晴れのち暴風、そして撤退・・・けれども素晴らしき残雪の涸沢テント泊

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2017年5月14日~15日、GW直後の静かな涸沢カールへテント泊で行ってきた。
涸沢は何度か行っているものの、雪の時期は初めて。
紅葉の涸沢の素晴らしさは言うまでもないものの、雪の涸沢も本当に美しかった。

2015/10/07
奥穂高岳へ その1〜上高地から紅葉見ごろの涸沢まで 出発編
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2015/10/08
奥穂高岳へ その2~その先に絶景が待っている  涸沢の先へ編
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「上高地」のその先に

「上高地」という地名は多くの人が一度は耳にしたことがあるかもしれないが、こと「涸沢」となると一気に人数は減るだろう。何と読んでいいのかわからない方がいても不思議ではない。
「涸沢=からさわ」は、上高地から山のコースタイムで6時間10分(夏場・休憩なし)歩いた先にある。

涸沢自体の標高は2300mほどだが、お椀のように削られた「カール地形」の周りには、日本第三位の高峰である奥穂高岳、前穂高岳、北穂高岳など、3000m級の山々が連なっている。
今回まずはこの涸沢カールまで進み、チャンスがあれば北穂高岳への登頂を目指すことにして出発した。
ザックのパッキングはこんな感じ。

オスプレーのミュータント38ℓ
もっと軽量コンパクトにしたいなと思う。

2017/05/18
もっと遠くまで「WANDERLUST EQUIPMENT」山のシンプルギア。残雪期涸沢テント泊パッキング備忘録
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名古屋からの車でのアクセスとして今回選んだのは東海北陸道から高山~平湯を経由し、安房トンネルを抜けて沢渡バスターミナル。沢渡からの上高地直通バスに乗るというルート。
不思議なことで、何度も上高地に行っていたのに、何故か中央道から沢渡へ向かうルートを選んでいた。今回は30分ほど時間短縮が出来たように思う。がしかし、到着した沢渡でウトウト寝てしまい、始発のバスに乗り遅れるという失態。結局2本目のガラガラのバスに乗って上高地へ向かった。
途中、車窓から大正池と穂高連峰が見える。今日は良さそう。

ほどなくして上高地バスターミナルへ到着。まだ7時前の上高地は観光客も少なくヒッソリしている。
登山届を提出して午前7時に出発。

5分で河童橋。


夏の上高地もいいけれど、雪のついた峰々と澄んだ梓川を見ることが出来る春の上高地が一番好き。寒いけれど。
人気のない河童橋、小梨平を横目に見ながら、始発バスに乗り遅れたこともあって先を急ぐ。




美しい景色を眺めながら約30分で明神館へ到着。いつもそうだがここまでが身体が重い。スタートから2時間ぐらいしたあたりから元気が出てくるというのがいつものパターン。



霞沢岳、明神岳
明神館を過ぎるとパタッと人の数が減る。誰とも会わずにスタートから1時間ちょっとで徳沢へ到着。

徳沢には何張りかのテント。前日は激しい暴風だったらしい。爽やかな朝ながら、どこか疲れたようなテン泊の方々の姿が印象的だった。
徳沢でザックを一度おろして5分ほどの休憩。ストレッチをする。いつもこのあたりから少し頭が痛くなる。いわゆる「労作性頭痛」だろうと思う。
スタートから2時間弱で横尾に到着。

青空に横尾大橋が映える。
ここまで来るとほぼ登山者ばかりとなる。皆さんこれからの登りに備えて栄養補給や道具のチェックに余念がない。
私もここで家から持ってきたパンを食べる。
そして、ここからの雪上歩行に備えて日焼け止めを念入りに塗り込む。

去年の7月の京都旅行で買った「よーじやスポーツ」の日焼け止めがとても使いやすい。日焼けすると疲れるので必須。ちなみに京都ではもっと安く買える。
15分ほど休憩して出発。

横尾大橋を渡り、いつものようにすれ違う登山者と挨拶を交わしながらも黙々と歩いていると、3人のグループからすれ違いざまに「あれ、みーパパさん?」と声をかけられた。山で声をかけられることなんて滅多にないので、驚いて振り返ると、磯野さん、しゅうぴいさん、げんさんの3人だった。

