使用では嬉しい。果たして汗などで効果が落ちないのか、実際に害虫の予防になるのか試してみたくて購入しました。ディートは最強の虫よけと言われていますから、後で述べるハッカスプレーの弱点を解決してくれるか期待です。

こちらの商品はサイズも手のひらに収まるサイズ。サコッシュのポケットに入れて持ち運んでみました。ちなみに、効能にブヨにも効くとうたわれています。

不安点としてはやはり自然由来の成分ではなく、ディートが配合されているということでしょうか。健康被害も報告されているディート。幼児などの使用には厳重な注意が必要であることが伺えます。

12歳未満のお子様に使用する場合は、保護者の指導監督のもと以下の回数を目安に使用して下さい。
6か月未満のお子様には使用禁止となります。
・6か月以上~2歳未満のお子様は、1日1回の使用。
・2歳以上~12歳未満のお子様は、1日3回の使用。

「蚊・マダニよけローション」注意事項より

その②定番、自家製「ハッカ油スプレー」

こちらはもう有名?でも実際に登っていると使っている人はそれほど多くないような気がします。

虫がハッカの香を嫌がるということで、天然成分であるハッカ油を使った比較的安全な虫よけ剤。ドラッグストアなどで材料は簡単に手に入り、誰でもすぐに作ることが出来ますし、経験的には確かに効果も高いと言える虫よけ剤です。

ただし、効果の持続時間は短く、常にプシュプシュと吹きかけなければいけないというのが弱点でしょうか。

試した結果は・・・登山虫対策の結果(個人的感想)

実験は2日間にかけて行いました。

初日は登り始めの長い樹林帯や沢沿いの道。ジメジメムシムシし、期待通り虫さんもいっぱいいました。2日目は稜線歩きと同じく沢沿い、樹林帯の長い下り。天候は良く、カンカン照りの中でした。条件は若干違うのですが、初日は「ハッカ油スプレー」、2日目は「蚊・マダニよけローション」を使いました。

初日、「ハッカ油スプレー」を噴きかけ続ける

初日、新穂高の出だしから虫が発生。顔の周りを飛び回ります。長い雨が上がった後ということもあり、非常に蒸し暑く、久しぶりの登山者ということもあり?たかってきたのかもしれませんね。わさび平小屋あたりから特に虫が多くなり、ハッカ油スプレーを小まめに顔や腕に噴きかけました。

吹きかけた直後はサッと虫が飛ばなくなるのですが、しばらくすると汗で落ちてしまうのかまた寄ってきます。結果、秩父沢の渡渉ポイント近くで左二の腕に痛みを感じ、見ると出血。その日の昼過ぎ、双六小屋のテン場に着くころには腕がパンパンに腫れあがっていました。恐らくブヨだっただろうと思います。

ただし、被害はその1か所で済みました。

2日目「ディート」ローションの持続性に期待するも

2日目、まだ暗い内にテント内で起きだしても、前日やられた腕は腫れあがったまま。

明け方前に出発し、陽が昇る頃になると登山道上にブンブン飛び回る虫が現れ始めました。サコッシュに入れたローションを取り出し、首筋、耳裏、腕などに塗布。西鎌尾根と通り、槍ヶ岳、飛騨沢を下り槍平小屋に着くまでに合計3回塗りました。ウォータープルーフと言われているので、途中の沢では暑くて顔を洗ったりもしました。

ヒヤッとする感触で、塗った直後にはほのかに臭いがし、虫もいなくなるほどではありませんが、近寄ってこないような感覚はありました。ただ、この日は大変気温が上がり、とても暑い中で汗も大量にかいたことから、いかにウォータープルーフと言えども流れてしまったかもしれません。結局顔、首、腕の合計6か所以上に被害。ブヨだろと思います。

槍平小屋からはハッカスプレーも使い、何とか凌いだという感じです。

正直ディートローションに期待するも、ハッカスプレーの効果の高さが際立つ結果に

実験前、確かに安全とは言い切れないものの、強力な虫よけと言われ、数回の塗布で虫よけが出来るならばディート配合のローションは今年の登山のマストアイテムになるかと思っていました。しかし、結果はハッカスプレーの圧勝?というような状況でした。正直言って意外な結果でした。結果からすると、今年も登山にはハッカ油スプレーを中心に虫よけ対策をしていくことになりそうです。

ただ、大量に汗をかき続ける登山ではこのような結果でしたが、同じくアウトドアでもキャンプであればまた違ったかもしれません。また、致死率も高いマダニによる感染症の報告数が年々増えている中、「マダニよけ」ローションに期待したいというのも正直な気持ちです。引き続き、キャンプでの効能も使いながら確かめてみたいと思います。

以上。

 

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  1. RYOSUN

    こんにちは。いよいよ夏山シーズンが本格的に到来しますが、一足先に夏山を満喫されたのですね。今年のアルプスはどこも虫が多く発生しているようで、私も困ったなと思ってまして色々と対策で悩んでいたのですが。。。現地での人体実験ありがとうございます。やはりハッカが効果ありそうですね。冷却雰囲気効果もありますし気分的にも良いですもんね。これで安心して山に登れます。色々な体当たり実験に感謝いたします(笑)