待望の青空も~南アルプス天空の稜線歩き「白峰三山」2日目

間ノ岳
北岳
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ふす真っ白、強風、雨の中を歩いて来たのだから・・・
ご褒美はあるのかしら?
間ノ岳
日本第三位の高峰「間ノ岳」
南アルプスからの富士山
朝の富士山

気持ちのいい3000m峰の稜線
山の神様がいるとしたら
この瞬間をありがとうございました。
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2017年7月23日~24日、南アルプスの北岳、間ノ岳、農鳥岳を歩いてきた。
合わせて「白峰三山」と呼ばれ、今年の夏山の一つの目標だった。


前日、真っ白なガスの中を北岳に到達し、北岳山荘でテント泊。
夜は一時激しく雨が降り続ける時間帯も。時折外をのぞき込むも、ヘッドライトの光に照らされた水の粒子が真っ白く見えるだけ。
ただただ天候回復を祈って眠るのみ。
結局前日からの昼寝も含めて12時間近く眠る。
午前4時前には出発出来ればと考えていたものの、風雨ともに激しくしばらく朝食をとりながら様子を見ていると、明るくなるにつれて少しずつ雨が弱まって来た。
雨雲レーダーでもこれからの大雨は予想できない。
急いでテントを片付けて出発したのは午前5時前。予定よりも随分遅れてしまった。
トイレを借りに小屋へ行くと、朝食待ちの列が出来ていた。ちょっと羨ましい。

痛恨のミス



さあ出発。
が、ここで大きなミスをしていたことを程なくして気が付く。
今思うと気が急いていたのだろう。
雲に巻かれた北岳
しばらく行ってふと振り返ると、北岳の山頂が雲の中からヒョッコリと頭を覗かせている。雲がどんどん飛ばされているが、出るのは山頂だけ。それでも昨日見れなかった北岳の姿が見れて嬉しかった。

歩き始めて30分ほど経過し、今日一つ目のピーク3055mの中白根山まであとわずか。
そんな時に重大なミスに気が付いた。
「スマホがない」
どうやらテン場に置いてきてしまったらしい。急いで取りに戻る。
落ち着いて落ち着いて。
15分ほどでテン場まで戻ると、テントを設営した脇の石の上に置いたままになっていた。痛恨のミス。
遅れを取り戻すためにガシガシと登る。
途中、山荘から出た空身の登山者をパスさせてもらう。生憎の悪天候で間ノ岳ピストンだけにした方も多かっただろう。
しかし、自分はそうも言っていられない。
今日のルートはコースタイムで10時間を超える長めの設定。

5時49分 中白根山に到着。
結局、山荘から15分ほどで走り抜け、若干遅れを回復。
北岳
後方から「おー」と声がするので振り返る。
さっきよりも北岳がドラマチックにその姿を現す。雲がいい。
忘れ物をしたことによる怪我の功名か。

間ノ岳、農鳥岳 ようやくのご褒美が待っていた

一時弱まっていた雨がまた強まって来た。
黙々と登り続け、午前6時40分。
間ノ岳
標高3199m 日本第三位の高峰「間ノ岳」登頂。
お疲れ様でした。
ここでようやく遅れを取り戻すことが出来た。
展望も何もないためそのまま次の目的地、農鳥小屋を目指す。
ここからは全くの一人旅となる。

何となくおどろおどろし看板を横目に進む。
農鳥小屋は間ノ岳と農鳥岳の鞍部に位置する小屋。
強烈な個性を持った名物のおじさんがいることで有名。
農鳥小屋までは急なガレ場を一気に下る。


しばらく下ると開けた台地状の場所に出た。とても気持ちがいい。
ジグザグに踏み後を辿りながら進む。まるで日本庭園の中を1人歩いているよう。

富士山も見えた。少しガスが薄くなってきた。
7時27分、農鳥小屋へ到着。
農鳥小屋
恐る恐る小屋の間を抜けていくと、小屋番の若い女性が一人だけ。どうやらおじさんは不在らしい。
ちょっと拍子抜けしながら小屋の看板の横でザックを下して行動食を口にする。
すると、どこからともなく犬が近寄って来た。
食べ物を欲しがっているようだけれどもあげるわけにはいかない。
「ごめんね」などと声をかけていると、「コラ!」と大きな声がしてビクッとした。
思わず御免なさいと言いそうになり、さっきの女性も驚いて小屋から出て来た。
名物おじさんだった。どうやら私を叱ったのではなく、犬を叱ったらしい。
怒られた犬はおじさんの方へ着いていった。
ビックリした。
しばらくすると小屋で電話の音がする。さっきの声とはうって変わってとても明るく気さくな声で対応されているおじさん。
どうやら悪天候でキャンセルの電話だったらしい。
「いいよいいよ、気を付けて帰ってくださいね。また待っているからね」「天候は回復しそうだけれどね」と優しく電話口で接してみえる声が聞こえた。
噂と現実は全く違うように思う。
おじさんも今年で現役を退くらしいとどこかで聞いた。寂しがる人も多いだろうに。