3人は前日から涸沢へ入り、この日は下山途中だったという。前日の大雨の様子などを聞かせてもらうと、やはりすごい雨だったらしい。
この日の朝は北穂高で遭難もあったようだ。注意しなければ。
横尾から涸沢への樹林帯はとても歩きにくかった。
残雪がルート上に残っているものの、雪はすでに腐っており、踏み抜きが酷い。一歩ずつ足がズボズボと沈む。
思った以上に疲れる。




横尾から40分ほど歩くとようやく雪が増え歩きやすくなってきた。雪上とは言え凍結しているわけではないのでアイゼンはつけない。
結局この日は涸沢までアイゼンなしで歩行可能だった。

約1時間ほどで本谷橋に到着。夏場には冷たい川にかかる名物の橋だが、冬場は取り除かれている。ここからは夏道を外れて冬道を涸沢まで歩くことになる。ここで5分ほど休憩した。それにしても天気がいい。風も弱く、とても暑い。

夏道だと本谷橋を越えてから急登が続くが、沢をつめていく冬道だと傾斜はごく緩やか。冬道の方が涸沢までは楽だ。

ただ、いたるところで雪崩が起きており、落石にも注意しながら出来るだけ素早く危険個所を抜けなければいけない。

それにしてもいい景色だ。一面の雪。静か。

前方から3人のグループが近づいてくる。どうやら中国からだったようだ。涸沢には各国から登山者が集まる。


Sガレと呼ばれるガレ場の下を通り、ルートをグッと進行方向右手に向けるあたりから目指す涸沢方面が目に飛び込んでくる。

いつ見ても大迫力だ。
最後の斜面をゆっくりゆっくり登る。
しばらく歩くと、ようやく涸沢ヒュッテが見えて来た。まだ随分雪の中だ。さあもう一息。

12時過ぎ、ようやく涸沢へ到着。約5時間超の歩き。全体としては夏よりもずっと歩きやすかった。

労作性頭痛に悩まされる


涸沢に着く頃、頭が激しく痛んでいた。
普段の登山時によく痛みが出る。以前は高山病かとも思っていた。
しかし、高山病ではないのかもしれないと思ったのは、ハイペースで下山したような時にも頭痛が起こることが多いからだった。
調べて見ると、激しい運動の最中や直後に頭痛が起きることがあり、これらを労作性頭痛というのだという。
ハッキリとした原因は不明らしいが、血管の収縮によるのものではないかと言われているらしい。
そう言われると思い当たることがある。私は以前は激しい偏頭痛に悩まされ、処方されたトリプタン系の劇薬頭痛薬を飲んでいたことがあった。その時も、血管の収縮によるところが大きいのではないかと医師から告げられていた。
その処方薬はすでに期限切れになり破棄しているし、山には持ち合わせていなかったので手持ちの痛み止めを二錠飲んだ。
もちろん飲んでもすぐに痛みが治まるわけではなく、テント適地を見つけてパパッとカミナドーム1を設営。ダウンマットを敷いてゴロッと横になった。

後日談だが、先日の双六岳では労作性頭痛の予防として登る前から薬を飲んで登った。下山時にも。そのおかげか全く痛みは出ずに終始快適な登山が出来た。
もし涸沢でもそうしていたら、絶好のコンディションだっただけに、テント設営後そのまま北穂高岳へアタックしていただろうにと思うと悔やまれる…。
ただこの後悔が予定していなかった双六岳行きを決めたきっかけにもなったのではあるが…自分の体と対話するのも登山の楽しみの一つなのかもしれない。

何もすることがないという最高の贅沢

テントの中で横になるものの、頭が痛くて眠るに寝られない。写真でも撮って気分を紛らわそうかと思い外に出た。
ついでに涸沢ヒュッテにも行かないと。まだテン泊の受付を済ませていなかった。


少し風が出て来たが、まだ陽があるうちは暖かい。
常念岳方面

前穂高岳かな


雪崩の後もくっきりわかる


涸沢ヒュッテで名物のおでんと生ビールをいただくことにした。美味しい。

しかし、食べても頭痛は軽減されない。仕方ないのでもう一度テントの中で横になる。
食べて飲んだからかもしれないが、急激に眠気が襲ってきた。
どのくらい横になったのだろうフト目を覚ました。テントの外が少し暗くなった気がして外を覗くと、奥穂高岳方面から次々と雲が湧いてきていた。



雲が頭上を一気に覆ったり、突然青空が広がったりと目まぐるしく変化する。
涸沢ヒュッテは寝ている間に営業を終えてしまっていた。名物のラーメンを食べたかったが、諦めて持ってきた携帯食を食べる。
モンベルから新発売された「リゾッタ」シリーズ。
これはまたちゃんと書いてみようかと思っていますが、今までのアルファ米とは比べ物にならない程美味しい。


日が傾いてからは一気に気温が下がってくる。
どうやら天候は下り坂のようらしい。ただし、電波の状況がよくなく正確な情報を見ることが出来なかったので、6時過ぎには早々と就寝をした。

深夜から暴風、テントが飛ぶ、そして・・・

深夜、物凄い風の音と何やら人の声がして起きる。
人の声は何人かの声だった。どうやらトイレに起きてテントから離れた途端、暴風にテントが飛ばされたらしい。
その声で深夜にもかかわらず次々とまわりのテントからも人が出始め、ガイラインの張り具合などのチェックを始めることになった。
カミナはイーストンの31cmジェラルミンペグをしっかり差し込んでいたので飛ぶ不安はなく、確認だけして横になった。人の声を感じながらいつしか寝てしまった…
今回、雪上でのテント泊だったが、エクスペドのダウンマットのおかげで全く地面からの冷気は感じなかった。
シュラフはナンガのUDDバックの380DX。寒さは感じず、逆に少し暑いぐらいだった。
そして、眼を覚ますと・・・


暴風、そして真っ白な朝。
チャンスがあればと考えていた北穂高岳はもちろんのこと、時折テン場自体も白いガスに覆われる。風も強い。
時間はまだ4時過ぎだったので、天候の回復を期待して待つ。コッヘルでお湯を沸かす。プラティパスに入れていた水は少し凍っていたが手で揉むとすぐに溶けた。
いつでも行けるように手持ちの食料を食べる。
しかし、それから2時間待っても変化はない。
周りも諦めて撤収を始めた。中にはもう一泊粘るという人もいたが、そんな時間はもちろんないため、今回は涸沢までとすることにした。

決めてしまえば後は早く、荷物をザックに詰め込み、涸沢ヒュッテに挨拶に行って8時前には下山の途についた。
雪の涸沢、雪の穂高の山々、初日は本当にとても綺麗だった。
次の機会に期待したい。

 

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  • コメント ( 3 )

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  1. くろねこ

    色んな人の山レポを見て思うのですが、山を登る人の文章は完結で美しいですねぇ。
    夏の徳沢診療所で付き合い始めた山岳部の友人が、奥さんとの初デートが涸沢だったと、結婚式で言っていたのを思い出しました。
    雪が降るとこんな場所なんですね。
    頭痛の問題ですが、これまた友人の脳外科医が登山頭痛持ちでダイアモックスを予防内服していましたね。効いたのかどうかよくわかりませんが・・・
    すでにご存知かもしれませんが、こんなページもございます。
    http://www.zutukomakusa.html.tv/kan.html

  2. みーパパ

    くろねこさん
    ご紹介いただいたHP、ざっとですが興味深く読ませていただきました。ドクターによる登山と頭痛の分析は面白いですね~時間のある時に熟読してみたと思います。
    私はもともと頭痛持ちということもあるのですが、実は気になっている症状があります。それはかなり幼少の時からなのですが、時折、本当に時折ですが、時間や音の感覚が突然狂ってしまい、長い時で半日、短い時で30分ほど、音が物凄い速さで流れていったり、時間が早回しに感じたりとおかしな感覚になることがあるのです。
    頭痛との関係は全くわかりませんし、まわりに説明しても理解してもらったことがないのですが、自分としては関係があるように思っています。
    頭痛については少し深めたいんですよね~薬が効くときもあれば効かない時があったりもしますので。呼吸法や首まわりの筋力の低下なども影響しているのかもしれませんね。

  3. くろねこ

    それは興味深いですね。田中角栄さんも似たような話があったような・・・
    そういった状態になっているときに脳波をとると何がしか捕まる気もしますが、恐らく社会生活にさして支障が出ないので、一般的な病名として名前はついていないのでしょうね。
    ネットで調べたところ、そういった時間感覚の変容発作を起こす人は結構いるみたいです。
    一番近いのはAlice in Wonderland syndrome、AIWS、アリス症候群と呼ばれるもので、視覚だけでなく音・時間感覚でも報告はあるようですね。ちなみにアリスの作者であるルイス・キャロルも偏頭痛持ちだったことが知られています。
    支障が無ければあえて調べなくても良いと思いますが、人間の脳みそって不思議なもんですな(ΦωΦ)