思わず農鳥小屋で長めの休憩を取ってしまった。
先を急ぐ。次の目的地は西農鳥岳。二百名山の農鳥岳のすぐ隣に位置し、標高では農鳥岳を凌ぐけれども冠の付かない山。それでも標高は3051mある。
農鳥小屋の奥からテン場を横にみながら標高を上げていく。
すると、突然突風が西側から吹き付けてくる。帽子が一瞬飛びそうになるものの、何とか手で捕まえた。
みるみる目の前に青空が広がっていく。


間ノ岳方面を振り返ると、西側の三峰岳方面の稜線が姿を見せ始めていた。ガスが物凄い勢いで吹き飛んでいく。
間ノ岳
間ノ岳
あっという間に間ノ岳のどっしりとした山容が姿を現し、ガスに包まれていた農鳥小屋もハッキリと見えるようになった。
素晴らしい一瞬だった。

青空の下はやっぱり気持ちがいい。
風に飛ばされないようにしながら少しずつ標高をあげる。

左手奥は鳳凰三山。
間ノ岳

目指す西農鳥岳、農鳥岳だろうか。
思っていたよりも険しい。


この日最高の青。

また雲が上がってきそう。急がないと。
午前8時39分 西農鳥岳登頂。
西農鳥岳
間ノ岳、奥に北岳もハッキリ見える。
絶景。
次の農鳥岳は目の前、40分ほどの岩稜歩き。稜線の西側を巻いていく。


あっという間にガスがあたりを包んでしまった。
西農鳥岳から農鳥岳のルートは岩が多かった。危険個所はないものの、浮石も多く注意しながら進む。
農鳥岳
9時17分、農鳥岳登頂。
お疲れ様でした。
北岳、間ノ岳、農鳥岳。3000m峰をつないだ。
たまたま一人だけ青年がいたので、写真を撮ってもらう。
彼とは「さっきの青空は凄かったね」「間ノ岳がカッコよかったですね」などと会話する。
大門沢の小屋でもう一泊するとのことだったので、もう少しゆっくりするということで、先を行かせてもらった。

さあここからはある意味でこの日のクライマックス。
標高2000mの激下りロングコースのスタート。
まずは南へ一気に下山。途中雪渓を通過したりしながら広河内岳手前の大門沢下降点へ。


9時52分、下降点に到着。黄色い目印がわかりやすい。

ここを一気に下ります。コースタイムが6時間??長すぎる。
まずは2時間半で大門沢小屋を目指す。
その前後の水場で水の補給をする予定。


途中梯子が折れている場所も。問題なく横を通過。
下山はとにかく暑い。汗がボタボタとしたたり落ちる。水場の気配を感じ、一気に手持ちを飲む。

待望の水場。冷たくて美味しい。カタダインで濾過して飲み干す。
生き返る。

 

これ持っているとちょっと安心。少し安くなっている。吸わなくても水が飛び出すので飲みやすい。

11時38分、大門沢小屋到着。
北岳山荘のお弁当を食べて補給する。

ナイスな心遣いの小屋。

シュールなイラストと事務的なお弁当の包み。事務用封筒。

美味しかった。この写真を見ると今でもヨダレが出る。匂いや気温は記憶の要素としてとても大きいのだろうなと思う。
20分ほど休憩させてもらい小屋を後に。
後からわかったが、高校の女子登山部?の一団が泊まるのか、部屋を準備して待っているところだった様子。


しばらくは広河内川にかかる橋を渡りながら進む。濡れていて滑る。

そして、道が細い。アップダウンが地味にあり、地味に崖となっている場所を人がようやく一人通れるような道を延々と歩く。
このルートが両日を通して最も疲れた。
破線ルートでもいいのではないかというような道。
蛇ともよく出会った。もちろん熊も出そう。時折大きめの声を上げてこちらの存在を示しながら歩く。

大門沢登山道入り口付近の吊橋で女子高校生の一団を出会う。
先に通してもらった。この一団とさっきの細い道ですれ違うことになったら大変だったと思う。

13時56分、ヘトヘトになりながら下山完了。
結局、下降点から走りぬいて4時間ちょっとで下山した。
お疲れ様でした。
2日間、大半がガスの中で眺望の期待できない登山だったけれど、待望の白峰三山を歩けたことにとにかく満足。
そして、一瞬の青空など夏山の醍醐味も味わえて、気持ちのいい山歩きが出来た。
それにしても奈良田への下りは辛い。この下りをもう一度と思うと、しばらくはいいかなと思ってしまう。
もう少し体調を整えてからまた歩いてみたいと思う。
とにかくとてもいいルートだと感じた。
それと、北岳、間ノ岳、塩見、赤石、聖・・・このロングルートもいつか必ず。ここはみーと歩いてみたい。

下山後のお楽しみ 奈良田温泉が気持ち良かった

奈良田下山後は温泉へ。
とにかく体中が汗で塩まみれになっていた。

有名な奈良田の里温泉 女帝の湯へ
町営の温泉で何も手を加えていない源泉100%の温泉が檜の風呂で楽しめる。

ちょっと坂を登る。登山後にはちょっと辛い。


とてもいい雰囲気。
もう最高に気持ちのいいお湯だった。

温泉後には館内にある食堂で蕎麦をいただいた。ちょっと濃い目の出汁が疲れた体にちょうど良かった。
ここは温泉だけでもまた行きたいと感じる場所だった。
おしまい。

 

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